Miniconda 利用ノート

Miniconda の利用に関する事実関係の覚え書きと、その利用について思うところを記す。

Note

本稿執筆時の動作環境は次のとおり。

  • OS: Windows 10 Home (64 bit)

  • Cygwin: 2.5.2-1, 2.7.0 (64 bit)

  • bash: 4.3.42(4)-release, 4.4.12(3)-release (x86_64-unknown-cygwin)

  • Miniconda: 4.0.5, 4.1.11, 4.3.14, 4.7.5

Python 本体および Python 製パッケージのバージョンについては、必要に応じて本文で明記していく。

概要

まずは Conda が何であるかを説明する。 Conda とは、オープンソースパッケージの管理システムであり、それらに対する環境管理システムである。すなわち、

  • パッケージの複数のバージョンおよびそれらの間の依存関係をインストールしたり、

  • それら(環境と呼ぶ)を容易に切り替えたり

する機能がある。Conda は Python プログラムについて製作されたものだったということだが、現在ではどのようなソフトウェアでもパッケージにしたり配布したりすることが可能であるそうだ。

次に Conda を含むシステムとして AnacondaMiniconda が存在することを一応述べる。本稿では後者のシステムのみを解説していく。Anaconda が既定の状態でかなりのパッケージを自動的にインストールするのに対し、Miniconda は Conda, Python および依存パッケージしか含まない。ドキュメントをすべて読んだわけではないが、両者の決定的な違いはこれだけではないかと思う。

最後に Conda を表現するコマンドラインツール conda について簡単に述べる。Conda の機能の一つである conda install コマンドを使えば、720 を超える科学計算パッケージを Continuum リポジトリーというところから個別にインストールすることが可能であり、さらに 250 を超える科学計算パッケージを個別にインストールすることが可能だ。その他、conda にはリポジトリーに所望のパッケージが存在するかを問い合わせたり検索したりする機能や、当然ながらインストール済みのパッケージの一覧表示、更新、削除といった機能がある。先に述べた環境切り替えについては、付録のシェルスクリプトまたはバッチファイルにて実現することが可能。

補足として、通常の Python 環境と同様に pip install を併用することも可能であることを記し添えておく。 pip 利用ノート も参照。

環境構築手順

次の手順でよい。

  1. インストーラーをダウンロードする

  2. インストーラーを実行する

  3. 30-minute test drive を実施する

  4. パッケージをインストールする

  5. 個別のパッケージについて動作確認をする

  6. 構成ファイルを編集する

  7. バックアップ or アップグレード用ファイルを作成する

Miniconda のダウンロードページにある Python 3.5 の 64-bit (exe installer) をクリックして Miniconda3-latest-Windows-x86_64.exe というファイル名のインストーラーを入手できる。

次にダウンロードしたインストーラーを実行する。選択肢はほとんどなく、せいぜいインストールパスを好みで変更するくらいで、手なりでインストールを終了する。以下、インストールパスを D:\Miniconda3 としたものとする。

そして公式ドキュメントの 30-minute test drive を実施するのがよい。各種基本コマンドを習得するはずだ。この過程で Python 本体と conda 自身のアップグレードも場合によっては生じる。

さて、メインの作業である個々のパッケージのインストールおよびアップグレードだが、状況に応じて手動による作業の内容が変わってくることが考えられる。ここでは対象パッケージについて次の条件を仮定しておく。

  • Python プログラミングの個人研究用という名目の環境を構築したい。暗に旧バージョンのパッケージの動作確認等は興味の対象外と言いたい。

  • conda でも pip でも取得することになるパッケージのバージョンが同じであれば、 conda のほうを優先する。さもなくば、より新しいバージョンを取得する手法のほうを優先する。たいていの場合それは pip のほうだ。

  • ローカルディスク上にある自作のパッケージは pip で管理する。この場合は常に --edit コマンドラインフラグを指定する。

パッケージ P を conda install によってインストールする場合、P が正常に動作するかどうかを確認する作業をする。作業方法は P に依存して変化するわけだが、それについては読書ノート内の各パートを参照する。インストールするパッケージ群に依存関係が存在することがよくあるが、その場合の動作確認の順番は、依存ツリーの根から葉の方向に進める。また、この作業に先立って従来環境における site-packages の状況を従来環境にあるほうのコマンド pip freeze 等を活用して把握しておくことだ。必要なパッケージを

