Calc Guide Chapter 6, Using Images and Graphics ノート

Introduction

Calc で読み込める形式の一覧は LibreOffice Help から確認しろ。

Calc で画像を使用する方法は LibreOffice の他のプログラムでそれを使用する方法と似てる。詳細については Getting Started Guide または Draw Guide を参照しろ。

Note

次の一節はだいじなのでそのままコピーしておく:

In LibreOffice, the terms graphics and images refer to both pictures and drawing objects. Often the word images is used when referring to pictures and other graphics that are not drawing objects.

Adding graphics (images) to a spreadsheet

Inserting an image file

画像が計算機に保存されているファイルの場合は以下に記されるいずれかの方法でスプレッドシートに挿入することが可能だ。

Drag and drop

Explorer などから画像ファイルをシート内にドラッグ&ドロップすればいい。この方法では画像のコピーが文書内に保存される(この形態を埋め込みという)。

Ctrl + Shift を押しながらドラッグすると、埋め込みではなくリンクになる。

Insert Image dialog

  1. スプレッドシート上、画像を示す位置をクリックする

  2. Menu バー で Insert‣Image… を実行する

  3. Insert Image ダイアログボックス で使う画像ファイルに移動して選択する

  4. 埋め込みかリンクかを Link チェックボックスで指定する

  5. Anchor ドロップダウンリストから錨を選択する:

    • To cell

    • To cell (resize with cell)

    • To page

    これらのオプションの詳細は Anchoring images を見ろ。

  6. 開く (O) ボタン を押すと画像ファイルの内容が指定した升目などに描かれる。

Note

画像をリンクすることを選択した場合、リンクを続行するか、代わりに画像を埋め込むかのオプションを含むメッセージボックスを表示することがある。この確認を今後表示しないようにするための選択が用意されている。

Linking or embedding an image file

画像をスプレッドシートに埋め込むと、その画像はスプレッドシートファイルの永続的な部分となる。埋め込んだ画像に加えた変更は元画像ファイルに影響しない。

Insert Image ダイアログボックス で Link をオンにしたか、ドラッグ&ドロップで Ctrl + Shift を使用した場合、画像を埋め込まれるのではなく、画像を含むファイルへのリンクが生じる。画像は文書に描画されるが、文書を保存すると、画像そのものではなく、画像ファイルへの参照だけが含むようにする。文書と画像は別々のファイルとして残り、文書を再度開いたときに初めてマージされます。

リンクと埋め込みの長所短所比較は、シンボリックリンクとハードリンクのそれととても似ている。

リンクを多用する場合には Menu バー Edit‣Links to External Files… コマンドが重要だ。参照を差し替えたり、埋め込みに変えたりすることが可能だ。

Note

文書に同じ画像を何度もはめ込む場合、リンクを作成したほうが良いと思うかもしれない。しかし、LibreOffice では文書に画像ファイルのコピーを一つしか埋め込まないため、その必要はない。コピーの一つや二つを削除しても、同じファイルの他のコピーには影響しない。

Embedding linked images

リンクはいつでも埋め込みに変えることが可能。手順:

  1. Menu バー から Edit‣Links to External Files… を実行して Edit Links ダイアログボックス を開く

  2. 目的の画像項目を一覧から選択

  3. Break Link ボタンを押す

Note

埋め込み画像からリンク画像にするのは面倒だ。それぞれのファイルを再度はめ込む際に Link をオンにし、一つずつ置き換える必要がある。

Inserting an image from the clipboard

システムクリップボードの内容が画像データの場合、Edit‣Paste (Ctrl + V) でそれを埋め込める。

Caution

画像を貼り付ける前にコピー元のアプリケーションを終了すると、クリップボードに保存されていた画像が失われる可能性がある。

Inserting an image using a scanner

光学走査装置が PC に接続されている場合、そこから取り込むコマンドがある:

  1. Menu バー から Insert‣Media‣Scan‣Select Source… を実行

  2. 光学走査装置を選択

  3. 画像を挿入する場所にポインターを置く

  4. Menu バー から Insert‣Media‣Scan‣Request… を実行

通常は画像を画像処理プログラムへいったん取り込み、整形してファイルに保存してからそれを先述の方法で追加するのが品質上望ましい。

Modifying images

  • Calc で行った画像修正は、埋め込みであれリンクであれ、元画像には影響しない。

  • 簡易な修正ならば Calc にある機能を用いてよい。

Using the Image toolbar

画像を入れたり、既存の画像を選択すると Formatting ツールバー の代わりに Image ツールバー が現れる。現れない場合には Menu バー から View‣Toolbars‣Image を選択しろ。

Formatting ツールバー の構成:

Select anchor for object ドロップダウンリスト

画像をセルに固定するかページに固定するかを選択する。 Anchoring images を見ろ。

Align Objects ドロップダウンリスト

画像が複数選択されている場合、画像同士の水平・垂直方向の位置関係を調整する。 Aligning images を見ろ。

画像を積み重ねる順番に配置する

Arranging images を見ろ。

  • Bring to Front

  • Forward One

  • Back One

  • Send to Back

  • To Foreground

  • To Background

画像の境界線の属性設定
  • Line Style ドロップダウンリスト

  • Line Width スピンボタン

  • Line Color ドロップダウンリスト

Area Style / Filling ドロップダウンリスト

画像そのものではなく、画像を含む背景領域の色やその他の特性を設定する。背景を見えるようにするには画像の透明度を適切な高さに設定する必要がある。領域を変更する方法の詳細については Draw Guide を見ろ。

Shadow ボタン

画像周囲に既定の影を描く効果を設定する。影効果を調整するには Format‣Text Box and Shape‣Area… を選択して Area ダイアログボックスを開き、Shadow タブをクリックする。

Filter ドロップダウンリスト

Image Filter ツールバーを開く。Draw Guide 参照。

Image Mode ドロップダウンリスト

画像の描画を次から選んで変更する:

  • Default

  • Grayscale

  • White/Black

  • Watermark

Crop Image ボタン

画像の周囲に切り抜きハンドルを配置する。ハンドルをドラッグすると画像の端を切り抜く(隠す)ことができる。

Flip Horizontally ボタンと Flip Vertically ボタン

画像の向きを変える。

Rotate ボタン

画像の周囲に回転ハンドルを配置する。

Transparency スピンボタン

画像の透明度を 0% から 100% の間に調整する。

Color ボタン

Color ツールバーを開き、赤、緑、青、明度、対比(どう和訳するべきか)、ガンマ値を調整する。

Using the Properties deck in the Sidebar

Image ツールバー の設定の一部は、画像選択中に Sidebar Properties 甲板 でも利用可能だ。ここには Image, Line, Position and Size, Columns 設定がある。

Adding text

画像や図面物にテキストを追加可能。そのようなテキストは画像が再配置されるときに画像と一緒に移動する。

  1. 画像をダブルクリックする。Text Formatting ツールバーが開く。

  2. テキストをタイプし、このツールバーを用いて書式を与える。

このようなテキストを調整するには、画像右クリックメニューから Text… を実行する。ダイアログボックスが開く。ここで調整しろ。

Positioning, resizing, and arranging images

Using the mouse

画像の幾何を修正するには、他の描画ソフトの感覚でマウスを用いればいい。キーボードを併用する編集動作もある。

  • 画像の元の比率を維持するには、コーナーハンドルのいずれかをドラッグしろ。

  • 比率を変更したい場合は Shift を押しながらコーナーハンドルのいずれかをドラッグしろ。

Using the Position and Size dialog

スプレッドシートで画像の位置と寸法を正確に指定するには、まず次のいずれかを選択する:

  • Menu バー から :menuselection:`Format‣Text Box and Shape‣Position and Size…

  • 右クリックメニューから Position and Size…

Position and Size ダイアログボックス が開く。Position and Size タブ でこれらの値を設定可能だ:

Position

スプレッドシート上の選択画像の位置。

Position X

グリッドで選択された基点からの水平距離。

Position Y

グリッドで選択した基点からの垂直距離。

Size

選択した基点に対する画像の幅と高さ。

Protect

誤って画像が移動したり、寸法が変更されたりするのを防ぐために、関連オプションを選択。

座標単位系および画像の寸法に用いる測定単位は Options ダイアログボックス LibreOffice Calc‣General ページ Measurement unit で設定する。

位置と寸法の既定の基点はスプレッドシートの左上隅だ。この基点を一時的に変更して、位置決めや寸法記入を簡単にすることが可能。この変更は一度きりで、 Position and Size ダイアログボックス を閉じると基点は標準の左上隅の位置にリセットされる。

画像を回転させたり斜めにしたりすることもできる。Position and Size ダイアログボックス の Rotation タブまたは Slant & Corner Radius タブを使う。詳しくは Draw Guide を見ろ。

