Handling Events¶
Eloquent JavaScript Chapter 15 の読書ノート。
マウスやキーボードの操作など、ユーザーが直接入力することで動作するものがある。そのようなものをリアルタイムで処理する方法を学習する。
Event handlers¶
ポーリング方式でイベントを処理するのは避けたい。より良い仕組みは、システムにイベントの発生を活発に通知させることだ。
ブラウザーでは、特定のイベントを処理するハンドラーとして関数を登録することができる。
<p>Click this document to activate the handler.</p> <script> window.addEventListener("click", () => { console.log("You knocked?"); }); </script>
変数
window
はブラウザーが提供する組み込みオブジェクトだ。これはdocument
を含むブラウザーウィンドウを表す。メソッド
window.addEventListener
を呼び出すと、第一引数で指定したイベントが発生するたびに、第二引数で指定したコールバックを呼び出すようになる。
Events and DOM nodes¶
ブラウザーのイベントハンドラーは何に登録されているか?
前節では
window.addEventListener
の例を示されたが、そこでいうwindow
やaddEventListener
のようなものが他にもいくつかある。イベントリスナー とは、イベントハンドラーが登録されているオブジェクトであって、イベントが起こるときにしか呼び出されないものをいう。
<button>Click me</button> <p>No handler here.</p> <script> let button = document.querySelector("button"); button.addEventListener("click", () => { console.log("Button clicked."); }); </script>
このコードでは前節のようなウィンドウ全体にではなく、
button
ノードにハンドラーを登録している。文書内のボタン以外の部分をクリックしてもハンドラーは実行されない。ノードに
onclick
属性を与えても同様の効果を与えられる。一般には、イベント名に接頭辞
on
を付けたものを名前とする属性を定義することでハンドラーを登録することができる。
メソッド
removeEventListener
はハンドラーを削除する。引数リストはaddEventListener
と同じだ。
Event objects¶
イベントハンドラー関数には引数、すなわちイベントオブジェクトが渡される。これにはイベントに関する付加情報が含まれる。例えば、どのマウスボタンが押されたかなどを得ることができる。
<button>Click me any way you want</button> <script> let button = document.querySelector("button"); button.addEventListener("mousedown", event => { if (event.button == 0) { console.log("Left button"); } else if (event.button == 1) { console.log("Middle button"); } else if (event.button == 2) { console.log("Right button"); } }); </script>
イベントオブジェクトに含まれる情報は、イベントの種類による。
プロパティー
type
は種類によらず共通であり、"click"
や"mousedown"
などの、イベントを特定する文字列を値とする。
Propagation¶
イベントタイプの大部分について、ノードに登録されたハンドラーはその子ノードで発生したイベントも受け取る。例えば
<p>
に含まれる<button>
がクリックされると、<p>
のイベントハンドラーにもクリックイベントがわかる。ただし
<p>
と<button>
の両方にハンドラーがある場合には、より具体的なハンドラーである<button>
のそれが先に処理される。イベントは、発生したノードからその親ノード、さらにその親ノード、……。文書の根へと親の方向に伝わる。
最後に登録されているハンドラーすべての順番が回ったあとに、ウィンドウ全体に登録されているハンドラーがイベントに応答する。
イベントハンドラーは、イベントメソッド
stopPropagation
を呼び出して、この連鎖を断ち切ることがいつでもできる。これは次のような状況で役に立つ:<p>A paragraph with a <button>button</button>.</p> <script> let para = document.querySelector("p"); let button = document.querySelector("button"); para.addEventListener("mousedown", () => { console.log("Handler for paragraph."); }); button.addEventListener("mousedown", event => { console.log("Handler for button."); if (event.button == 2) event.stopPropagation(); }); </script>
イベントオブジェクトの大半には、イベントがどこのノードから来たのかを参照するプロパティー
target
がある。これを参照することで、予期せぬイベントを誤って処理することを回避できる。プロパティー
target
を使って、特定の型のイベントを広範囲に投げることもできる。次の例では<button>
一つ一つにハンドラーを登録するのではなく、document.body
にハンドラーを登録しておくことで、イベント発生元がボタンのときに限り処理することになる:<button>A</button> <button>B</button> <button>C</button> <script> document.body.addEventListener("click", event => { if (event.target.nodeName == "BUTTON") { console.log("Clicked", event.target.textContent); } }); </script>
Default actions¶
イベントの多くには関連した既定の動作がある。次のような例がある:
リンク上でならば、クリックすることはリンク先へ移動する。
ウィンドウ上でならば、下矢印キーを押すことは画面を下にスクロールする。右クリックすることは、コンテキストメニューが表示する。
イベントの種類のほとんどでは、既定の挙動を起こす前に JavaScript のイベントハンドラーが呼び出される。イベントメソッド
preventDefault
を呼び出すと、このようなことを禁止できる。これを利用して、独自のキーボードショートカットやコンテキストメニューを実装できる。
禁じ手だが、ユーザーが期待する動作を不当に妨害することができる:
<a href="https://developer.mozilla.org/">MDN</a> <script> let link = document.querySelector("a"); link.addEventListener("click", event => { console.log("Nope."); event.preventDefault(); }); </script>
ブラウザーによっては、まったく横取りできないイベントもある。Chrome では Ctrl + W は JavaScript では処理できない。
Key events¶
キーボードのキーが押されると、ブラウザーはイベント
"keydown"
を発生させ、離すとイベントkeyup
が発生する。keydown
が起こるのはキーが押されたときだけではない。押しっぱなしにしている間、繰り返し発生する。
イベントのプロパティー
key
を見てキーの種別を確認する。Enter などの特別なキーの場合、キー名が文字列で格納されている。
Shift を押しながらキーを押すと、キー名にも影響する。
修飾キーも普通のキーと同様にイベントを生成するが、キーの組み合わせを探すときにはプロパティー
shiftKey
,altKey
,metaKey
の値を見るといい。window.addEventListener("keydown", event => { if (event.key == " " && event.ctrlKey) { console.log("Continuing!"); } });
キーイベントが発生する DOM ノードは、キーが押されるときにフォーカスのある要素によって決まる。
ノードのほとんどはフォーカスを持つことはないが、リンク、ボタン、フォームフィールドは持つことができる。
特にフォーカスされているノードがないときには
document.body
がキーイベントの対象ノードとして働く。ユーザーがテキストを入力しているときに、それが何かを把握するためにキーイベントを利用することは問題がある。プラットフォームの一部、特に Android の仮想キーボードでは、入力テキストの種類によってはキーの押し方と合致しない。
何かがタイプされたことに気づくには
<input>
タグや<text>
タグなどの入力可能な要素が必要だ。これらの要素は、ユーザーが内容を変更するたびにinput
イベントを発射する。実際の入力内容を読み取る最良の方法は、フォーカスされているフィールドから直接読むことだ。
Pointer events¶
画面上にある物を指示する方法には二つの主流がある。これらは異なる種類のイベントを発生する。
マウス(タッチパッドやトラックボール等、マウス風に動作する機器を含む)
タッチスクリーン
Mouse clicks¶
マウスボタンを押すとさまざまなイベントが発射する。
mousedown
とmouseup
イベントがあり、キーイベントのkeydown
とkeyup
イベントにそれぞれ似ている。mouseup
イベントの後click
イベントが、マウスボタンを押すのと離すのとの両方が起こった最もそれらしいノードで発射する。例えば、あるノードでマウスボタンを押した後、別のノードにポインターを移動させてボタンを離すと、click
イベントはその両者を含むノードで起こる。クリックが二度近接して起こると、一つの
dblclick
イベントもまた発射する。それは二度目のclick
イベントの後に発射する。
マウスイベントが発生した位置についての正確な情報は、
イベントのプロパティー
clientX
,clientY
を参照することで得られる。この座標はウィンドウの左上隅を原点とする座標系における、ピクセル単位で表された座標だ。あるいは
pageX
,pageY
を用いる。この座標は文書全体の左上隅を原点とする座標系におけるピクセル単位で表された座標だ。
Mouse motion¶
マウスポインターが動くごとにイベント mousemove
が発射する。このイベントが有用なのは、マウスドラッグ機能を実装する場合だろう。
<p>Drag the bar to change its width:</p>
<div style="background: orange; width: 60px; height: 20px">
</div>
<script>
let lastX; // Tracks the last observed mouse X position
let bar = document.querySelector("div");
bar.addEventListener("mousedown", event => {
if (event.button == 0) {
lastX = event.clientX;
window.addEventListener("mousemove", moved);
event.preventDefault(); // Prevent selection
}
});
function moved(event) {
if (event.buttons == 0) {
window.removeEventListener("mousemove", moved);
} else {
let dist = event.clientX - lastX;
let newWidth = Math.max(10, bar.offsetWidth + dist);
bar.style.width = newWidth + "px";
lastX = event.clientX;
}
}
</script>
mousemove
ハンドラーをwindow
に登録していることに注意する。たとえバーのリサイズ中にマウスが外に飛び出したとしても、ボタンが押されている限りはバーのサイズを更新したいのだ。そして、マウスボタンが離されたときにサイズ変更を止めたい。そのために、現在押されているボタンを知らせてくれるプロパティー
buttons
を使うことができる。この値がゼロならばボタンは何も押されていない。
押されているボタンがあれば、この値はそのボタンのコードの和を表す。コードは次のとおり:
左 1
右 2
中 4
Touch events¶
タッチスクリーンに対する接触操作は、それ特有のイベントを発射する。
指が画面に触れ始めると
touchstart
イベントが起こる。接触中に指を動かすと
touchmove
イベントが起こる。画面に接触するのをやめると
touchend
イベントが起こる。
タッチスクリーンの多くが同時に複数の指を検出できるので、これらのイベントに単一の座標の集合が関連付けられるというものではない。イベントオブジェクトのプロパティー
touches
というのがあり、これは座標の配列のような要素を値とする。
配列要素の成分は
clientX
,clientY
,pageX
,pageY
という。
次の例は、画面を指すごとに赤い丸を描くというものだ:
<style>
dot { position: absolute; display: block;
border: 2px solid red; border-radius: 50px;
height: 100px; width: 100px; }
</style>
<p>Touch this page</p>
<script>
function update(event) {
for (let dot; dot = document.querySelector("dot");) {
dot.remove();
}
for (let i = 0; i < event.touches.length; i++) {
let {pageX, pageY} = event.touches[i];
let dot = document.createElement("dot");
dot.style.left = (pageX - 50) + "px";
dot.style.top = (pageY - 50) + "px";
document.body.appendChild(dot);
}
}
window.addEventListener("touchstart", update);
window.addEventListener("touchmove", update);
window.addEventListener("touchend", update);
</script>
このイベントにおいても
preventDefault
を呼び出すことが有用なことがある。
Scroll events¶
要素がスクロールされると
scroll
イベントが発射する。以下の例は、文書上にプログレスバーを描き、スクロールダウンするとそれが満たされるように更新する:
<style> #progress { border-bottom: 2px solid blue; width: 0; position: fixed; top: 0; left: 0; } </style> <div id="progress"></div> <script> // Create some content document.body.appendChild(document.createTextNode( "supercalifragilisticexpialidocious ".repeat(1000))); let bar = document.querySelector("#progress"); window.addEventListener("scroll", () => { let max = document.body.scrollHeight - innerHeight; bar.style.width = `${(pageYOffset / max) * 100}%`; }); </script>
要素の
position
をfixed
とすると、絶対位置のように動作するが、文書の残りの部分と共にスクロールするのを防ぎもする。すると、プログレスバーが上部に留まるようになる。プログレスバーの幅は、進行状況を示すために変更される。ここで単位として
px
ではなく%
としている。要素がページ幅に対して相対的なサイズになるようにしてある。大域変数
innerHeight
はウィンドウの高さを値とする。この値はスクロール可能な高さの合計値から減算した値でなければならない。ウィンドウの幅を表す
innerWidth
もある。現在のスクロール位置であるpageYOffset
を最大スクロール位置で除算して100 倍すれば、進行状況の百分率を得る。
スクロールイベントで preventDefault
を呼び出しでも、それは防げられない。実は、イベントハンドラーはスクロールが行われたあとに呼び出される。
Focus events¶
要素がフォーカスされると、ブラウザーはその要素にイベント
focus
を発射する。要素がフォーカスされなくなると、その要素にイベント
blur
が発射する。これまでのイベントとは異なり、この二つのイベントは親要素に伝導しない。子要素がフォーカスを得たり失ったりしても親要素のハンドラーにはそれが通知されない。
次の例は、フォーカスされているテキストフィールドのヘルプを表示する:
<p>Name: <input type="text" data-help="Your full name"></p>
<p>Age: <input type="text" data-help="Your age in years"></p>
<p id="help"></p>
<script>
let help = document.querySelector("#help");
let fields = document.querySelectorAll("input");
