Data Structures: Objects and Arrays¶
Eloquent JavaScript Chapter 4 の読書ノート。
本書のウェブページ <https://eloquentjavascript.net/code> では特定の章の内容に沿ったコードを実行することができる。別の環境で演習問題に取り組む場合は、本章の完全なコードをリンク先からダウンロードすることになる。
The weresquirrel¶
プログラミング言語の教科書でリス男の小説が突如始まる。
Data sets¶
JavaScript には値の並びを格納するためのデータ型が用意されている。これは配列と呼ばれ、角括弧で囲まれた値のリストをカンマで区切って定義する。構文は Python の
list に似ているようだ。
let listOfNumbers = [2, 3, 5, 7, 11];
console.assert(listOfNumbers[2] == 5);
console.assert(listOfNumbers[0] == 2);
console.assert(listOfNumbers[2 - 1] == 3);
Properties¶
JavaScript ではオブジェクトのほとんどすべてがプロパティーを有する。例外は
nullとundefinedだ。JavaScript でプロパティーにアクセスするには、ドットと角括弧の二つの方法がある。
だから
value.xが有効な式であるとすればvalue["x"]も有効だ。
配列の要素は、その配列のプロパティーとして格納される。
Methods¶
関数を含むプロパティーはふつうはその値のメソッドと呼ばれる。
Objects¶
型
objectの値は、プロパティーのコレクションとみなせる。オブジェクトを作成する一つの方法は、中括弧を使ってプロパティーを列挙するというものだ。
let day1 = {
squirrel: false,
events: ["work", "touched tree", "pizza", "running"]
};
JavaScript では、中括弧には意味が二つある。
文のブロックを定義するもの
そうでなければオブジェクトを定義するもの
存在しないプロパティーを読み取ると、値
undefinedが得られる。プロパティーの値がすでに存在している場合は置き換えられ、存在しない場合は新しいプロパティーが存在しない場合は、オブジェクトに新しいプロパティーを作成する。
単項演算子
deleteをオブジェクトのプロパティーに適用すると、指定されたプロパティーをオブジェクトから削除する。Python のdelに似ている。演算子
inは、文字列とオブジェクトに適用すると、そのオブジェクトに指定した名前のプロパティーがあるかどうかをテストする。関数
Object.keysにオブジェクトを渡すと、オブジェクトのプロパティー名を表す文字列の配列が返る。関数
Object.assignは、あるオブジェクトのすべてのプロパティーを別のオブジェクトにコピーする。
console.log(Object.keys({x: 0, y: 0, z: 2}));
// → ["x", "y", "z"]
let objectA = {a: 1, b: 2};
Object.assign(objectA, {b: 3, c: 4});
console.log(objectA);
// → {a: 1, b: 3, c: 4}
Mutability¶
数値、文字列、ブーリアンなど、これまでの章で説明してきた値の種類は、すべて mutable だ。これらの型の値を変更することはできない。
変数には変更可能なものと一定のものがあるが、これは値の振る舞いとは別のもの。
オブジェクトへの
const定義は、それ自体は変更されず、同じオブジェクトを指し続けるものの、そのオブジェクトの中身は変更される可能性がある。演算子
==でオブジェクトを比較する場合、同一性によって比較する。異なるオブジェクトを比較すると、たとえ同一のプロパティーを持っていたとしてもfalseを返す。
The lycanthrope’s log¶
ブレース記法のプロパティー名の後に値がない場合、その値は同じ名前のものとなる。
相関係数の説明がある。
\(\varphi \approx 0.069\) となり、わずか。ピザを食べても変身には影響しないだろう。
Computing correlation¶
JavaScript では、2×2 の表を 4 要素の配列で表すことができる。
しかし、平板な配列を使うほうが単純で、表にアクセスする式を短くすることができる。
結果として得られたデータセットは本章のコーディングサンドボックス
<https://eloquentjavascript.net/code#4> にある。ここでは JOURNAL とダウンロード可能なファイルに保存されている。
指定した値が配列内に存在するかどうかをテストするメソッド
includesがある。
残るは、記録されたタイプのすべてのイベントの相関関係を見つけて、何か目立つものがないかどうかを見ることとなった。
Array loop¶
現代の JavaScript では配列、文字列、その他のデータ構造をループするのに次の構文を使える:
for (let entry of JOURNAL) {
console.log(`${entry.events.length} events.`);
}
The final analysis¶
分析の結果、ピーナッツを食べることがリスに変身する確率に強い正の影響を与えること、歯を磨くと大きな負の効果があることが観察された。
Further arrayology¶
配列のメソッドをいくつか挙げる。
unshiftとshiftはそれぞれ先頭に対して要素を追加、削除する。indexOfとlastIndexOfは想像通りの振る舞いをする。sliceは Python のそれと似ている。concatは Python のextendと同等。二項演算子+と同じ。
Strings and their properties¶
indexOfには引数に文字列を与えられることに注意する。sliceは配列のそれと同等の振る舞いをする。trimは Python のstripに相当する。padStartというメソッドが存在する。console.assert("6".padStart(3, "0") == "006");
splitは Python と同様。joinは Python と主客転倒している。repeatがある。
Rest parameters¶
JavaScript でも可変個引数関数を定義することができる。関数の最後の引数の前に
...を書く。引数の配列をとる関数を呼び出す際にも、同様の三点表記が使える。
ある配列を他の配列に埋め込むようなこともできる。
function max(...numbers) {
let result = -Infinity;
for (let number of numbers) {
if (number > result) result = number;
}
return result;
}
let numbers = [5, 1, 7];
console.assert(max(...numbers) == 7);
// read another array into the new array.
