VLC media player 利用ノート¶
Todo
何か発展的な機能を見つける。
Note
本稿執筆環境:
- Windows:
10 Home 22H2
- VLC media player:
3.0.20
概略¶
VLC media player は DVD, VCD, 様々なストリーミングプロトコル、多様な音声および映像形式 (MPEG, DivX/Xvid, Ogg, etc.) に対する高可搬性マルチメディア再生ツールだ。さまざまな形式の生映像やオンデマンド映像をネットワークやインターネットにストリーミングする、強力なサーバーとしても機能する。以上が Video Lan Wiki の冒頭に述べられている。
本稿の主旨は、MP4 ファイルなどの非ストリーミングメディアを快適に再生する技法を追求することにある。
アプリケーションとプロセス¶
インストール¶
公式が推奨するインストール方法は、ダウンロードページからインストーラーを入手し、実行してインストールウィザードを実行するものだが、本稿では winget を用いる方法を採用したい。この実行ファイル管理ツールについては Windows Package Manager CLI 利用ノート を見ろ。
初回インストールでは PowerShell などのコマンドライン窓から次を実行しろ:
PS> winget add -e --id VideoLAN.VLC
起動と終了¶
初回は Windows タスクバーの検索欄からキーボードで vlc
と打ち込んで
アプリ 区画にある項目をクリックすれば VLC media player が起動する。いったん起動したらタスクバーにピン留めするといい。
Windows Explorer でメディアファイル項目をダブルクリックや Enter で VLC media player を開くように関連付けを指定することも可能だ。その手順は環境設定の節で記す。
実行中の VLC media player の終了方法は一般的な Windows アプリケーションと同様だ。次のいずれでもかまわない:
メインウィンドウ右上のバツボタンをクリックする
キーバインド Ctrl + Q
メニューバーから
を選択するタスクバーのタスク右クリックメニューから
を選択するタスクトレイのアイコン右クリックメニューから
を選択する
アンインストール¶
公式推奨方法は Windows 標準の
から VLC media player を選択、アンインストールするものだ。何かの作業で winget を利用する機会があれば、そのついでにアンインストールするのもよい。PS> winget rm -e --id VideoLAN.VLC --purge
環境構成¶
次の手順のどちらかで設定ダイアログボックスが開く:
メニューバーから
を選択キーバインド Ctrl + P
ダイアログボックスのタイトルバーには Show settings モードによって Simple Preferences か Advanced Preferences と記載されている。VLC media player の動作を調整するには、このダイアログボックスにある項目を操作する。
初期化方法¶
インストール直後の状態に環境を戻すには、ダイアログボックス左下付近にある Reset Preferences ボタンを押し、確認メッセージボックスで OK を押す。
設定ファイル¶
このようにして行ったアプリケーション設定はテキストファイル
%APPDATA%/vlc/vlcrc
に保存されている。ヘビーユーザーはこの五千行以上あるファイルをバージョン管理すると考えられる。
GUI¶
Windows 版 VLC media player は Qt で実装されているとのことで、十分柔軟なインターフェイスが備わっている。
主要インターフェイス¶
VLC media player メインウィンドウを解剖するとだいだいこうなる:
- メニューバー
たいていの Windows アプリケーションにある GUI なので、VLC media player にもある。
- トラックスライダー
ビデオファイルが再生すると、映像再生エリアの下にあるこれが使用可能になる。 YouTube でいうシークバーに相当する。スライダーを左や右にドラッグすると再生位置を操作できる。ストリーミングで再生する場合、トラックスライダーは動かない。
- コントロールボタン
トラックスライダーの下にあるボタン群は基本的な再生機能をすべて対処する。
- 音量コントロール
コントロールボタン群のはるか右に位置する。見れば使い方はわかる。
- 再生一覧
これは後述。Floating と Docking のどちらかの状態をとる。
- ステータスバー
これもたいていの Windows アプリケーションにある GUI だ。テキストが選択可能であるのがささやかながらも有益だ。
メニューバー¶
Documentation:Play HowTo/Basic Use/Menus - VideoLAN Wiki にキーバインド付きコマンド一覧がある。記述が現行バージョンに比べて古いようだが、考え方を変えれば、残っているコマンドがほんとうに重要だということだろう。
利用者ノート
未知の概念を含むコマンド名を控えておき、後で調査する。
Bookmarks: メディアファイルを閉じるとこのデータが消えるのなら使えない。
Subtitle: 字幕は今のところお呼びでない。
トラックスライダー¶
- メインスライダー
再生対象メディアのタイムラインを操作する。
タイムラインのどこかをクリックすると、その位置まで映像・音声がスキップする。タイムラインのスライダーをドラッグすると、映像・音声上の位置に追従する。