for (let field of Array.from(fields)) {
field.addEventListener("focus", event => {
let text = event.target.getAttribute("data-help");
help.textContent = text;
});
field.addEventListener("blur", event => {
help.textContent = "";
});
}
</script>
ユーザーがブラウザー、すなわち文書が表示されているウィンドウに出入りすると、オブジェクト
window
はイベントblur
,focus
を受け取る。
Load event¶
ページのロードが完了すると、イベント load
が window
と document.body
で発射する。
このイベントは、文書全体の構築完了を必要とする初期化アクションをスケジュールするのによく使われる。特に
<script>
タグの内容は、そのタグが現れるとすぐに実行されるので、場合によっては早過ぎる可能性がある。<img>
や<script>
タグなど、外部ファイルをロードする要素にもload
イベントがあり、その外部ファイルがロードされたことを示す。イベント
load
は親ノードに伝導しない。
ページが閉じられたり、リンクをたどって出ていったりすると、イベント
beforeunload
が発射する。
このイベントの主な用途は、ユーザーが文書を閉じて誤って作業を失うことを防止することだ。
もし、このイベントを
preventDefault
して、イベントのプロパティーreturnValue
に文字列をセットすると、ブラウザーはユーザーにダイアログボックスを表示して、本当にページを離れるつもりなのかを確認する。悪質なサイトが怪しい広告を表示するなど、この機能を悪用するため、近頃のブラウザーはこのダイアログボックスを表示しなくなった。
Events and the event loop¶
イベントループからすれば、ブラウザーのイベントハンドラーは非同期通知のように振る舞う。イベントハンドラーはイベントが起こるときにスケジュールに入るが、実行中の他のスクリプトが完了するのを待機しなければ、自分が実行する機会を得られない。
イベントは他に何も実行されていないときにしか処理されないということだ。
イベントループが他の作業と結びついている場合、それを処理する時間ができるまで、ページとの相互作用が遅延する。
長時間実行されるイベントハンドラーか、短時間でもイベントハンドラーがたくさんあると、仕事を増やし過ぎればページが重くなり使いにくくなる。
どうしても時間のかかる処理をページを固まらせることなくバックグラウンドでしたい場合には、ブラウザーには Web ワーカーというものを提供する。
ワーカー とは JavaScript プロセスであって、メインスクリプトと並行して実行されるものをいう。これはそれ独自のタイムライン上で走る。
例を出す。数の平方を計算することは重く、長時間を要するものであり、これを別のスレッドで実行したいとする。そこで code/squareworker.js
というスクリプトを書き、メッセージに応答して平方を計算し、メッセージを返すようにする。
addEventListener("message", event => {
postMessage(event.data * event.data);
});
ワーカーは大域名前空間やその他データをメインスクリプトの環境と共有しない。その代わりに、ワーカーとはメッセージをやり取りして通信する必要がある。
次のコードはスクリプトを実行しているワーカーを作り出し、メッセージをいくつか送信して、応答を出力する:
let squareWorker = new Worker("code/squareworker.js");
squareWorker.addEventListener("message", event => {
console.log("The worker responded:", event.data);
});
squareWorker.postMessage(10);
squareWorker.postMessage(24);
メソッド
postMessage
はメッセージを送信する。このメッセージはmessage
イベントを受信側に発射する。ワーカーを作成したスクリプトは
Worker
オブジェクトを通じてメッセージを送受信する。その大域名前空間上で直接送受信することで、そのスクリプトと対話する。
JSON として表現できる値しかメッセージとして送信することができない。相手は値そのものではなく、そのコピーを受信する。
Timers¶
関数
setTimeout
はすでに第 11 章で見た。指定したミリ秒後に指定した関数を呼び出されるようにするというものだ。時々この関数のスケジュールを取り消したいことがある。それには
setTimeout
の戻り値を保存しておき、それを関数``clearTimeout`` に引き渡して呼び出せばよい。let bombTimer = setTimeout(() => { console.log("BOOM!"); }, 500); if (Math.random() < 0.5) { // 50% chance console.log("Defused."); clearTimeout(bombTimer); }
関数
cancelAnimationFrame
は上記clearTimeout
と同じように機能する。この関数を関数requestAnimationFrame
を呼び出したときの戻り値を実引数として呼び出すと、そのフレームを(まだ呼び出されていなければ)取り消す。関数
setInterval
,clearInterval
は繰り返しタイマーを設定するために用いられる。指定のミリ秒間隔で何かを繰り返させるものだ。let ticks = 0; let clock = setInterval(() => { console.log("tick", ticks++); if (ticks == 10) { clearInterval(clock); console.log("stop."); } }, 200);
Debouncing¶
イベント mousemove
や scrollevent
のように、急速に連続発射されがちなイベントに対するイベントハンドラーを、時間を食うようなものにしないことが肝要だ。そうしないと、文書との相互作用が始まるのが遅いと感じさせてしまう。
そのようなイベントハンドラーで何か自明でないことをする必要があるならば、関数
setTimeout
を利用してそれを頻繁に行わないようにする。このことをイベントの
debouncing という。これにはわずかに違うアプローチがいくつかある。
次に示す最初の例では、ユーザーが何かを入力したときに反応をしたいのだが、入力イベントごとに直ちにそうしたいわけではない。
ユーザーが素早く入力しているときには、一時停止が起こるまで待ちたい。
イベントハンドラーではなく、タイムアウトを設定する。
前回のタイムアウトがもしあればそれも解除する。
タイムアウト遅延よりも短いようなイベントが近接して発生した場合、直前のタイムアウトも解除する。
<textarea>Type something here...</textarea>
<script>
let textarea = document.querySelector("textarea");
let timeout;
textarea.addEventListener("input", () => {
clearTimeout(timeout);
timeout = setTimeout(() => console.log("Typed!"), 500);
});
</script>
関数
clearTimeout
については、以下のものを実引数とする場合を気にする必要はない:値
undefined
すでにタイムアウトしているもの
したがって
clearTimeout
を呼び出すタイミングにも注意する必要はない。
応答間隔を一定時間以上空けたいが、一連のイベントの間で発射したい場合は、少し異なるパターンを使うことができる。たとえば、マウスの現在の座標を表示することで、”mousemove “ イベントに 250ms ごとに応答したいとする。次のコードはそれを実現する:
let scheduled = null;
window.addEventListener("mousemove", event => {
if (!scheduled) {
setTimeout(() => {
document.body.textContent = `Mouse at ${scheduled.pageX}, ${scheduled.pageY}`;
scheduled = null;
}, 250);
}
scheduled = event;
});
Summary¶
イベントハンドラーは Web ページ内で発生したイベントを検出し、反応することを可能にする。
メソッド
addEventListner
はハンドラーを登録するのに使う。イベントには
keydown
やfocus
などの、種類を識別するものがある。イベントの大部分は特定の DOM 要素で呼び出されて、その祖先に向かって伝わる。それらの要素に関連付けられたハンドラーがイベントを処理できる。
イベントハンドラーが呼び出されると、イベントに関する追加情報であるイベントオブジェクトが渡される。このイベントオブジェクトには次のようなメソッドがある:
stopPropagation
: イベントのさらなる伝導を停止する。preventDefault
: ブラウザーの既定の処理を禁止する。
キーを押すとイベント
keydown
とkeyup
が発射する。マウスボタンを押すとイベント
mousedown
,mouseup
,click
が発射する。マウスが移動するとイベント
mousemove
が発射する。タッチスクリーンの相互作用ではイベント
touchstart
,touchmove
,touch
が発射する。スクロールはイベント
scroll
で検出される。フォーカスの変化はイベント
focus
とblur
で検出される。文書がロードを完了するとイベント
load
がウィンドウに対して発射する。
Exercises¶
Balloon¶
問題 吹き出しを表示するページを書け(絵文字🎈を使用)。上矢印を押すと 10% 膨らみ、下矢印を押すと 10% 縮むようにしろ。
親要素の
font-size
(style.fontSize
) で、テキストのサイズを制御できる。値には単位を含めることを忘れるな。矢印キーのキー名は
ArrowUp
とArrowDown
だ。ページをスクロールすることなく、風船だけを変更するようにしろ。
これがうまくいったら、風船をある大きさ以上に膨らませると、爆発する機能を追加しろ。この場合、爆発するということは、風船が絵文字💥に置き換えられ、イベントハンドラーは削除される(これ以上爆発を膨らませたり縮めたりできないように)。
解答 前半と後半をまとめて:
<span id="baloon" style="font-size: 100px;">🎈</span>
<script>
function resizeBaloon(event){
const baloon = document.querySelector("span#baloon");
const fontSize = baloon.style.fontSize;
const size = fontSize.replace(/\D+/, '');
const unit = fontSize.replace(/\d+/, '');
if(event.key == "ArrowUp"){
updateBaloon(baloon, Math.floor(size * 1.1), unit);
event.preventDefault();
}
else if(event.key == "ArrowDown"){
updateBaloon(baloon, Math.floor(size * 0.9), unit);
event.preventDefault();
}
}
function updateBaloon(baloon, size, unit){
baloon.style.fontSize = size + unit;
console.log(baloon.style.fontSize);
if(size > 150){
console.log("explode");
const newSpan = document.createElement("span");
