Calc Guide Chapter 16, User Interface Variants ノート

Introduction

既定では LibreOffice のコマンドは階層式メニューと図像満載のツールバーにまとめられている。これは古典的な UI であり、本書の他の多くの章における各種説明でも想定されていることだ。

古典的 UI はひじょうに柔軟で、多くの UI 部品の表示有無、位置変更、ツールバー、メニューに割り当てられたコマンドの再定義、メニューやツールバーの新規作成、個々のキーバインドの再定義などが可能だ。

ここからが本題で、古典的 UI を含む UI 変種は次で全てだ:

  • Standard Toolbar

  • Tabbed: MS Office で使われているリボンに最もよく似ている UI

  • Single Toolbar: 画面解像度の低い環境の利用者向け

  • Sidebar

  • Tabbed Compact: 省スペース版 Tabbed

  • Groupedbar Compact: 最も頻繁に使用される機能を図像で、その他の機能をドロップダウンメニューで表示する。縦長空間が好ましい。

  • Contextual Single: 文脈依存の内容である一行のツールバー

これらのうち Standard Toolbar, Single Toolbar, Sidebar, Contextual Single は古典的 UI で使用されている部品の代替構成と考えられる。他の三つは notebook bar の使用に基づく。

Selecting the user interface

Calc をセットアップすると既定 UI は Standard Toolbar になる。利用者は上述の UI のいずれかを選択し、いつでも切り替えることが可能だ。

  1. Menu バー View‣User Interface… を実行

  2. ダイアログボックス On the Select Your Preferred User InterfaceUI variants から一つ選ぶ。選択肢を変えると右側のプレビューとメモが示される。

  3. 選択した内容を LibreOffice のすべてのコンポーネントに適用するか、Calc にのみ適用するかを決めて、該当するボタンを押す。

  4. Close ボタン を押す。

選択した内容に合わせて Calc ウィンドウが更新される。

Standard interfaces

Standard Toolbar, Single Toolbar, Sidebar インターフェイスは密接に関連する。これらの既定構成を以下見ていく。

Standard Toolbar

LibreOffice のインストール時に選択されている古典的 UI だ。次の構成を取る:

  • Standard ツールバー と Formatting ツールバー

  • Sidebar

  • タブパネルにタブが五つ

Single Toolbar
  • ツールバーは頻繁に使用される機能を含む Standard (Single Mode) しか見せない。

  • Sidebar は Show/Hide ボタンしか見せない。

Sidebar
  • ツールバーは Standard 一つが表示。

  • Sidebar は完全に開く。

View‣ メニュー を使って、これら三つの変種それぞれの要素の表示有無を変更することが可能。 Menu バー、ツールバー、キーバインドの設定は Tools‣Customize… で開く Customize ダイアログボックス のタブで変更可能。

これらの変種は notebook bar を土台にしていないため、Customize ダイアログボックス の Notebookbar タブには構成の選択肢がない。

Contextual Single

Contextual Single 変種の初期構成は:

  • メニューは表示される

  • ツールバーは表示されない

ツールバーは現在の操作対象に対応して自動的に見えたり隠れたりする。例えば、

  • 画像が選択されていれば Image ツールバー が、

  • 図面物が選択されていれば Drawing Object Properties ツールバー が

表示されるという具合だ。

Contextual Single 変種に UI を切り替えると、Sidebar がまだ開かれていない場合、自動的に開く。

View‣ メニュー を使って、これら三つの変種それぞれの要素の表示有無を変更することが可能。Menu バー、ツールバー、キーバインドの設定は Customize ダイアログボックス のタブで変更可能。