  1. pip install によって得られたものと、

  2. 非公式版アーカイブからのインストールで得られたもの

とに分類しておき、整理結果を後の conda installpip install の使い分けの基準とする。

Conda の各種設定はホームディレクトリーに所定の書式で記述された構成ファイル .condarc を作成することでも可能である。毎度特定のコマンドラインオプションを指定するようなことがあれば、このテキストファイルにそのようなオプションを記述しておけば、コマンドラインの入力作業の省力化になる。

デフォルト環境用の次回以降のアップグレードに備えて pip list --export コマンドで要件文字列をファイル化しておくとよい。これについては次節で述べる。

ノート

  • Anaconda ではなく Miniconda を選択した理由は、必要十分なパッケージを利用可能にしたいからという、個人的な嗜好による。

  • Python の利用者が Conda が何であるかを理解するには、 conda vs. pip vs. virtualenv の表を見るのが手っ取り早い。

    • 要するに pip + virtualenv である。

  • Miniconda のインストーラーは正規版の Python のそれとは異なるのか、Windows のスタートメニューを変更しないのだろうか。 HTML Help ファイルの Python 3.5.x Documentation へのショートカットアイコンがスタートメニューにあるプログラムリストに欲しい。

  • 私はパッケージ環境切り替え機能を利用することはほぼないはずだ。Python のサードパーティー製パッケージおよび Python 自身を効率的に更新する道具として Miniconda を利用していくだろう。

  • チュートリアルの 30-minute test drive は無難な作業ばかりなので、これは問題になり得ないはずだった。ところが、私が Cygwin の bash でコマンドライン操作のすべてを行うのだが、それに関係して一点だけ問題があった。 activate スクリプトによる環境を切り替える処理が失敗していることになかなか気付かなかったことだ。

    例えば activate スクリプトの処理の本質は「環境変数 PATH に対して、対応する Python 関係のパスを先頭のほうに追加する」ことだ。deactivate スクリプトはこれと反対のことを行う。今、スクリプトと書いたが、実際には bash の組み込み関数 source で実施するものだ。

    このスクリプトは /d/Miniconda3/envs/myenv のようなパスを環境変数 PATH の先頭付近に「追加」する。ところが私の Cygwin 環境では未だに /cygdrive prefix が生きていたので、全然意味を成さない。Cygwin の /etc/fstab あるいは /etc/fstab.d/$USER の内容を次のように編集する必要が生じていた。

    # For a description of the file format, see the Users Guide
    # http://cygwin.com/cygwin-ug-net/using.html#mount-table
    
    # This is default anyway:
    #none /cygdrive cygdrive binary,posix=0,user,noacl 0 0
    
    # Remove /cygdrive/ prefix:
    none / cygdrive          binary,posix=0,user,noacl 0 0
    

    この編集作業は本件がなかったとしても、厄介な cygdrive 問題の解決はもっと昔に実施してしかるべきだった。反省。

  • 非 Miniconda ベースの Python 環境で築いてきた site-packages 下を Miniconda において再現するとなると、正規環境のそれにおける作業時間よりも長くなるのかもしれない。 Matplotlib のインストールを実施したところ、何やら依存パッケージのインストールが絡んできて、そのコストが某サイトの非公式 Wheel を用いたインストールよりも明らかに高く付いた。

    • なお、完全移行達成までは元の正規 Python 環境を解体せぬことだ。環境変数 PATH の単純な書き換えでいつでも新旧 Python 間の切り替えが可能だ。動作の比較も容易い。元の環境を放棄する必要性は一般にはない。私にとっては本物は一つでいいので捨てる。

    • 元の Python 環境での pip freeze の出力結果を控えておくこと。 pip 利用ノート 参照。

  • conda のコマンドライン操作の設計がドキュメントに頼る必要がないほど質素であるため、当ノートでは「呪文表」を作成しない。いつでも conda --help なり conda command --help の出力メッセージで事足りる。

  • Conda の install コマンドによる Matplotlib を用いて、バックエンドを既定の TkAgg にしたときのウィンドウの表示時に Segmentation fault が発生する不具合が私の環境で現在発生している。この不具合のために、元の Python 環境を削除するのを躊躇している。

    • 応急処置としてはバックエンドを Qt4Agg にセットすることだ。これにより plt.show() などの呼び出しで落ちることはなくなる。設定方法については 基本テク および 環境設定 を参照。

    • 仮に conda install matplotlib ではなく、いつもの非公式バイナリーを pip install したらおそらく動作すると思われる。そのためには先に別途非公式版をダウンロードしておく必要があるのだが、何のために Miniconda を導入したのかわからなくなる。

  • conda の設定ファイル .condarc は今のところ用意しないで済みそうだ。各コマンドのオプション引数についての既定値が優秀であるところが大きい。

  • パッケージ P について、conda install P してから pip install P することが可能であることがある。可能な場合には、これらが同一環境下に共存する。

    • 環境にある全パッケージを単にアップグレードするには、次のコマンドでよい。

      bash$ conda update --all --yes
      
    • 困ったことに pip によってインストールしたパッケージのバージョンが conda のものより新しい傾向がある。例えば上記コマンドの実行直後に pip list -o すると、なおパッケージ名が列記されることがある。このようなパッケージは conda での管理とは別に「手動で」管理するハメになる。インストールもアップグレードもなるべく conda で統一したいのだが。

    • 一括アップグレードを実現する場合、このことが重要である。つまり、次のような手順を採用することになるだろう。

      bash$ conda update --all --yes
      bash$ pip install --upgrade --requirement reqpip.txt
      

      ここで、パッケージ一覧ファイル reqpip.txt はあらかじめ用意する必要があるものである。

    • パッケージ間の依存関係とインストール時に用いたツールの違いが問題になることはあるだろうか。

  • 初回のパッケージ調達が一段落したら、上記の自動化に備えて reqconda.txtreqpip.txt を作成しておくとよい。アップグレード目的のため、バージョン文字列はカットしたい。こうだろうか。

    bash$ conda list --export --no-pip | cut -d= -f1 > reqconda.txt
    bash$ conda list | grep '<pip>' | cut -f1 -d' ' > reqpip.txt
    
  • Conda を利用することの(私にとっての)利点は、どのパッケージでもインストールとアップグレードの方法が統一化できるということだ。当ノートではいろいろな Python パッケージについての考察があるが、それらのどれにも書くハメになっていた、インストールおよびアップグレードの云々をする必要がなくなったのも大きい。

  • 一般のサードパーティー製 Python パッケージのインストール手順は次の図のようにすることにした。ここではローカルにあるソースコードを pip install -e でインストールする状況は考慮していない。

    _images/python-pkg-proc.png

    一般のサードパーティー製 Python パッケージのインストール手順

3.5 から 3.6 への移行手順ノート

この節では root として Python 3.5 系の環境を構築してあるところに、そのバックアップ環境を残しながらも Python 3.6 系の環境を構築するときの手順の一例を記す。基本方針を列挙すると次のようになる:

  • root 環境を 3.5 という名前の環境にバックアップする。

  • root 環境にあるサードパーティー製パッケージを可能な限り新 root 環境にも導入する。

  • root 環境は Python 3.6 で動作するものとする。

バックアップ

現在の root 環境とそっくり同じものを 3.5 として作成し、管理されているパッケージ群を専用コマンドでテキストファイルに出力する。

bash$ conda create -n 3.5
bash$ conda env export -n 3.5 > 3.5.yml

root 環境を構築

まずは root 環境の Python を 3.6 にアップグレードする。これには update コマンドではなく install を用いる必要がある:

bash$ conda install python=3.6
Fetching package metadata ...........
Solving package specifications: .

UnsatisfiableError: The following specifications were found to be in conflict:
  - nbpresent -> _nb_ext_conf -> nb_anacondacloud -> python 2.7*
  - python 3.6*
Use "conda info <package>" to see the dependencies for each package.