Arranging images

スプレッドシートに配置する各画像は、重ね掛かっているかどうかにかかわらず、直前の画像に連続して重ね合わせられる。テキストの重ね順は変更不能だ。

  1. 変更したい画像を選択する。

  2. Menu バー から Format‣Arrange‣ を選択するか、画像を右クリックし、コンテキストメニューから Arrange‣ を選択する。

  3. または、Image ツールバー の配置図像六つのいずれかをクリックし、画像をすばやく上下に移動する。

移動選択肢は次のとおり:

Bring to Front

選択した画像を積み重ね順の天井に移し、他のどの画像の前にもあるようにする。

Forward One

選択した画像を1段上に移動し、積み重ね順の一番上に近づけます。

Back One

選択画像を一段下に移す。積み重ね順の底に近づく。

Send to Back

選択画像を積み重ね順の底に移し、他のどの画像の後ろにもあるようにする。

To Foreground

選択画像をテキストの前面に移す。

To Background

選択画像をテキストの後面に移す。背景画像を選択し、それを修正したり置き換えたりするには Navigator を使う必要がある。

Anchoring images

他の何かとの位置関係を保つように画像を錨で繋留しろ。

To Page

画像をページに留まらせ、特定の場所に配置する。

To Cell

画像を升目に留まらせ、固定されている内容と共に表示される。例えば画像がセル B10 に繋留している場合、新しい行がすぐ上に挿入されたとする。このとき、画像は B11 に繋留し直す。

To Cell (resize with cell)

錨セルの寸法を変更すると、画像のそれも変更される。

選択画像を繋留させたり、使用する錨の種類を変更するには:

  1. 次のいずれかで関連メニューを開く:

    • Menu バー から Format‣Anchor‣ を選択

    • 画像右クリックメニュー Anchor‣ 各種コマンドを選択

    • Image ツールバー から Anchor 図像をクリック

  2. 対応するメニュー項目を選択:

    • To Page

    • To Cell

    • To Cell (resize with cell)

Tip

画像の寸法を升目のそれに変更するには、画像右クリックメニューから Fit to Cell Size を実行しろ。

Aligning images

ワークシートに画像が複数ある場合、これらを整列させて体裁を整えることが可能だ。

選択肢には、画像を水平に揃えるもの(左、中央、右)と、画像を垂直に揃える(上、中央、下)ものがある。手順は:

  1. 対象画像を Shift を押しながらクリックするなどして同時に選択する。

  2. 右クリックメニュー Align Objects‣ のいずれかのコマンドを実行する。

Tip

Image ツールバー の Align Objects 図像自体から選択した画像をすばやく左揃えにできる。

Grouping and ungrouping images

画像グループの考え方は Inkscape などと同じだ。次の関連コマンドがメニュー Format‣Group にある:

  • Group, Ungroup

  • Enter Group, Exit Group

Note

画像グループは To Page モードで繋留される。錨はいつもどおり変更可能だ。

Using LibreOffice’s drawing tools

Calc にも LibreOffice の他のプログラムと同様に、長方形、円、線、テキスト、その他の図形を使用して、簡単な図などの図面を作成するためのさまざまなツールがある。複数の図面物をグループ化して、移動や寸法を変更をしても相対的な位置や比率が維持されるようにすることが可能だ。

複雑な図面を作成する必要がある場合は、LibreOffice Draw を使用し、それをスプレッドシートに挿入することが推奨される。Draw Guide を見ろ。

Drawing toolbar

View‣Toolbars‣DrawingDrawing ツールバー を表示する。これを使って簡単な図形をシートに挿入することが可能だ。

Drawing ツールバー が開くとツール集が表示される。ツールの上にマウスポインターを置くと、その機能を説明するツールチップが表示される。右側の小さな▼はツールのパレットを開く。Drawing ツールバー にツールを追加するには、ツールバーの何もない場所で右クリックし、コンテキストメニューから Visible Buttons–> を選択する。

  1. Drawing ツールバー のボタンを押す。マウスポインターが十字ポインターに、Formatting ツールバー が Drawing Object Properties ツールバー にそれぞれ変化する。

  2. 図面物を示したい場所に十字ポインターを移動し、クリック、ドラッグして作図する。マウスボタンを放す。選択された描画機能は活動中のままなので、同じ種類の別の物を描画することが可能。

押した描画コマンドを取り消すには、次のいずれかの操作をしろ:

  • 同じツールバーボタンをもう一度クリックする

  • Esc を押す

  • Drawing ツールバー の Select ボタンを押す

図面物の性質(塗りつぶしの色、線の種類と太さ、錨など)を編集するには、次が使える:

  • Drawing Object Properties ツールバー

  • Sidebar Properties 甲板

  • 右クリックメニューの関連コマンド各種

Setting the properties of drawing objects

描画物の性質の詳細については Draw Guide を見ろ。

描画前に図面物の既定特性を設定することが可能。これらの既定特性は現在のスプレッドシートにのみ適用され、閉じても保持されない。

  1. Drawing ツールバー の Select ボタンを押す

  2. Drawing Object Properties ツールバー ではボタン等がいくつか活動中になっている。各性質に用いる既定値を設定することが可能だ。

物を描画したり、他の物とグループ化したりすると、より多くの特性が活動中になる。これらはツールバー等の関連 UI に反映される。

既存の図面物の性質を編集するには、前節最後に述べた方法により可能。

Resizing drawing objects

画像の場合と同様のハンドルによる操作が図面物に適用される。 Positioning, resizing, and arranging images を見ろ。

Grouping and ungrouping drawing objects

画像の場合と同様に図面物もグループになり得る。Grouping and ungrouping images を見ろ。

Additional tools

画像や図面物の右クリックメニューにはその他雑多なコマンドがある。

  • Assign Macro… でマクロを図面物に仕込める。マクロを学んでからここに戻れ。

  • 個人的に注意したいものは Compress… だ。埋め込んだ画像データを圧縮すればファイルサイズが小さくなる。

Alt Text…

画像には表題と説明という形でメタデータを追加可能だ。この情報は画面読み上げソフトや、文書を HTML にエクスポートする際の代替テキスト属性 ALT として用いられる。

Name…

画像に割り当てるカスタム名を追加可能だ。Navigator で画像を検索しやすくなる。画像に名前を付けると、複数人が同じスプレッドシートで作業しているときに、画像を識別しやすくもなる。

Rotate or Flip

画像を回転させたり、水平または垂直に反転させることが可能だ。

Assign Macro…

画像にプログラム可能な機能を追加できるように Assign Macro ダイアログを開く。詳しくは Chapter 13, Macros を見ろ。

Edit Hyperlink…

画像からスプレッドシート内の別の場所、別の文書、Web ページへのハイパーリンクを定義する。Hyperlink ダイアログボックス を開くには、コンテキストメニュー Edit Hyperlink… を選択する。ハイパーリンクの詳細については Chapter 11, Linking Data を見ろ。

Compress…

画像を圧縮してスプレッドシートのファイルサイズを小さくできる。コンテキストメニューの Compress… を選択すると Compress Image ダイアログが開き、圧縮オプションを設定できり。図面物ではこのオプションは使用できない。

Edit with External Tool

外部ツールを使って画像を編集可能。開く ダイアログボックス は計算機の設定によって異なる。図面物では使用できない。

読者ノート

  • Alt Text… 項目は本書と名称が異なるので現況に合わせた。

  • Edit Hyperlink… は対象がハイパーリンクを有する場合にのみコンテキストメニューに現れる項目のようだ。

Using Fontwork

Fontwork を使うと、画像的なテキスト芸術作品を作成し、作品をより魅力的にすることができる。テキスト芸術作品にはさまざまな設定(線、領域、位置、寸法等)があるために選択肢が多くある。

Fontwork は LibreOffice の各プログラムで利用できる、各プログラムが描画する方法には小さな違いがある。

読者ノート

文字列だけからロゴタイプを生成する機能だ。

Creating a Fontwork object

  1. View‣Toolbars‣Fontwork 実行

  2. Insert Fontwork Text を押す

  3. Fontwork Gallery から一つ選択し OK ボタン を押す

Fontwork テキストを編集するには対象をダブルクリックしろ。

  1. テキストを選択し、対象物の上に表示される黒い Fontwork テキストの代わりに、独自のテキストを打ち込め。

  2. 変更を適用するには、空いている場所のどこかをクリックするか、Esc を押せ。

Editing a Fontwork object

Fontwork オブジェクトを選択して次を使え:

  • Fontwork ツールバー

  • Formatting ツールバー

  • 右クリックメニュー

詳しくは Getting Started Guide を見ろ。

Generating a QR or Barcode

QR コード生成機能とバーコード生成機能は、任意の文字列や URL をそれぞれの形式に符号化し、画像を出力するもので、これをスプレッドシートに含めることが可能だ。

Insert‣OLE Object‣QR and Barcode… コマンドで開くダイアログは、入力文字列からコード画像を生成して現在のシートに出力する。 URL/Text 欄に入力し、Error correction 係数を選択し、境界線の太さをドット単位で入力し、OK ボタン を押せ。

生成された後、その画像上で右クリックメニューから Edit Barcode… を実行すれば編集可能。