この変種も notebook bar を土台にしていないため、Customize ダイアログボックス の Notebookbar タブには構成の選択肢がない。

Tabbed interface

Introduction

Tabbed インターフェイスは Microsoft Office のような専売特許の事務ソフトウェアから来た利用者は馴染みのあるもの。これには

  • Menu バー

  • 図像バー

  • タブバー

  • アクティブなタブの図像

  • 一つ以上のタブ固有のメニュー

  • クイックメニュー

が搭載されている。図像バーの Menubar 図像をクリックすると、メニューバーの表示有無が切り替わる。

Calc ではこの UI には常に表示される九つの固定タブと、時々表示される六つの追加タブがある。

  • 各タブには時々の対象物ごとにまとめられた図像集合が示される。

  • 各タブの右端には固有のドロップダウンメニューがある。

  • クイックメニュー(ハンバーガー)はすべてのタブで共通。

Customize ダイアログボックス のタブ Notebookbar を用いて Tabbed インターフェイスをカスタマイズし、さまざまなタブの図像それぞれの表示有無を切り替えることが可能だ。 Chapter 15, Setting up and Customizing を参照しろ。図像寸法も調整可能だ。

タブの図像が Calc ウィンドウの幅に収まらない場合は、行の右端に » が表示される。これを押せば現在表示されていない追加オプションが現れる。

Icon bar

図像バーはタブの左に位置する。見ればわかるが図像集合の編成は左から:

  1. Menubar: Menu バー 表示有無切り替え

  2. Open (Ctrl+O)

  3. Save (Ctrl+S)

  4. Undo (Ctrl+Z): これと次の図像のツールチップは前後に実行したコマンドで内容末尾がその動作を示す文字列になる。

  5. Redo (Ctrl+Y)

  6. Print (Ctrl+P)

Quick menu

タブの右側にはクイックメニュー(ハンバーガー)があり、よく使われるコマンドやリンクが記載されている。

Fixed tabs

固定タブは次の九つだ:

  • File

  • Home

  • Insert

  • Layout

  • Data

  • Review

  • View

  • Extension

  • Tools

各固定タブには関連メニューがあり、タブの右端にあるボタンからアクセスする。このボタンにはタブと同じ名前が付けられている。

本書のスクリーンショットについて、次の点に注意しろ:

  • 撮影用に Calc のメインウィンドウを小さくしているため、タブのほとんどに » が示され、選択肢の一部が見えていない。

  • 図像が表示されている各タブについて、» を押したときに表示される追加選択肢を示す別の図を含んでいる。

  • タブの右端にあるメニューの内容を示す図が付いている。

利用者ノート

本書のスクリーンショットでは横長のウィンドウを真っ二つに切断して続けて示している。それがわかれば誤解のおそれはないと考えられる。

File tab

File タブには FileHelp のメニューがある。それらの隣にはそれぞれ Close 図像と LibreOffice Help の図像がある。

利用者ノート

この内容なら古典的メニュー UI のほうが使いやすい。

Home tab

Home タブには Home メニューボタン一つがある。そして次の三つの図像がこれに隣接する:

  • Find and Replace (Ctrl+H)

  • Sort Ascending

  • AutoFilter (Ctrl+Shift+L)

利用者ノート

Paste Special コマンドのための UI が見当たらない。キーバインドで事足りるからなのか、使用頻度の都合によるのか。

Insert tab

Insert タブには Insert メニューボタン一つが右端にある。これに次の三つの図像が隣接する:

  • Insert or Edit Pivot Table

  • Show Draw Functions

  • Function List

利用者ノート

  • Show Draw Functions をオンにすると Drawing ツールバー が浮遊状態で表示される。

  • Function List は Sidebar が開く。

Layout tab

Layout タブ右端にあるメニューボタンは一個で Layout`だ。それに :guilabel:`Format Page 図像が隣接する。

利用者ノート

このタブにはセル、シート、ヘッダー、フッター、行、列といった対象に関するコマンドがまとまっているようだ。

Data tab

Data タブ右端には Data メニューボタン一つがある。そして次の三つの図像がこれに隣接する(この組み合わせはさっき見たものだ):

  • Find and Replace (Ctrl+H)

  • Sort Ascending

  • AutoFilter (Ctrl+Shift+L)

Review tab

Review タブ右端には Review メニューボタンが一つある。ここに隣接するのは Manage Track Changes 図像だ。

利用者ノート

ただし図像脇のラベルは Manage だ。

View tab

View タブ右端には View メニューボタン一つがある。 Zoom 図像がこれに隣接する。

Extension tab

Extension タブにあるメニューボタンは Extension 一つだ。このメニューボタンには Extension Manager (Ctrl+Alt+E) 図像一つが隣接している。