すると上記のようなエラーが発生した。これは人によっては異なるだろう。いったん指摘されたパッケージを取り除いて、後で再インストールを試みるという作戦でいきたい:

bash$ conda uninstall nbpresent
Fetching package metadata ...........
Solving package specifications: .

Package plan for package removal in environment D:\Miniconda3:

The following packages will be REMOVED:

    _nb_ext_conf:     0.3.0-py35_0
    nb_anacondacloud: 1.2.0-py35_0
    nb_conda:         2.0.0-py35_0
    nb_conda_kernels: 2.0.0-py35_0
    nbpresent:        3.0.2-py35_0

Proceed ([y]/n)?

再度 install コマンドを試す:

bash$ conda install python=3.6
Fetching package metadata ...........
Solving package specifications: .

Package plan for installation in environment D:\Miniconda3\:

The following packages will be UPDATED:

    anaconda-client:     1.6.2-py35_0        --> 1.6.2-py36_0
    astroid:             1.4.9-py35_0        --> 1.4.9-py36_0
    bleach:              1.5.0-py35_0        --> 1.5.0-py36_0
    cffi:                1.9.1-py35_0        --> 1.9.1-py36_0
    clyent:              1.2.2-py35_0        --> 1.2.2-py36_0
    colorama:            0.3.7-py35_0        --> 0.3.7-py36_0
    cryptography:        1.7.1-py35_0        --> 1.7.1-py36_0
    cycler:              0.10.0-py35_0       --> 0.10.0-py36_0
    decorator:           4.0.11-py35_0       --> 4.0.11-py36_0
    entrypoints:         0.2.2-py35_1        --> 0.2.2-py36_1
    html5lib:            0.999-py35_0        --> 0.999-py36_0
    idna:                2.2-py35_0          --> 2.2-py36_0
    ipykernel:           4.5.2-py35_0        --> 4.5.2-py36_0
    ipython:             5.3.0-py35_0        --> 5.3.0-py36_0
    ipython_genutils:    0.1.0-py35_0        --> 0.1.0-py36_0
    ipywidgets:          6.0.0-py35_0        --> 6.0.0-py36_0
    isort:               4.2.5-py35_0        --> 4.2.5-py36_0
    jinja2:              2.9.5-py35_0        --> 2.9.5-py36_0
    jsonschema:          2.5.1-py35_0        --> 2.5.1-py36_0
    jupyter:             1.0.0-py35_3        --> 1.0.0-py36_3
    jupyter_client:      5.0.0-py35_0        --> 5.0.0-py36_0
    jupyter_console:     5.1.0-py35_0        --> 5.1.0-py36_0
    jupyter_core:        4.3.0-py35_0        --> 4.3.0-py36_0
    lazy-object-proxy:   1.2.2-py35_0        --> 1.2.2-py36_0
    markupsafe:          0.23-py35_2         --> 0.23-py36_2
    matplotlib:          2.0.0-np112py35_0   --> 2.0.0-np112py36_0
    menuinst:            1.4.4-py35_0        --> 1.4.4-py36_0
    mistune:             0.7.4-py35_0        --> 0.7.4-py36_0
    nbconvert:           5.1.1-py35_0        --> 5.1.1-py36_0
    nbformat:            4.3.0-py35_0        --> 4.3.0-py36_0
    networkx:            1.11-py35_0         --> 1.11-py36_0
    nose:                1.3.7-py35_1        --> 1.3.7-py36_1
    notebook:            4.4.1-py35_0        --> 4.4.1-py36_0
    numpy:               1.12.0-py35_0       --> 1.12.0-py36_0
    olefile:             0.44-py35_0         --> 0.44-py36_0
    pandocfilters:       1.4.1-py35_0        --> 1.4.1-py36_0
    path.py:             10.1-py35_0         --> 10.1-py36_0
    pickleshare:         0.7.4-py35_0        --> 0.7.4-py36_0
    pillow:              4.0.0-py35_1        --> 4.0.0-py36_1
    pip:                 9.0.1-py35_1        --> 9.0.1-py36_1
    prompt_toolkit:      1.0.13-py35_0       --> 1.0.13-py36_0
    pyasn1:              0.2.3-py35_0        --> 0.2.3-py36_0
    pycosat:             0.6.1-py35_1        --> 0.6.1-py36_1
    pycparser:           2.17-py35_0         --> 2.17-py36_0
    pycrypto:            2.6.1-py35_5        --> 2.6.1-py36_5
    pygments:            2.2.0-py35_0        --> 2.2.0-py36_0
    pylint:              1.6.4-py35_1        --> 1.6.4-py36_1
    pyopengl:            3.1.1a1-np112py35_0 --> 3.1.1a1-np112py36_0
    pyopengl-accelerate: 3.1.1a1-np112py35_0 --> 3.1.1a1-np112py36_0
    pyopenssl:           16.2.0-py35_0       --> 16.2.0-py36_0
    pyparsing:           2.1.4-py35_0        --> 2.1.4-py36_0
    pyqt:                5.6.0-py35_2        --> 5.6.0-py36_2
    python:              3.5.3-0             --> 3.6.0-0
    python-dateutil:     2.6.0-py35_0        --> 2.6.0-py36_0
    pytz:                2016.10-py35_0      --> 2016.10-py36_0
    pywin32:             220-py35_2          --> 220-py36_2
    pyyaml:              3.12-py35_0         --> 3.12-py36_0
    pyzmq:               16.0.2-py35_0       --> 16.0.2-py36_0
    qtconsole:           4.2.1-py35_2        --> 4.2.1-py36_2
    requests:            2.13.0-py35_0       --> 2.13.0-py36_0
    ruamel_yaml:         0.11.14-py35_1      --> 0.11.14-py36_1
    scipy:               0.19.0-np112py35_0  --> 0.19.0-np112py36_0
    setuptools:          27.2.0-py35_1       --> 27.2.0-py36_1
    simplegeneric:       0.8.1-py35_1        --> 0.8.1-py36_1
    sip:                 4.18-py35_0         --> 4.18-py36_0
    six:                 1.10.0-py35_0       --> 1.10.0-py36_0
    testpath:            0.3-py35_0          --> 0.3-py36_0
    tornado:             4.4.2-py35_0        --> 4.4.2-py36_0
    traitlets:           4.3.2-py35_0        --> 4.3.2-py36_0
    wcwidth:             0.1.7-py35_0        --> 0.1.7-py36_0
    wheel:               0.29.0-py35_0       --> 0.29.0-py36_0
    widgetsnbextension:  2.0.0-py35_0        --> 2.0.0-py36_0
    win_unicode_console: 0.5-py35_0          --> 0.5-py36_0
    wrapt:               1.10.8-py35_0       --> 1.10.8-py36_0