マウスカーソルがスライダー上にホバーすると、クリックしたときの位置がツールチップに表示される。
- サウンドスライダー
この三角形の UI では音量を操作することが可能だ。
サウンドスライダーのどこかをクリックすると音量が変化する。スライダーをクリック&ドラッグすると音量も変化する。スライダーの外側でクリックを離すと以前の音量値に再設定する。
マウスカーソルをホバーすると、クリックしたときの音量がツールチップに表示される。
三角形の左側のスピーカー図像をクリックすると消音モードオンオフ切り替え。
- サウンド範囲
音量は 0% から 125% までの係数で制御する。
100% は増幅なしの通常のファイル出力を意味する。100% 以上はソフトウェア増幅を使用する可能性があり、音が歪むことがあることを意味する(通常は歪まないが、その可能性はある)。
利用者ノート
メインスライダー右側の時刻表示をクリックすると、(1) 絶対時刻と (2) 終了時刻からの相対時刻、言い換えれば残り再生時間に表記が切り替わる。FFmpeg などを使ってメディアファイルから終端付近を切り落とす際の引数を得るのに (2) がなかなか便利だ。
再生コントロール¶
トラックスライダー下のツールバーのような領域でメディアの再生を操作する。
ボタン |
動作 |
---|---|
Play/Pause |
三角形の図像のときは演奏、縦棒二本のときは中断する。トグル。 |
Previous |
再生一覧中の前の項目の冒頭へ戻る。 |
Stop |
再生一覧全体の再生を終了する。 |
Next |
再生一覧中の次の項目の冒頭へ飛ぶ。 |
Full Screen |
全画面表示オンオフを切り替える。 |
Effects |
Adjustments and Effects ダイアログボックスを開く。 |
Playlist |
再生一覧とメディアの表示を切り替える。 |
Repeat |
再生一覧全体を反復、現在の項目を反復、反復なしのいずれかに切り替える。 |
Shuffle |
再生一覧項目をランダムな順序で再生する。 |
利用者ノート
Play/Pause, Stop, Previous, Next に関しては右クリックメニューからも実行可能。
このツールバー自体の表示切替が Ctrl + H で可能。
再生一覧¶
Windows Explorer のように図像表示、詳細表示、一覧表示がある。これらのビューを再生一覧上部にある Change Playlistview 図像をクリックして循環変更することが可能だ。直接変更するには次のいずれかを行う:
メニューバーから
などを選択右クリックメニューから
などを選択
再生一覧の消去や並べ替えは、表示窓の背景を右クリックすることで行える。また、このメニューから表示寸法を変更することもできる。
利用者ノート
どの表示モードも一長一短ある。画像ビューワーでは図像表示が好みだとしても VLC media player でもそうなるとは限らない。サムネイルの縦横が歪んで気になる。
詳細表示モードでは採用するテーブル列をある程度指定可能であることに気をつけろ。特に YouTube ビデオを並べるときは Artist や Description も出しておくといい。なぜか Date 項目の値が存在しないのが残念だ。
ステータスバー¶
VLC media player のステータスバーは三区画に分割されている。
第一区画は名前ラベルと呼ばれていて、現在再生中のメディアのタイトルが表示されるものと思われる。ここではマウスを読み取り専用テキストボックスであるかのように操作することが可能だ。例えばテキスト選択、それをクリップボードにコピーすることも可能だ。
第二区画は再生速度を示す区画だろう。通常は 1.00x
のように表示されている。マウスでクリックすると細かい速度調整を表示するコントロールが表示される。操作方法は見ればわかる。ダブルクリックで再生速度を標準に戻せる。
第三区画は再生時刻を示す区画だ。先述のサウンドスライダーの右端の時刻表示と同期している。クリックで同様に時刻表記を切り替える。ダブルクリックで Go to
Time ダイアログボックスが開く(多分後述する)。VLC media player が総時間を把握しない手段で再生している場合は経過時間しか表示せず、尺の代わりに --:--
を表示する。
タスクトレイアイコン¶
VLC media player のタスクトレイアイコンをクリックすると、ウィンドウやタスクバーボタンの表示状態が切り替わる。隠してもアプリケーションが終了するわけではない。バックグラウンドで実行中のままだ。タスクトレイアイコンを右クリックすると基本的操作を含むメニューが表示される。
キーバインド¶
メニューバーから Hotkeys ページを開くとキーバインド定義を一覧形式で確認できる。ドロップダウンリストで Hotkeys を選択するのがいい。
を選択し、一覧の登録項目をダブルクリックするとキーバインドを変更できるかのようなメッセージボックスが開く。このまま所望のキーバインドを打ち込む ことでキーバインドを更新する(こんな UI はかつて見たことがない)。
利用者ノート
設定ダイアログを Advanced モードで表示しておくのがいい。Hotkeys settings ページの下に Jump sizes 区画が現れ、メディアの再生位置を調整するコマンドの間隔秒数を指定可能であるのがありがたい。
必修キーバインド¶
カスタマイズ可能なものとそうでないものとを VLC media player は区別して管理している?
