Classes¶
Class basic syntax¶
<https://javascript.info/class> のノート。
The class syntax¶
class MyClass {
constructor() { ... }
method1() { ... }
method2() { ... }
method3() { ... }
...
}
この定義に対して
new MyClass()を呼び出せば、これらのメソッドすべてを有する新しいオブジェクトが生成する。constructor()はnewが自動的に呼び出すので、そこでthisを用いてオブジェクトを初期化する。
What is a class?¶
JavaScript ではクラスは関数の一種だ。クラス構文は次のことをする:
与えられたクラス名と同じ関数を定義し、それをクラス宣言の評価とする。その関数の内容は
constructorがある場合にはそれと同じものとなる。ない場合には空。与えられたメソッドをクラス名と同じ関数のプロトタイプに収納する。
このことは今まで習った機能を利用することで示すことができる。
Not just a syntactic sugar¶
これまでの手作業による擬似クラス定義とは異なる点がいくつもある。その一部は:
クラス構文で定義されたコンストラクターは隠しプロパティー
[[IsClassConstructor]]を有する。これはコンストラクターが演算子newで呼び出されることを要求する。クラス構文で与えられたメソッドは特別属性
enumerableの値がfalseだ。クラス構文のコードはつねに “use strict” モードだ。
Class Expression¶
無名関数と同様にして、無名クラスの定義も(名前付きにも)できる。
let MyClass = class {
...
};
Getters/setters¶
クラス構文ではオブジェクトリテラルと同様にアクセッサープロパティー get,
set も定義可能だ。これらのメソッドはクラスのプロトタイプに収納される。
Computed names [...]¶
クラス構文では角括弧のプロパティーもオブジェクトリテラルと同様に定義可能だ。この機能を忘れかけているので、コード例を引いておく(角括弧内はふつうは実行時評価される):
class User {
['say' + 'Hi']() {
alert("Hello");
}
}
Class fields¶
クラスフィールドはプロトタイプではなく、個々のオブジェクトに備わる。
class MyClass {
field1 /* [= expr1] */;
field2 /* [= expr2] */;
field3 /* [= expr3] */;
...
constructor() { ... }
method1() { ... }
method2() { ... }
method3() { ... }
...
}
Making bound methods with class fields¶
フィールドがオブジェクト個別に作られることを利用して、矢関数を値とする。すると
this が bind なしにオブジェクトを指す。この手法は何らかのコールバックとして指定するときに便利だ。
Tasks¶
Rewrite to class¶
与えられたオブジェクトリテラルをクラス構文で書き換える問題。基本。
Class inheritance¶
<https://javascript.info/class-inheritance> のノート。
The extends keyword¶
class Derived extends Base{
// ...
}
ただし extends はクラスなどのコンストラクター関数か null をオペランドに取ることができる。意味は [[Prototype]] を指定したものに設定すると覚えておいていい。
Overriding a method¶
子クラスのメソッドで親メソッドを呼び出すにはキーワード super を用いる。
super(...)はコンストラクター内限定で、親コンストラクターを呼び出す。super.method(...)は親クラスのmethodを呼び出す。
繰り返しになるが、矢関数には super がない。外側のスコープの super だと解釈される。
Overriding constructor¶
急所は一つ。子クラスのコンストラクターでは super を最初に呼び出す必要がある。さもなければ this を参照できない。
本文では詳細な説明がなされているが、派生コンストラクターは特別扱いだということを知っていれば十分だろう。
Overriding class fields: a tricky note¶
この節の内容は、他のプログラミング言語の習熟者向けらしい。
クラスフィールドもオーバーライド可能だ。
子クラスフィールドの初期化タイミングが、親コンストラクターの前だ。
Super: internals, [[HomeObject]]¶
super.method()はthis.__proto__.method()のように働くわけではない。これは長い継承鎖を作って検証することができる。
[[HomeObject]]¶
関数には [[HomeObject]] という特別な隠しプロパティーがある。関数がクラスやオブジェクトのメソッドとして指定されると、その [[HomeObject]] プロパティーはそのオブジェクトになる。それによって super は親プロトタイプとそのメソッドを解決するのだ。
Methods are not “free”¶
いったん関数が定義されると、その
[[HomeObject]]はもう変わらない。[[HomeObject]]が使われるのはsuperしかない。
Methods, not function properties¶
メソッドを定義するときには methodName: function(){ ... } の記法を採用してはいけない。[[HomeObject]] が存在しなくなってしまう。
Tasks¶
Error creating an instance¶
コードをブラウザーで実行すると、デバッガーがエラーメッセージで解答を教えてくれる。
ReferenceError: Must call super constructor in derived class before accessing
'this' or returning from derived constructor
Extended clock¶
コードを編集することが許されない既存のクラスから、追加機能を有するサブクラスを定義する問題。行数は少ないが、メソッド start() を実質的に全部実装するようなものだ。
Static properties and methods¶
<https://javascript.info/static-properties-methods> のノート。
クラス自体に割り当てられたメソッドは静的メソッドであると言う。クラス定義内のメソッド定義において、名前の前にキーワード static を付けるとそれになる。
既存のクラスに対して、それ自体にメソッドを付加しても静的メソッドを定義できる。
静的メソッドでは
thisはクラス自体を指す。これはthis決定規則どおりだ。静的メソッドの用途は他のオブジェクト指向プログラミング言語と同様のようだ。
静的メソッドはオブジェクトメソッドのようには呼び出すことはできない。
Static properties¶
クラスフィールドの名前の前にキーワード static を付けると、それは静的プロパティーになる。
既存のクラスに対して、それ自体にプロパティーを付加しても静的プロパティーを定義できる。
Inheritance of static properties and methods¶
親クラスの静的メンバーは小クラスに継承される。
Tasks¶
Class extends Object?¶
Python とは違って、明示的に extends Object して定義されるクラスは Object
の静的メンバーに普通の方法でアクセスできない。
Private and protected properties and methods¶
<https://javascript.info/private-protected-properties-methods> のノート。
A real-life example¶
プログラミングにおけるオブジェクトはコーヒーメーカーのようなものだ。内部の詳細を隠すためには、保護カバーの代わりに、言語の特別な構文と慣習を使う。
Internal and external interface¶
インターフェイスを内部インターフェイスと外部インターフェイスに分類して考える。
内部インターフェースは、オブジェクトが動作するために使われるもので、その細部は互いに利用し合う。外部インターフェイスを介してオブジェクト機能を使用する。つまり、オブジェクトを使うために必要なのは、その外部インタフェースを知ることだ。オブジェクト利用者は、それが内部でどのように機能しているのかを知らないかもしれない。
他のオブジェクト指向プログラミング言語では public, protected, private の三種のアクセスレベルが備わっているが、JavaScript には protected に相当するものがない。実用上はこの概念が有用なので、慣習を設けて乗り切る。
Protecting waterAmount¶
変数名をアンダーバーから始めることで、それを protected であるかのように見做そう。
waterAmountなら_waterAmountに改名する。外部からは直接アクセスできなくさせたので、外部インターフェイスをアクセッサープロパティー
get,setの機能を応用するなどして用意する。そのメソッド名をオリジナルの変数名に再利用すればいい。
Read-only power¶
読み取り専用プロパティーを、アンダーバー変数をラップするアクセッサープロパティー
get だけを定義し、set を定義しないことで表現する。
囲み記事が指摘する事実をすっかり忘れていた。普通のメソッドの形式でアクセッサーを実装すると引数リストを利用できる。
Private #waterLimit¶
プライベートメンバーを # から始まる名前で定義できる。このようなメンバーには、定義したクラスの内部からしかアクセスできない。
試したところ、これにアクセスするコードは実行時エラーというより、構文エラーになる。
例えば
#xとxは別の識別子として扱われる。プライベートメンバーには角括弧記法ではアクセスできない規則がある。
Extending built-in classes¶
<https://javascript.info/extend-natives> のノート。
最初の例は注意していないと見落とす。Array のサブクラスにメソッド filter
を呼び出すと戻り値の型もそのサブクラスであるという。これは filter あるいはその他の類似メソッドが Array 決め打ちではなく、引数の constructor を呼び出すからだ。
逆に、このような配列を返す組み込みメソッドが Array を返すようにしたい場合は、サブクラスに特別な静的アクセッサープロパティー Symbol.species を追加すればいい。
class PowerArray extends Array {
static get [Symbol.species]() {
return Array;
}
//...
}
上の事情は Array 以外の組み込みコレクション型とそのサブクラスにも当てはまる。
No static inheritance in built-ins¶
組み込み型同士では静的メソッドは継承されない。ユーザー定義型同士とは異なる。
Class checking: instanceof¶
<https://javascript.info/instanceof> のノート。
演算子 instanceof を使うと、あるオブジェクトが特定のクラスのものであるかをテストできる。このテストでは間接的な is-a 関係も考慮される。
The instanceof operator¶
obj instanceof Class
instanceofはプロトタイプ鎖を調べてチェックする。静的メソッド
Symbol.hasInstanceを実装してinstanceofのテストを壊すことも可能。obj instanceof ClassはClass.prototype.isPrototypeOf(obj)と同じことだ。
プロトタイプの鎖が重要なのであって、コンストラクターは instanceof テストにほとんど関係ない。
Bonus: Object.prototype.toString for the type¶
メソッド toString が型を判定する機能としても有用であることを述べている。型の名前が文字列で返ってくることが大きい。
Symbol.toStringTag¶
メソッド toString の動作を、特別なオブジェクトプロパティー
Symbol.toStringTag を使用してカスタマイズすることができる。出力文字列
[object XXXX] の XXXX 部分を指定する。
環境固有のオブジェクトのほとんどは、これを採用している。
Tasks¶
Strange instanceof¶
本文で述べたとおり、instanceof はコンストラクターではなくプロトタイプを重視する。
Mixins¶
<https://javascript.info/mixins> のノート。
A mixin example¶
Mixin を実装する簡単な方法は、使えるメソッドを持つオブジェクトを作り、それを任意のクラスのプロトタイプにマージできるようにすることだ。
let sayHiMixin = {
// useful methods...
};
class User {
// ...
}
Object.assign(User.prototype, sayHiMixin);
あるいは、この手法と extends による継承機能を併用する。
EventMixin¶
任意のクラスなりオブジェクトなりに、イベント関連の関数を簡単に追加できる Mixin を作ることを考える。
Mixin の仕様:
trigger(name, ...data): イベントを発生させる。name: イベントの名前data: イベントのデータ
on(name, handler): イベントnameが起こると関数handlerを呼び出すようにする。off(name, handler): イベントnameの関数handlerを呼び出さないようにする。
利用例。メニュー項目が選択されたときにイベント "select" を生成し、他のオブジェクトは、そのイベントに反応するハンドラーを割り当てることができる。
class Menu {
choose(value) {
this.trigger("select", value);
}
}
Object.assign(Menu.prototype, eventMixin);
メニューの選択に反応するコードが必要な場合は menu.on でそれを listen することができる。
menu.on("select", value => alert(`Value selected: ${value}`));
menu.choose("123");
このような動作をクラスに追加することが、継承の連鎖を邪魔することなくできる。