利用者ノート

  • ただし図像横のラベルは Extension だ。

  • 本書の記述は拡張が何も入っていない状態に基づいていると考えられる。拡張が UI 要素をタブに追加する構造のはずだ。

Tools tab

Tools タブにあるメニューボタンは Tools 一つだ。このメニューボタンには Options 図像一つが隣接している。

Additional tabs

追加タブは物を選択すると View タブと Extension タブの間に現れる。次の六つだ:

  • Draw

  • Form

  • Image

  • Media

  • Object

  • Print

Draw tab

Draw タブは図面物を選択するときに現れる。

Draw タブ右端には Draw メニューボタン一つがある。そして次の図像がこれに隣接する:

  • Area

  • Line

  • Position and Size

Form tab

Form タブは設計モードでフォーム部品が選択されたときに現れる。

Form タブ右端には Form メニューボタン一つがある。 Form Properties 図像がこれに隣接する。

Image tab

Image タブは画像を選択すると現れる。

Image タブ右端には Image メニューボタン一つがある。これに次の四つの図像が隣接する:

  • Save

  • Area

  • Line

  • Position and Size

Media tab

Media タブはメディア物を選択すると現れる。

Media タブ右端には Media メニューボタン一つがある。これに次の三つの図像が隣接する:

  • Area

  • Line

  • Position and Size

利用者ノート

AVI 音声ファイルで試した。

Object tab

Object タブは OLE 物などを選択すると現れる。

Object タブ右端には Object メニューボタン一つがある。これに次の三つの図像が隣接する:

  • Area

  • Line

  • Position and Size

Tabbed Compact interface

Tabbed Compact インターフェイスは前節の Tabbed インターフェイスをより凝縮させたものだ。タブの編成が Tabbed 無印と同じであるが、各タブのコマンドは一行に表並ぶため、垂直方向に占める画面帯域が少なく済む。

個々のタブとタブメニューの内容は、Tabbed 無印インターフェースの対応する部品と同様だ。

Tabbed Compact インターフェイスは Customize ダイアログボックス の Notebookbar を使ってカスタマイズ可能であり、さまざまなタブ内の図像それぞれの表示有無を切り替えることが可能だ。Chapter 15, Setting up and Customizing を参照しろ。

Options ダイアログボックス LibreOffice‣View ページ の Icon Size 区画 Notebookbar ドロップダウンリストで図像サイズを調整可能だ。

Groupedbar Compact interface

Groupedbar Compact インターフェイスはコマンドをまとめるのにツールバーやタブを利用しない。代わりに、操作時点の状況(例えば空セルを選択している等)に応じてコマンド群がグループ化され、縦線で視覚的に区切られている。各グループには図像、メニュー、その他のコントロールが適宜配置される。

Tabbed インターフェイスの動作と同様に、グループすべてがメインウィンドウの幅に収まらない場合、右側に » が表示される。これを押すと見えていないグループが追加的に示される。

グループの多くはニューボタンの上に位置する図像を複数持つ。メニューボタンを押すとグループに関連するコマンドのメニューにアクセス可能だ。

利用者ノート

初見では違和感がある。

Groupedbar Compact インターフェイスに表示されるグループは使用状況によって変化する。例えば、現在画像が選択されている状況では Font, Paragarah グループなどが隠れ、Image, Arrange などのグループが現れる。

Groupedbar Compact インターフェイスの右端には次の一連の図像を含む小領域がある:

  • Find and Replace (Ctrl+H)

  • LibreOffice Help

  • Close

これらは Menu ラベルのあるボタンの上部に位置する。このメニューの内容は常時決まったコマンドを搭載している。

Groupedbar Compact インターフェイスは Customize ダイアログボックス のタブ Notebookbar を用いてカスタマイズ可能だ。

Options ダイアログボックス LibreOffice‣View ページ の Icon Size 区画 Notebookbar ドロップダウンリストで図像サイズを調整可能だ。