コントロールボタン対応¶
動作 |
キーバインド |
---|---|
Play/Pause |
Space |
Previous |
P |
Stop |
S |
Next |
N |
Fullscreen |
F または F11 |
Effects and Filters |
Ctrl + E |
Toggle Playlist |
Ctrl + L |
Normal/Loop/Repeat |
L |
Random |
R |
キーフレーム移動¶
ビデオ再生時にはキーボードでフレーム移動を行うのが便利なので、次のキーバインドは体得しておくべし:
動作 |
キーバインド |
---|---|
Very short backwards jump |
Shift + ← |
Short backwards jump |
Alt + ← |
Medium backwards jump |
Ctrl + ← |
Long backwards jump |
Ctrl + Alt + ← |
ここで、Very short/Short/Medium/Long の定義は先述の Jump sizes に従う。前方の代わりに後方ジャンプをするには、それぞれにおいて ← を → に代えたキーバインドを用いる。
さらに、Next frame 動作をキーバインド E で引き起こすことを覚えておく。残念ながら Previous frame は動作自体が存在しない。
再生速度操作¶
動作 |
キーバインド |
---|---|
Faster |
+ |
Slower |
- |
Normal rate |
= |
音声¶
動作 |
キーバインド |
---|---|
Volume down |
Ctrl + ↓ |
Volume up |
Ctrl + ↑ |
Mute |
M |
メニューコマンド¶
コマンド |
キーバインド |
---|---|
Open Location from clipboard |
Ctrl + V |
Quit |
Ctrl + Q |
Jump to Specific Time |
Ctrl + T |
Preferences |
Ctrl + P |
その他¶
その他、有用だったり知らないと不都合であるものを最後に示す:
動作 |
キーバインド |
---|---|
Exit fullscreen |
Esc |
Clear the playlist |
Ctrl + W |
1:1 Original |
Alt + 3 |
Take video snapshot |
Shift + S |
Record |
Shift + R |
メディア再生手順¶
単一メディアファイルを再生する¶
方法は複数ある:
VLC media player メニューバーから 開く (O) ボタンを押す。
を選択し、再生したいメディアファイルを選択してVLC media player 再生一覧にドラッグ&ドロップする。
Windows Explorer で再生したいファイルを見つけ、ダブルクリックまたは選択して Enter を押す。
指定されたメディアファイルの再生が開始する。
メディアフォルダーを丸ごと再生する¶
一定の主題に沿ったメディアファイルが配置されているフォルダーがあるときに、これを行いたい場合がある。
VLC media player が起動していなかったら起動する。
メニューバーから
を選択する。Open Folder ダイアログボックスで対象フォルダーを選択する。
フォルダーの選択 ボタンを押す。
利用者ノート
メディアファイルだけが再生一覧に入るのかと思いきや、LibreOffice Calc ファイルなども登録項目として現れる。ここは挙動を改善していただきたい。
CD/DVD/VCD を再生する¶
円盤をディスクトレイに入れると OS が何をしたいか聞いてくる。VLC media player で再生をする選択肢があるはずなのでそれを選択し、OK ボタンを押す。
もう入っている場合の手順もある:
メニューバーから
を選択する。Open Media ダイアログボックス Disc タブが開く。
Disc Selection 区画でメディアの型を選択する。
Disc Device ドロップダウンリストからドライブ文字を選択してメディアファイルのあるドライブを選択するか、Browse… ボタンを押して再生したいメディアを閲覧するためのダイアログボックスを開く。
適宜オプションを指定する。
Play ボタンを押して再生を開始する。あるいは Enqueue を選んで再生一覧に追加するのもいい。
ネットワークストリームを再生する¶
メニューバーから
を選択する。Open Media ダイアログボックスが開き Network タブが開いている。
Please enter a network URL コンボボックスにメディアのアドレスを入力する。
Play ボタンを押して再生を開始する。
再生中に stuttering が発生する場合は、読み取りバッファーを大きくしろ:
ダイアログボックスの Show more options をオンにする。
Caching スピンボックスで、再生開始前に VLC media player がデータをバッファーに保存する時間(ミリ秒単位)を調整する。
利用者ノート
このコマンドで YouTube のビデオを再生することが可能だ。
データ記録カード(仮)から再生する¶
メニューバーから
を選択する。Open Media ダイアログボックスが開く。Capture Device タブが開いている。
ここから Capture mode と Video device name / Audio device name を選択できる。また、Show more options をオンにしてこれらのデバイスの設定を調整することもできる。また、 Advanced Options ボタン押すと、DirectShow プラグインで再生するビデオのサイズや、Device properties, Tuner properties などのオプションを設定できる。
利用者ノート
私の場合、カメラ&マイク代わりに使用している携帯電話の名前がドロップダウンリストに現れる。ということは?
