Calc Guide Chapter 12, Sharing and Reviewing Spreadsheets ノート¶
Introduction¶
スプレッドシートの共有と査読による共同作業の方法について述べられる。その方法とは次だ:
同時編集
変更の記録
コメントの追加
変更の査読
文書の融合と比較
保存
版の使用
共有または変更の追跡が活動中である場合、コマンドの一部は使用不能だ。
Reviewing documents¶
各査読者は別々の文書コピーで作業する。
変更マークを使って、加除修正資料を表示することが可能。後で誰かが文書を査読し、各変更を受理するか拒否する。
文書のコピーに変更を加えた後、Calc を使用してファイルを比較し、変更点を表示することが可能。
元ファイルの一部として格納されている版を保存することが可能。
査読者は文書にコメントを残すことが可能。特定の変更点に添付することも、コメント単品で残すことも可能。
Preparing a document for review (optional)¶
スプレッドシートを編集者や査読者に送る前に、彼らが改訂マークをオンにする必要がないように設定しておくとよい。
改訂マークを有効にした後、スプレッドシートをパスワードで保護し、正しいパスワードを入力しなければ変更を許可または拒否できないようにすることも可能だ。
スプレッドシートを開き、Menu バー Security タブ で Record changes をオンにする。
を選択する。あるいは を選択しスプレッドシートを保護したい場合は、Menu バー Protect Records ダイアログボックスで、パスワードを入力し、OK ボタン を押す。あるいは上と同じタブで Protect… ボタンを押して、同様の Enter Password ダイアログを開くこともできる。
を選択する。
Recording changes¶
変更記録が有効ならば
項目に印がつく。Caution
変更を行った後、変更記録をオフにしてはいけない。オフにすると、記録された変更すべてが受け入れられ、変更として表示されなくなる。これを実行しようとすると、メッセージボックスで警告が表示される。
セルが変更されると左上隅に点のある色つき枠線がセルを囲むように表示される。
削除された列や行は太い色の棒で示される。
変更情報を見るにはマウスポインターを対象セルの上に持って行く。
Tip
変更されたセルを示す色を変更するには、Options ダイアログボックス ページ を開く。
変更の理由を説明することもできる。この場合、変更箇所にコメントを追加するか、スプレッドシートに一般的なコメントを追加する。
Adding comments to changes¶
記録された変更に、何が変更されたかを説明するコメントは自動的に追加される。査読者や著者は、変更の理由を述べたり、有用な洞察を提示するために、コメントを独自に追加可能だ。
セルに変更を加える
変更のあるセルを選択する
を実行
Note
この目的のために Menu バー Manage Changes ダイアログボックス には現れない。 Adding other (general) comments を見ろ。
やコンテキストメニューの を使ってはいけない。それらの方法で加えたコメントは別の方法で扱われ、コメントは変更を受理したり却下したりするときにも Manage Changes ダイアログボックス に表示される。
Editing comments on changes¶
変更コメントのある升目を選択
を実行
コメントを編集して OK ボタン を押す
Calc が自動的に追加したコメントは編集不能。
ダイアログボックスの下にある矢印を使ってコメントを移動することが可能。
Adding other (general) comments¶
著者と査読者が意見交換や提案を求めるために用いる、もう一つの型のコメントについて。
一般的なコメントを追加する手順:
コメントを適用する升目を選択する。
Menu バー から
を選択するか、右クリックしてコンテキストメニューから を選択するか、Ctrl + Alt + C を押す。箱にコメントを入力し、箱外側をクリックして閉じる。
コメントを追加した升目には、右上隅に色の付いた三角形が表示される。その升目に変更コメントがない限り、色のついた枠線はない。
Tip
Options ダイアログボックス ページ で Spreadsheet 区画の Notes background と Comments の色を調整することで、Calc がコメントに使用する色を変更できる。
追加したコメントを表示するには、コメントのある升目にマウスポインターを置く。コメント箱がポップアップする。
Note
変更コメントと一般コメントの両方を持つセルにマウスポインターを合わせると、表示されたヒントに両方のコメントが示される。
Editing general comments¶
他のテキストと同じように、一般的なコメントのテキストを編集し、書式整形することができる。
コメントマーカーを含む升目を右クリックし、コンテキストメニューから
を選択するか、升目を左クリックして Ctrl + Alt + C を押す。升目コメントが示される。ポインターは通常のテキスト入力ポインターに変わり、 Formatting ツールバー はテキスト属性を表示するように変わる。
編集が終わったら、コメントの外側をクリックして選択を解除する。
Formatting general comments¶
コメントの背景色、枠、透明性、その他特性を変更可能。コメント自身をクリックすると Formatting ツールバー が有効になるので、Chapter 6, Using Images and Graphics で述べたように設定可能となる。
コメント印を含む升目から右クリックメニューで
を実行する。コメントをクリックして上述したツールバーを用いるか、コメント右クリックメニューを用いてコメント欄書式を設定する。
設定が終わったらコメント欄の外側をクリックする。
コメント印を含む升目から右クリックメニューで
を実行する。
Finding general comments¶
を実行してシート内の通常コメントを一括表示する方法がある。
Navigator を使って、目的のコメントを含むセルにジャンプするのもいい。
Note
これらの操作では一般的なコメントは表示されるが、追跡された変更に関連するコメントは表示されない。
Accepting or rejecting changes¶
変更が加えられた文書を受け取ったら、各変更を順を追って確認し、どのように処理を進めるかを決定する。
文書を開く。
を実行してダイアログボックスを開く。
変更を一つずつ確認し、その都度、変更を受理するか却下するかを選択する。または、すべての変更を一度に受理または却下する。
Comment 列には既定で変更点の説明を含む。査読者が変更にコメントを追加した場合は、そのコメントが表示され、変更の説明が続く。
ある変更が後の変更(同一人物または別の人物によるもの)に取って代わられた場合、変更は階層的に配置され、階層を開くための展開記号が表示される。
受理または拒否される変更の一覧の下には、以前に処理された変更が表示される。
Manage Changes ダイアログボックス の Filter タブでは、日付、作成者、升目範囲、特定の用語を含むコメントのどれかで、変更一覧を絞り込む方法を選択できる。絞り込み基準を選択した後、結果を見るために List タブに戻る。変更を絞り込むと、ダイアログボックスの List タブ内容だけに影響し、スプレッドシートでは絞り込み結果は見えない。
Merging documents¶
ここまで説明したプロセスは、単独の査読者が一度に行う場合には有効だ。しかし、査読者が複数いて、全員がスプレッドシートの編集コピーを返すこともある。こうなるとすべての変更版を一度に確認したいことがある。こういうときに融合を行う。
文書を融合するには、受け取った版のすべてが変更記録されていることが必要だ。
元文書を開く。
Menu バー から
を実行。開く ダイアログボックス が開く。融合したいものを選ぶ。
融合後に Manage Changes ダイアログボックス が開く。
査読版の数だけファイル選択から融合までの操作を反復する。
こうすると、すべての変更が一つの文書にまとめられ、変更を受理するか却下することが可能になる。異なる著者による変更は、異なる色でアウトライン化された升目に表示される。
Comparing documents¶
査読者が変更点を記録していないことがある。この場合は文書を比較することで変更点を見つけることができる。
元文書と更新版が手許にあるときの、両者を比較する手順:
元文書と比較したい更新版を開く
を実行
ファイルダイアログボックスから元文書を開く。
確認された変更を表示する Manage Changes ダイアログボックス が開く。
Calc は次のように差分箇所を識別する:
更新版に存在し、元文書に存在しないデータはすべて A
元文書に存在し、更新版に存在しないデータはすべて D
変更されたデータはすべて M
これ以降に変更の受理および却下を行うことが可能。
Saving versions¶
監査やその他の目的のためにスプレッドシートの新版を保存する必要がある場合がある。これを行うには、改訂のたびにスプレッドシートのコピーを別の名前で保存するか、Calc の版機能を利用する。
Caution
による保存の場合、(それまで格納されていた)旧版はファイルに格納されなくなる。
版管理には
を実行する。ファイル名をタイトルバーに持つダイアログボックスが開く。このファイルに格納されている既存の版一覧が示される。新しい版を保存するには、Save New Version を押す。
Insert Version Comment ダイアログボックスが開くので、この版に関するコメントを入力する。
OK ボタン を押す。新版が Existing Versions 一覧に加わる。
ファイルを保存する。これで双方の版が同じファイルに含まれる。
完了後、以下の動作が可能になる:
旧版を閲覧する。 版を選択し、開く (O) ボタン を押す。旧版の読み取り専用コピーが開く。
すべての版を比較する。Compare… を押すと文書の融合に似た動作が実行される。Manage Changes ダイアログボックス が開き、異版の変更すべてが表示される。
版コメントを見直す。版を選択し、Show… を押すと、著者自身または他の査読者によるコメント全文が表示される。
版を削除する。版を選択し、Delete を押す。このオプションには気をつけろ。削除する際に確認要請はない。