newSpan.setAttribute("id", "newSpan");
newSpan.setAttribute("style", `font-size: ${baloon.style.fontSize}`);
newSpan.appendChild(document.createTextNode("💥"));
baloon.parentNode.replaceChild(newSpan, baloon);
window.removeEventListener("keyup", resizeBaloon);
}
}
window.addEventListener("keyup", resizeBaloon);
</script>
replaceChild
の利用例が本書中にまだないので、そこに手間取った。爆発後のノードのスタイルを爆発前のそれの複製にしたいが方法が不明。
Mouse trail¶
JavaScript の黎明期はアニメーションを多用した派手なページが全盛の時代だった。それが流行していた頃、この言語を使って実に刺激的な方法が考案された。そのようなものの一つにマウス軌跡がある。ページ上でマウスポインターを動かすと、それを追う一連の要素だ。
問題 マウス軌跡を実装しろ。サイズと背景色が固定された絶対配置の <div>
要素を使え。例として Mouse clicks セクションのコードを参照しろ。このような要素をたくさん作り、マウスが動いたときに、マウスポインターの軌跡の中にそれらを表示しろ。
これに対しては様々な方法論が考えられる。最初に行う簡単な方策は、一定数の軌跡要素を保持し、イベント mousemove
が発生するたびに次の要素をマウスの現在位置に移動させるというサイクルを行うというものだ。
解答 軌跡の尻尾の色を減衰させるなどして派手にすることもできるが単純にする:
<style>
.dot {
height: 8px; width: 8px;
border-radius: 4px;
background: deeppink;
position: absolute;
}
</style>
<script>
const numDots = 20;
window.addEventListener("mousemove", event => {
const dots = document.querySelectorAll("div.dot");
const dot = document.createElement("div");
dot.className = "dot";
dot.style.left = event.x + "px";
dot.style.top = event.y + "px";
if(dots?.length >= numDots){
document.body.removeChild(dots[0]);
}
document.body.appendChild(dot);
});
</script>
Tabs¶
タブ付きパネルは、ユーザーインターフェースで広く使われている。タブパネルでは、要素の上に突き出た複数のタブから選択することで、インターフェースパネルを選択することができる。
問題 単純なタブ型インターフェースを実装しろ:DOM ノードを入力とし、そのノードの子要素を表示するタブ付きインターフェイスを出力する関数 asTabs
を書け。
ノードの先頭に、子要素ごとに、子要素の属性
data-tabname
から取得したテキストを含む<button>
要素のリストを挿入する。元の子要素のうち一つを除いてすべてを(スタイルで
display: none
として)隠す。現在表示されているノードは、ボタンをクリックして選択できる。
これがうまくいったら、現在選択されているタブのボタンのスタイルを変えて、どのタブが選択されているか明らかになるように拡張しろ。
解答 前半だけ解く。汎用性を求めていないので殴り書きのまま提出する。
function asTabs(node){
const newNode = document.createElement("div");
for(const child of node.children){
child.style.display = "none";
const tabName = child.getAttribute("data-tabname")
const button = document.createElement("button");
button.setAttribute("tab", tabName);
button.appendChild(document.createTextNode(tabName));
button.addEventListener("click", event => {
const tabName = event.target.getAttribute("tab");
for(let pane of document.querySelectorAll("[data-tabname]")){
if(pane.getAttribute("data-tabname") == tabName){
pane.style.display = '';
}
else{
pane.style.display = 'none';
}
}
});
newNode.appendChild(button);
}
return newNode;
}
event.target
でイベント発生源を参照できることを忘れていた。CSS セレクターはやはり便利だ。
HTML 側ではこういう感じになる:
<ul id="tab_target">
<li data-tabname="Tab0">Pane A</li>
<li data-tabname="Tab1">Pane B</li>
<li data-tabname="Tab2">Pane C</li>
<li data-tabname="Tab3">Pane D</li>
</ul>
<script>
const ui = asTabs(document.getElementById("tab_target"));
document.body.insertBefore(ui, null);
</script>
問題の後半は updateAllButtons(event.target)
のような呼び出しで適当にスタイルを変更するコードを書けばいい。省略。
以上