Proceed ([y]/n)?

この画面まで行けば問題はない。ここからは conda が自動でパッケージを大量にダウンロード、インストールしてくれる。まだ UnsatisfiableError が生じるようならば、再度対象パッケージの remove を都度実行する。なお conda 以外の方法で導入したパッケージは別途インストールすること。

補足

UnsatisfiableError を引き起こしたパッケージを改めてインストールしたい場合に注意が要る。conda install の予告リストのパッケージバージョンが 3.6 に一致するか指差し確認したい。

せっかく作った 3.6 環境に 3.5 のパッケージをインストールすると、それ以外のパッケージも 3.5 のものにダウングレードしてしまうようだ。そのことについては conda は警告しない。

欲しいパッケージの 3.6 版がない場合は、それ以上の作業は見送るのがよい。

V4.7.5

  • これまで root と書いたものは base と呼ばれるように変更されたらしい。

  • どうやら conda update 系のコマンド実行に OS の管理者権限が必要となったらしい。通常権限のコンソールで更新系のコマンドを実行すると、最後に例外が発生して正しくファイルが配置されない。これは Windows のスタートメニュー Anaconda Prompt を右クリックして 管理者として実行 してから更新コマンドを実行することで免れる。以下に一例を示す:

    bash$ conda --version
    conda 4.7.5
    bash$ conda update --all --yes
    Collecting package metadata (current_repodata.json): done
    Solving environment: done
    ...
    Downloading and Extracting Packages
    ...
    Preparing transaction: done
    Verifying transaction: failed
    
    EnvironmentNotWritableError: The current user does not have write permissions to the target environment.
      environment location: D:\Miniconda3