let words = ["never", "fully"];
console.assert(["will", ...words, "understand"]);
The Math object¶
Mathはオブジェクトというよりも単なる名前空間のように捉えたい。ここにある関数や値が大域変数である必要がないようにしたいので、こういう形式になっている。乱数機能は
Mathにある。
Destructuring¶
function phi(table) {
return (table[3] * table[0] - table[2] * table[1]) /
Math.sqrt((table[2] + table[3]) *
(table[0] + table[1]) *
(table[1] + table[3]) *
(table[0] + table[2]));
}
これは次のようにも書ける:
function phi([n00, n01, n10, n11]) {
return (n11 * n00 - n10 * n01) /
Math.sqrt((n10 + n11) * (n00 + n01) *
(n01 + n11) * (n00 + n10));
}
また、次のようにすることでオブジェクトのプロパティーの値を得られる。
let {name} = {name: "Faraji", age: 23};
// or let {age} = {name: "Faraji", age: 23};
// or let {name, age} = {name: "Faraji", age: 23};
console.assert(name == "Faraji");
JSON¶
JSON という一般的なシリアライズフォーマットがある。
JavaScript 以外の言語でも、Web 上のデータ保存・通信フォーマットとして広く使われている。
JavaScript には、JSON との間でデータを変換するための関数
JSON.stringifyとJSON.parseがある。
Summary¶
オブジェクトや配列は、複数の値を一つの値にまとめるものだ。
JavaScript のほとんどの値はプロパティを持っているが、例外は
nullとundefinedの二つ。プロパティーにアクセスするには
value.propまたはvalue["prop"]のように書く。配列は通常、型が同じ値を任意の個数だけ格納する。プロパティーの名前には数字を使用する。
配列要素を
forループで反復するときにはfor(let element of array){ ... }のような特別な構文を利用できる。
Exercises¶
The sum of a range¶
問題:
startとendの二つの引数を取り、その区間のすべての数を含む配列を返す関数rangeを書け。区間終点はendと一致するものとする。次に、数の配列を受け取り、これらの数の合計を返す関数
sumを書け。関数
rangeにstepを実装しろ。stepが指定されない場合は、以前の動作に対応して、要素は 1 ずつ増える。range(1, 10, 2)は[1, 3, 5, 7, 9]を返す。負の値でも動作するようにして
range(5, 2, -1)は[5, 4, 3, 2]を返す。
解答:単純な range をまず書く:
function range(start, end) {
console.assert(Number.isSafeInteger(start));
console.assert(Number.isSafeInteger(end));
console.assert(start <= end);
let a = [start];
for (let i = start; i < end; ++i) {
a.push(i);
}
return a;
}
関数 sum は色々書き方がありそうだが:
function sum(a){
return a.reduce((total, current) => total + current, 0);
}
console.assert(sum(range(1, 10)) == 55);
関数 range のステップバージョン:
function range(start, end, step = 1) {
console.assert(Number.isSafeInteger(start));
console.assert(Number.isSafeInteger(end));
console.assert(Number.isSafeInteger(step));
console.assert(step != 0);
let a = [start];
if(start < end && step > 0){
for (let i = start + step; i < end; i += step) {
a.push(b);
}
}
else if(start > end && step < 0){
for (let i = start + step; i > end; i += step) {
a.push(b);
}
}
return a;
}
Reversing an array¶
問題:次の関数を配列の reverse を用いずに書け:
関数
reverseArray関数
reverseArrayInPlace
前章の副作用や純粋関数についての注意点を思い返して、より多くの場面で役に立つと考えられるのはどちらか。また、実行速度はどちらが速いか。
解答:関数 reverseArray を先に実装する。
function reverseArray(a){
let newArray = new Array(a.length);
for(let i = 0, j = a.length - 1; i < a.length; ++i, --j){
newArray[j] = a[i];
}
return newArray;
}
あるいは a をコピーして reverseArrayInPlace を呼び出す実装も考えられる。
function reverseArrayInPlace(a){
const mid = a.length / 2;
for(let i = 0, j = a.length - 1; i < mid; ++i, --j){
[a[i], a[j]] = [a[j], a[i]];
}
}
使いやすいのは古いオブジェクトを壊さない
reverseArrayのほうだろう。実行速度はメモリーの確保が生じない in-place のほうが優れている。
A list¶
JavaScript では単方向リストを次のように表現することが考えられる:
let list = {
value: 1,
rest: {
value: 2,
rest: {
value: 3,
rest: null
}
}
};
リストの良いところは、その構造の一部を共有できることだ。例えば、2つの新しい値
{value: 0, rest: list} と {value: -1, rest: list} を作成したとすると、これらはどちらも独立したリストだが、最後の三つの要素を構成する構造を共有している。また、元のリストも有効なままだ。
問題:
配列
[1, 2, 3]を入力として与えると、上記のようなデータ構造のオブジェクトを返す関数arrayToListを書け。また、リストから配列を生成する関数
listToArrayも書け。そして、ヘルパー関数prependを追加しろ。この関数は要素とリストを受け取って、要素を入力リストの先頭に追加する 新しい リストを作成するものとする。関数
nthを書け。リストとインデックスを受け取り、リスト内の指定された位置の要素を返すものだ。そのような要素がない場合はundefinedを返せ。関数
nthを再帰で実装していなければ、再帰版も書け。
解答:あまりエレガントではないコードだが:
function arrayToList(a){
let list = {"value": null, "rest": null};
if(a.length == 0){
return list;
}
let cur = list;
let i = 0;
for(; i < a.length - 1; ++i){
cur.value = a[i];
cur.rest = {"value": null, "rest": null};
cur = cur.rest;
}
cur.value = a[i];
cur.rest = null;
return list;
}
function listToArray(list){
let a = [list.value];
let cur = list.rest;
while(cur.rest != null){
a.push(cur.value);
cur = cur.rest;
}
a.push(cur.value);
return a;
}
後半は新しいリストを作成することに注意する:
function prepend(element, list){
let arr = listToArray(list);
arr.unshift(element);
return arrayToList(arr);
}
function nth(list, index){
console.assert(Number.isSafeInteger(index) && index >= 0);
let cur = list;
for(index-- && cur != null; cur = cur.rest);
return cur ? cur.value : undefined;
}
function nth_recursive(list, index){
console.assert(Number.isSafeInteger(index) && index >= 0);
if(index == 0){
return list.value;
}
return nth_recursive(list.rest, index - 1);
}
Deep comparison¶
問題:二つ値を受け取り、それらが同じ値または同じプロパティを持つオブジェクトである場合にのみ真を返す関数 deepEqual を書け。プロパティーの値は、
deepEqual の再帰で比較したときに等しい。
ヒント:値を演算子
===を使って直接比較するか、または値のプロパティーすべてを比較するかを調べるには、演算子typeofを使う。ただしtypeof nullも"object"を生成することに注意すること。ヒント:関数
Object.keysは、オブジェクトのプロパティーを調べて比較したいときに便利だ。
解答:問題文から求めるものが再帰関数であることが明らかだ。
function deepEqual(lhs, rhs){
if (lhs && rhs && typeof lhs == 'object' && typeof rhs == 'object') {
const keys = Object.keys(lhs);
if (keys.length != Object.keys(rhs).length){
return false;
}
for(const key of keys){
if(!deepEqual(lhs[key], rhs[key])){
return false;
}
}
return true;
}
return a === b;
}
というか、インターネットに解がある: eloquent - Deep Compare JavaScript function - Stack Overflow
以上