再生一覧¶
再生一覧ビューは左側にサイドバー、右側に一覧領域という構成だ。サイドバーは各種情報と映像窓からなる。
概要¶
再生一覧とは、試聴対象メディアファイル群のカスタマイズされた目録だ。再生一覧を使用すると、VLC media player を起動するたびに聞きたいメディアファイルを指定できる。再生一覧には CD, ラジオ局、映画のトラックを追加できる。
再生一覧が隠れている場合は次のいずれかの操作で現れる:
メニューバーから
を選択再生コントロールにある Playlist ボタンを押す
キーバインド Ctrl + L
一覧に項目を追加¶
再生一覧にはメディアファイルを複数追加することが可能だ。メディアファイルを Media Library やその他の給源から選択できる。
ファイルを追加するには:
再生一覧が隠れている場合はそれを表示する。
一覧領域で右クリックするとポップアップメニューが現れる。
ファイルを再生一覧に追加する場合は
を選択する。メディアファイルを含むフォルダーを再生一覧に追加する場合は
を選択する。
再生コントロールから次のボタンを適宜押してトラック再生を制御する:
Random ボタン
Repeat ボタン
読み込み¶
他のメディアプレイヤーで作成された再生一覧を VLC media player のそれに追加することが可能だ。次の形式の再生一覧を取り込める:
XML Shareable Playlist Format (.xspf)
Windows Media Player (.asx)
Winamp3 XML based playlist (.b4s)
Moving Picture Experts Group Audio Layer 3 Uniform Resource Locator (.m3u)
読み込む手順は:
を選択。ファイルダイアログボックスが開く。
右下のドロップダウンリストで Playlist Files を選択。
一覧から再生一覧を見つけて 開く (O) ボタンを押す。
選択した再生一覧ファイルの中身が VLC media player の再生一覧に追加される。
保存¶
再生一覧を保存する機能のほうが重要だ。ファイルに保存可能であり、その手順は:
上述のようにして VLC media player に再生一覧を構成する。
メニューバーから
を選択する。Windows 標準のファイル保存ダイアログボックスが開く。ファイル名 (N) に再生一覧ファイルの名前を入力する。
ファイルの種類 (T) ドロップダウンリストから再生一覧形式を選択する。次のものが選択可能:
XSPF playlist (.xspf)
M3U playlist (.m3u)
M3U8 playlist (.m3u8)
HTML playlist (.html)
保存 (S) ボタンを押す。
検索¶
メディアファイルを検索するには、Search 欄に名前を入力する。特定の名前または形式のメディアファイルを検索するには、単語または語句を入力する。指定した名前を持つファイルすべてが一覧表示される。
利用者ノート
検索というより絞り込みとして用いたい。例えばビデオゲーム音楽フォルダーから再生一覧を構成し、「ドラキュラ」と入力すれば悪魔城ドラキュラ関連のサウンドトラックが出来上がる。
移動¶
再生一覧ビューモードが List または Detailed List の場合は項目をドラッグ&ドロップで移動可能だ。
コンテキストメニュー¶
項目を右クリックまたは Ctrl を押しながらクリックすると、コンテクストメニューが表示され、さまざまな機能にアクセスできる。
利用者ノート
ビューモードが Detailed List でない場合に特に便利だ。本稿執筆時にしか使わない可能性があるものの、全項目削除コマンドも素早く有用だ。
CLI¶
コマンドラインから vlc を実行すると、それ専用のプロンプトウィンドウが出現、処理内容がそこに出力されるという、どこか妙な方式を採っている。
PS> Set-Alias -Name vlc -Value "${Env:ProgramFiles}\VideoLAN\VLC\vlc.exe"
PS> vlc --version
メディアファイルパスを渡せば VLC media player が GUI で開くので、単純に ffplay などのように呼び出す用途は思いつく。
FFmpeg のようにコンバーターとして応用することもあるようだ。
Todo
面白いコマンド、役に立つコマンドを見つける。例えばこういうことが可能らしい: