Calc Guide Chapter 2, Entering and Editing Data ノート

Introduction

セルにデータを入力するさまざまな方法を述べる章だ。

Entering data

データ入力のほとんどはキーボードを使って行う。

Numbers

セルをクリックしてキーボードから数を入力する(テンキーを用いるのが普通)。

Negative numbers

負の値を入力するには、プログラミング言語のコードのように -1234 のように負の符号と数を続けてタイプするか、あるいは (1234) のように絶対値を丸括弧で囲むという方法もある。

Leading zeroes

たとえば 01481 のように、先頭にゼロを含む数値が入力されると、Calc は先頭のゼロを削る。数値の書式とセル内の最小文字数の両方を保持したい。次の方法のいずれかを使用して先頭のゼロを埋めさせる:

  1. セルを選択

  2. 次のどれかを実行:

    • Menu バー Format‣Cells…

    • 右クリックメニュー Format Cells…

    • キーバインド Ctrl + 1

  3. Numbers タブ 内 Category から Number を選択

  4. Leading zeros 欄に必要最小限の文字数を入力する。例えば 4 を入力したとすると、セルへの入力 120012 となる。

  5. OK ボタン を押す

あるいは Sidebar Properties 甲板 (Alt + 1) で同様の指示をする。

Numbers as text

数字は以下のいずれかの方法でテキストに変換することが可能:

  1. セルを選択

  2. 先述の方法で Format Cells ダイアログボックス を開く

  3. Numbers タブ 内 Category から Text を選択

  4. OK ボタン を押す

Sidebar Properties 甲板 も使える。

数字が(郵便番号など)計算用途でない場合には、数字の前に ' を入力することでテキスト扱い可能。セルのフォーカスを移動すると ' は削除され、先頭のゼロは保持され、数値は左揃えのテキストに変換される。

Text

セルをクリックしてテキストを入力する。

  • テキストは左揃え既定。

  • セルには複数行テキストを入力可能。改行は Ctrl + Enter を押して入れる。

Formula バー では複数行テキストを入力する場合に Input Line 欄を縦に拡張することが可能。右側にある▼をクリックすると複数行になる。

  • Input Line の下端を上下にドラッグして高さを操作可能。

  • Input Line を一行の高さに戻すには、▲をクリックする。

Date and time

日付時刻の入力は微妙な問題なので、本文を引用する:

Select the cell and type the date or time. You can separate the date elements with a slash (/) or a hyphen (-) or use text, for example 10 Oct 2020. The date format automatically changes to the selected format used by Calc.

私の場合は日本語ロケールのことを考慮しないといけない。

  • Options ダイアログボックス Language Settings‣Languages ページ の Date acceptance patterns 欄でパターンを個別に定義しろ。

  • どのロケールでも ISO 8601 YYYY-MM-DD パターンでの入力を受け付けるので、これを用いることを習慣化しておきたい。

時間を入力するときは、10:43:45 のように、時間要素をコロンで区切る。時刻の書式は Calc が決めるものに自動的に変更される。その設定方法は:

  1. セルを選択して Format Cells ダイアログボックス を開く

  2. Numbers タブ で Category 欄から DateTime を選択

  3. Format 一覧から所望の日付・時刻書式を選択

  4. OK ボタン を押す

日付書式はシステムまたは文書の言語設定の影響を受ける。

Special characters

Insert‣Special Character… コマンドで Special Characters ダイアログボックスが開く。

利用者ノート

Google 日本語入力を愛用しているならばこの機能は使わない。対象文字のコードを知らないと指定に時間がかかり過ぎる。文字名で検索できるなどの機能があっていいかもしれない。

AutoCorrect options

AutoCorrect を使用したデータ入力中に、当機能が有効である限り、変更の多くが自動的に適用されます。AutoCorrect による変更を取り消すには Undo するか、または変更箇所に戻り、自動修正を手動で置き換えろ。

Tools‣AutoCorrect Options… で自動訂正に関する設定が可能。

Inserting dashes

マイナス記号をダッシュに置換する変換表が仕込まれている。マイナスの前後の空白文字有無でダッシュの長さが変わることもあるようだ。

See also

欧文ではこの辺の記法を気にすることを覚えておく。

ハイフン・マイナス・enダッシュ・emダッシュの違いと使い分け

Speeding up data entry

  • ドラッグ&ドロップ

  • AutoInput ツール

  • Fill ツール

  • 選択リスト

  • Data Entry Form

同じスプレッドシートの複数のシートに同時に情報を入力する機能もある。

AutoInput tool

AutoInput 機能は同じ列の他の入力に基づいて、自動的に入力を補完する。テキストがセル内で強調表示されている場合、自動入力は次のように使用できる:

  • Enter を押すと補完を確定かつ次のセルへ移動

  • F2 を押すと補完を確定かつキャレットをセル内に留める

  • 候補が複数ある場合は

    • 部分的に補完して を押す

    • Ctrl + TabCtrl + Shift + Tab で前後の補完候補に切り替える

  • Alt + で AutoInput 全候補ドロップダウンリスト表示

関数名と合致する文字を使用して数式を入力すると、関数一覧がヘルプヒントとして表示される。

AutoInput 機能のオンオフは Tools‣AutoInput を実行。

Fill tool

既存の内容を複製したり、セル範囲に一連の内容を作成したりするコマンド。

  1. コピーしたい内容を含むセルを選択。

  2. マウスポインターを任意の方向にドラッグするか、Shift を押しながら、埋めたい最後のセルをクリック。

  3. Sheet‣Fill Cells‣ 以下にある埋めたい方向に対応するコマンドを実行。

    • 下方向にはキーバインド Ctrl + D が割り当て済み。

または、

  1. 中身を含むセルを選択

  2. 選択セルの右下隅にある選択ハンドルの上にマウスポインターを移動(絵が変形)

  3. 埋めたい方向(縦または横)にドラッグする。元のセルにテキストが含まれていれば、テキストが自動的にコピーされる。

    元のセルに、定義済み一覧の数値またはテキストが含まれている場合は、系列が作成される。複製したい場合には Ctrl を押しながらドラッグする。

Using a fill series

Sheet‣Fill Cells‣Fill Series… を実行すると Fill Series ダイアログボックスが開く。必要な系列の型を選択するか、独自の一覧を作成する。

  • Series Type ラジオボタン Growth オプションは等比数列で埋めるのに有用。

  • Time Unit ラジオボタン Weekday オプションは平日で埋める(土日を飛ばす)。

Defining a fill series

連続データ自作方法は Options ダイアログボックス LibreOffice Calc‣Sort Lists ページ を調べろ。

Fill with random numbers

  1. Sheet‣Fill Cells‣Fill Random Number

  2. Cell range を確認

  3. Random Number Generator 区画の入力欄で乱数仕様を指定

  4. OK ボタン を押す

分布関数としては有名どころはだいたい用意されている。それに応じて関連引数も指定する。

Enable roundingDecimal places では出力を整数にすることはできない?

Selection lists

Alt + でドロップダウンリスト表示。

Data Entry Form tool

Data‣Form… という登録項目追加機能がある。このコマンドはスプレッドシートでの表データ入力を省力化する。

  • データ登録項目の入力、編集、削除が可能

  • ダイアログボックスで操作するのでシートをスクロールすることを回避できる

  • データ表にはヘッダー行が必須で、各セルの内容が列の見出しになる。各ヘッダーセルの内容はダイアログボックスの各データ欄のラベルになる。

使い方:

  1. データ表内のヘッダーまたはデータセルを選択

  2. 上記コマンドを実行して Data Form ダイアログボックスを開く

  3. 先頭データが入力されているが、加除編集して適当なボタンを押す

  4. Close ボタン を押す

ダイアログボックス右柱の各ボタンの役割は見ればわかる。

新しい登録項目を入力する前に最後の登録項目に移動しないと、現在の登録項目が編集される。

Merging and splitting cells

Merging

利用者ノート

実際の UI と本文の記述が合致していない。特に右クリックメニュー。

連続セルを選択し、一つに併合することが可能だ。

  1. 併合したい連続セル範囲を選択

  2. 次のいずれかを実行:

    • Menu バー Format‣Merge and Unmerge Cells‣Merge Cells…

    • Formatting ツールバー Merge Cells

  3. セルに何らかのデータが含まれている場合 Merge Cells ダイアログボックスが開く

  4. OK ボタン を押す

セルを併合するとスプレッドシート内の数式に計算エラーが発生することがある。

Splitting

併合の逆操作だ。セル内のデータはすべて最初のセルに残る。セルが併合される前に非表示のセルに内容があった場合は、その内容を手動で正しいセルに移動する必要がある。

  1. 併合セルを選択

  2. 次のいずれかを実行:

    • Menu バー Format‣Merge and Unmerge Cells‣Unmerge Cells…

    • Formatting ツールバー Unmerge Cells

Sharing content between sheets

複数のシートの同じセルに同じ情報を、各シートに個別に入力する代わりに、複数のシートに同時に入力する方法がある。

  1. Edit‣SelectSelect Sheets… を実行して Select Sheets ダイアログボックス を開く

  2. 対象シートを一覧から選択

  3. OK ボタン を押す

  4. シートのセルに何か入力すると、選択シートすべてでその入力がなされる

  5. シート選択を解除

Chapter 1, Introduction で述べられたマウスクリック方式でも可。

Validating cell contents

セルに対して入力値に制約を定義する機能がある。

Defining validation

セルに入力された新しいデータを検証する:

  1. 対象セルを選択

  2. Data‣Validity… を実行して Validity ダイアログボックスを開く

  3. Criteria, Input Help, Error Alert 各タブページにある選択肢を使用して、そのセルに入力が許される内容の型を定義する。

Criteria options

このタブページでは入力セルの検証規則を指定する。例えば 1 から 10 までの数であるとか、20 文字以下のテキストであるなどの基準を定義するものだ。

ここで使用できる選択肢は Allow ドロップダウンリストで選択した内容によって異なる。

  • Cell range はセル範囲に指定された値のみを許可する。セル範囲は、明示的に指定するほかにも、データベース範囲、名前付き範囲を指定することも可。

  • List は一覧で指定された値または文字列のみを許可する。文字列と値は混在可。 数は値で評価されるため数 1 を一覧に含めておくと 100% という入力も有効になる。

  • CustomFormula に入力された数式に対応するものを許す。

それ以外の UI:

Allow empty cellsTools‣Detective‣ Mark Invalid Data と組み合わせて、空白セルを無効であると表示するか否かを指定する。

Show selection list は選択可能なすべての有効な文字列または値の一覧を示す。この一覧は、セルの右にある下矢印をクリックするか、セルを選択して Alt + を押すことで開く。

利用者ノート

このリスト機能は多用したい。

Data ドロップダウンリストと

  • Value

  • Minimum 欄と Maximum

はセットで指定する。

Formula 欄はカスタム検証を行うために真偽値に評価される数式を入力する。例えばセル A4 でこのコマンドを実行したならば ISEVEN(A4) のように与えられる。

Input Help options

シート上でセルを選択したときにポップアップ表示するメッセージを入力する。 TitleInput help の内容が同じツールチップ内に描かれる。

Error Alert options

このタブページではセルに無効なデータが入力されたときに表示されるエラーメッセージを定義する。

Action ドロップダウンリストではセルに無効なデータが入力されたときの動作を選択する。

  • Stop は完全拒否。

  • WarningInformationOK ボタン か Cancel かをシート利用者に選ばせるようにする。

  • MacroBrowse… ボタン で指定する、無効データが入力されたときに実行したいマクロを選択する。

Calc Detective

ここに挙げるコマンドは無効なデータを含むスプレッドシートセルを発見するために使うものだ。

  1. Tools‣Detective‣Mark Invalid Data を実行して無効データを含むセルを検出する。これにより無効セルに印が付く。

  2. そのようなセルを訂正する。

  3. Tools‣Detective‣Remove All Traces を実行して無効印を消去する。

妥当規則はセル書式の部分だ。したがって、後述される Delete Contents ダイアログボックス の Delete all を行うと削除される。

Editing data

Deleting data

Deleting cell data only

セルの書式を損なわず中身を消去するだけなら Delete 押しで十分。

Deleting cells

次の操作は完全削除だ。削除されたセルの下か右にあるものが跡地を埋める。

  1. セル一個またはセル範囲を選択

  2. Menu バー Sheet‣Delete Cells… 実行またはキーバインド Ctrl + - 押し

  3. Delete Cells ダイアログボックス にある選択肢を決める

  4. OK ボタン を押す

Deleting data and formatting

書式も消すなら:

  1. セル一個またはセル範囲を選択

  2. Menu バー Sheet‣Clear Cells… またはキーバインド Backspace

  3. Delete Contents ダイアログボックス にあるチェックボックスを適宜オンにする

  4. OK ボタン を押す

Replacing data

  • セルのデータを完全に置き換えて新しいデータを挿入するには、セルを選択して新しいデータを入力する。

  • データは置き換わるが、セルで使用されている元の書式は保持される。

  • または、Formula バー Input line をクリックし、データをダブルクリックして強調表示状態にし、新しいデータを入力する。

Editing data

セルからデータすべてを削除することなく(一文字だけ変えたい場合など)、内容を編集する必要がある場合がある。

Using the keyboard

  1. 対象セルを選択

  2. F2 を押し、キャレットをセルの末端に置く

  3. 矢印キーでセルに新しいデータを入力する位置にキャレットを移動し、DeleteBackspace を押して不要なデータを消去してから入力する

  4. Enter を押して確定

Using the mouse

  1. 対象セルをダブルクリック

  2. セル内のデータの編集を開始したい位置にキャレットを移動

  3. あるいは、クリックでセルを選択し、Formula バー の Input line にキャレットを移動し、セル内のデータの編集を開始したい位置でクリック

  4. 他のセルをクリックして選択解除して内容を確定

Paste Special function

特殊貼り付け機能を使用すると、元のセルまたはセル範囲内のデータの選択した部分(書式や数式の結果など)を別のセルに貼り付けることが可能だ。

Paste Special dialog

  1. セル一個またはセル範囲を選択

  2. 次のいずれかでコピーコマンドを実行

    • Menu バー Edit‣Copy

    • Standard ツールバー Copy ボタン

    • 右クリックメニュー Copy

    • キーバインド Ctrl + C

  3. 対象セル一個またはセル範囲を選択

  4. 次のいずれかで Paste Special ダイアログボックス を開く

    • Edit‣Paste Special‣Paste Special…

    • 右クリックメニュー Paste Special‣Paste Special…

    • キーバインド Ctrl + Shift + V

  5. オプションを適宜指定

  6. OK ボタン

Run immediately をオンにするのは Presets グループにあるボタンを使うときだ。

Paste Special options

Paste グループから貼り付けたいクリップボード内容形式を選択する。

Operations ではセルを貼り付けるときに適用する操作を選択する。

  • None は対象セルの内容を置き換える。

  • Add, Subtract, Multiply, Divide はクリップボードのセルの値を対象セルの値に加算、減算、乗算、除算をそれぞれ行う。クリップボードにコメントがある場合は、コメントを対象セルに追加する。

Options はいろいろ。

  • Skip empty cells がオンだと対象セルをクリップボードの空セルに置き換えない。オフだと空セルをゼロとして扱う。

  • Transpose をオンにすると、クリップボードにある範囲の行、列を出力範囲の列、行としてそれぞれ貼り付ける。

  • As Link をオンにすると、セル範囲がリンクとして挿入される。原ファイル内のセルに加えられた変更が対象ファイルで更新される。

    • 空のセルに加えられた変更が対象ファイルでも更新されるようにするには、 All がオンになっていることが必要。

    • 同一スプレッドシート内のシートをリンクすることも可能。

    • 他のファイルにリンクすると、DDE リンクが作成される。

Shift Cells はクリップボード内容が挿入されるときの対象セルに対するずらし方を設定する。

Paste Only options

テキスト、数値、数式だけを対象のセルまたはセル範囲にコピーしたい場合:

  1. セル一個またはセル範囲を選択してコピーを実行

  2. 対象セル一個またはセル範囲を選択

  3. Paste Special コマンドを実行

  4. Text, Number, Formula を選択

あるいは専用コマンドを実行する:

  • Edit‣Paste Special‣Paste Only Text

  • Edit‣Paste Special‣Paste Only Numbers

  • Edit‣Paste Special‣Paste Only Formula

Insert cell fields

Calc でもフィールドが使える。日付、シート名、文書名にリンクしたフィールドをセルに挿入可能。

  1. セルを選択してダブルクリックし編集モードに入る

  2. 右クリックメニューから関連コマンドを実行

    • Insert Field‣Date

    • Insert Field‣Sheet Name

    • Insert Field‣Document Title

文書名はファイルの Properties ダイアログボックス の Description タブ で定義されたものではなく、スプレッドシートの名前を指す。

利用者ノート

そんなことはない。

Ctrl + Shift + F9 押しでスプレッドシートの保存時または再計算時にフィールドが更新される。

Group and outline

データの概要を作成し、行または列を束ねることで、クリック一発で束ねられた行または列を折りたたんだり、展開したりして表示状態を切り替えることが可能だ。

これらの表示 GUI はプラスまたはマイナス記号で示され、行または列の表示状態を切り替える。ただし、束同士が入れ子になっている場合は、GUI に番号ボタンがあるので、入れ子になっている束の異なる階層を隠すことが可能だ。

Grouping

行や列を括る方法:

  1. スプレッドシートで括りたいセルを選択

  2. Data‣Group and Outline‣Group… または F2Group ダイアログボックスを開く

  3. Rows または Columns を選択

  4. OK ボタン を押す

括られた行の左または列の上に UI が表示される。

Hiding details

行または列の詳細(シート上の表示)を隠すには、次のいずれかを実行する:

  • 当該 GUI のマイナスボタンをクリック

  • 括られているセル一つを選択して Menu バー から Data‣Group and Outline‣Hide Details を実行

対象行または列が隠され、GUI のマイナスボタンがプラスボタンに変化する。

Showing details

行または列の隠れているグループの詳細を表示するには、次のいずれかを実行:

  • 当該 GUI のプラスボタンをクリック

  • 隠れている部分を挟む両側のセルを選択して Menu バー から Data‣Group and Outline‣Show Details を実行

隠れていた対象行または列が現れる。GUI のプラスボタンがマイナスボタンに変化する。

Ungrouping

行グループまたは列グループを解散する方法:

  1. 行グループまたは列グループが隠れていないようにする

  2. グループ内のセル一つをクリック

  3. Menu バー から Data‣Group and Outline‣Ungroup… を実行するか Ctrl + F2 を押す

  4. 場合によっては Ungroup ダイアログが開き、ここで RowsColumns を指定する

入れ子グループがある場合、最後に作成されたグループしか解散されない。

AutoOutline

選択したセル範囲に数式や参照が含まれている場合、Calc は自動的に選択範囲を概略化できる。本文の例では値の列が左から三つ連続して、四列目でそれらの和を取る構造が二度続いている。この連続した三列二つが自動的に束ねられるということだ。

AutoOutline 機能を適用するには Menu バー Data‣Group and Outline‣AutoOutline… を実行する。

Removing

Data‣Group and Outline‣Remove AutoOutline… を実行する。

Filtering

A filter is a list of conditions that each entry has to meet to be displayed.

三種類ある:

  • Standard

  • AutoFilter

  • Advanced

Applying a standard filter

標準絞り込みは AutoFilters よりも複雑で、AND 演算と OR 演算を組み合わせて最大八つの絞り込み条件を設定可能。主に数値に有効なフィルターだが、テキストにも使えるものがある。

  1. セル範囲を選択

  2. Data‣More Filters‣Standard Filter… 実行

  3. 判定条件と絞り込みオプションを指定

  4. OK ボタン を押す

指定した絞り込み条件とオプションに合致する登録項目が表示される。

Standard Filter ダイアログボックス では全体的な絞り込み条件を形成するために結合される条件を定義する。各絞り込み条件は論理演算子の方、フィールド名、論理条件、値を示すことによって指定する。

Applying an AutoFilter

AutoFilter ではデータ列の最上行にドロップダウンリストを追加し、表示行を選択可能にする。この一覧には選択されたセル内の一意の項目が字句順に配列されて表示される。

AutoFilter は最初にデータベース範囲を定義しなくても、複数のシートで使用可能。

  1. スプレッドシートのセル範囲をクリックする。同じシートに AutoFilter を複数適用する場合は、まずデータベース範囲を定義してから、その範囲に対して AutoFilter を適用する。

  2. 次のいずれか:

    • Menu バー Data‣AutoFilter 実行

    • Standard ツールバー 内 AutoFilter 図像クリック

    • キーバインド Ctrl + Shift + L

  3. 絞り込み基準として設定したい値を含む列の▼ボタンをクリック

  4. 値を選択するか、検索項目欄に条件として使用する文字列を入力する。

  5. OK

  • AutoFilter の影響を受ける行は番号が青色で表示される。

  • 絞り込み条件が作成された列にはドロップダウンリスト▼が青色で表示される。

Filtering by color

関心のある列のセルで使用されている背景色や文字色でデータを絞り込める。

  • ドロップダウンリストから Filter by Color‣Background Color にこの列内の背景色一覧が現れる。選択色と合致するセルを含む行が表示される。

  • Filter by Color‣Font Color も同様に機能する。

Filtering by condition

Filter by Condition‣ 以下にある絞り込み項目は次のとおり:

  • Empty は空セルの行のみを表示するように絞り込む。

  • Not Empty は中身のあるセルの行のみを表示。

  • Top 10 は上位十位の値のセルを持つ行を表示する。

    • 値が一意である場合、十行も表示されない。

    • 値が一意でない場合、十行以上表示されることがある。

  • Bottom 10 はその下位十位版。

  • Standard Filter…Standard Filter ダイアログボックス を開く。

Applying an advanced filter

スプレッドシートの空白領域に絞り込み要件を自分で入力し、専用ダイアログボックスで参照して絞り込みを適用するという使い方をする。Chapter 14, Calc as a Database 参照。

Sorting records

並び替えは絞り込みの後に行うのが便利だ。

また、新しい情報を表に追加するときにも、並べ替えは役に立つ。表が長い場合、適切な場所に行を追加するよりも、表の一番下に新しい情報を追加する方が簡単なことが多い。情報を追加したら、登録項目を並べ替えて表を更新すればよい。

Sort dialog

ダイアログボックスの開き方と指定方法:

  1. 並べ替えるセル、行、列を選択する。

  2. 次のいずれかを実行:

    • Menu バー から Data‣Sort… を実行

    • Standard ツールバー Sort 図像をクリック

  3. Options タブ で行と列のどちらを並び替えるかなどの選択肢を決める。

  4. Sort Criteria タブ でドロップダウンリストから基準を選択する。

  5. AscendingDescending を選択

  6. その他

  7. OK ボタン を押す

Sort options

Case sensitive をオンにするとアジア言語については特別な処理が施される。本書の囲み記事参照。

Enable natural sort をオンにすると文字列 A1, A2, A3, A4, A5, A6, …, A19, A20, A21 のような配列を辞書式に並び替えることから避ける。

Copy sort results to は並べ替えられたデータを指定セル範囲にコピーする。並べ替えられたデータを表示したい名前付きセル範囲を選択するか、入力欄にセル範囲を入力する。

Quick sort

スプレッドシートの列にテキスト書式のヘッダーがある場合は次のコマンドが使える:

  • Data‣Sort Ascending

  • Data‣Sort Descending

AutoFilter が適用済みの場合、そこの Sort AscendingSort Descending を使える。もう一つ、Sort by Color メニューも使える。Filter by Color の並び替え版だと考えられる。

Find and replace

Calc には文書内のテキストを検索する方法として、

  • ツールバー Find

  • Find and Replace ダイアログボックス

がある。ツールバーは素早く簡単に使えるが、ダイアログボックスを使うよりも機能が制限される。

Find toolbar

  1. ツールバーを表示する。次のいずれかを実行:

    • View‣Toolbars‣Find

    • Edit‣Find…

    • キーバインド Ctrl + F

    このツールバーは通常、メインウィンドウの左下に繋留している。これを解除して移動してもよい。

  2. Find 欄に検索語をタイプする。

  3. 検索精度を上げるには次のオプションを使え。

    • Match Case

    • Find All

    • Formatted Display

  4. Find Next または Find Previous 図像をクリック。同じ用語の他の出現箇所を検索するには図像をクリックし続けろ。

Find and Replace dialog

Find and Replace ダイアログボックス の開き方は次のどれでもよい:

  • Menu バー Edit‣Find and Replace… を実行

  • Standard ツールバー Find and Replace 図像をクリック

  • キーバインド Ctrl + H

Finding

  1. Find 欄に検索条件を入力

  2. その下にある基本オプションを指定

  3. Other options をクリックして検索絞り込みの数を増やしてもいい

  4. Find Next をクリックして検索条件の最初の項目を検索

  5. さらに Find Next をクリックして次の項目検索を繰り返す。

    もしくは Find All をクリックして検索条件を含むセルすべてを検索する。これらのセルはシート上で強調表示される。Search Results ダイアログボックス が表示され、セル場所が一覧表示される。

Replacing

  1. Find 欄に検索条件を入力

  2. その下にある基本オプションを指定

  3. Replace 欄に置換内容を入力

  4. Other options をクリックして検索絞り込みの数を増やしてもいい

  5. 合致するセルを一つずつ進み、内容を置き換えるかどうかを選択する:

    1. Find Next をクリックして検索条件の最初の項目を検索

    2. 必要に応じて Replace してセル内容を Replace 欄の内容に置き換える。

    3. 必要なだけこれを繰り返す。

    あるいは、検索条件を一つ一つ止めずに、すべてのものを検索して置換するには Replace All をクリックする。Search Results ダイアログボックス が表示され、影響を受けるセルが一覧表示される。

読者ノート

本書の囲み記事の記述からすると、Replace All 操作を完全に undo するのに、出現数だけ undo コマンドを実行しないとダメらしい。

Find and Replace options

Find 区画で気をつけるオプション:

  • Formatted display は説明が難しい。例えばシート上は 1,400 と表示されているセルがあるとする。しかし桁区切りのカンマが書式によるものである場合、これをオンにすると、検索欄に文字通りに 1,400 と入力した場合に検索ヒットするようになる(そうでない場合は 1400 でヒットする)。

  • Entire cells をオンにすると、検索テキストと同じ内容のセルを検索する。

Other options 区画で気をつけるオプション:

  • Current selection only をオンにすると、選択テキストか選択セルしか検索しに行かない。

  • Cell styles をオンにすると指定したスタイルであるセル内容を検索する。

    • Find ドロップダウンリストからスタイルを選択

    • 置換スタイルを指定するには Replace ドロップダウンリストから

  • Regular expressions をオンにすると正規表現での検索が有効になる。後述。

  • Similarity search をオンにすると Find 欄のテキストに類似する語を検索する。

    Similarities… ボタンを押して、Similarity Search ダイアログボックスを開く。ここにある文字数指定が類似検索に対する引数のようだ。

  • Search in ドロップダウンリストでは Formulas, Values, Comments のいずれかを選択し、指定した文字列を検索する。

Options ダイアログボックス Language Settings‣Languages ページ の指定によっては他にも選択肢が現れる。日本語の場合は Sounds like (Japanese) というチェックボックスと詳細設定ダイアログボックスが使える。

利用者ノート

UI を英語にしていると詳細設定ダイアログボックスの各項目が何がなんだかわからないことに注意。

Search Results dialog

All 系を実行すると開くダイアログボックス。処理結果を要約する。

Show this dialog をオフにすると、今後 All 系を実行してもこのダイアログボックスは開かない。Options ダイアログボックス LibreOffice Calc‣View ページ Summary on search をオフにするのと同じだ。

Searching and filtering with regular expressions

Calc は International Components for Unicode (ICU) <https://unicode-org.github.io/icu/userguide/strings/regexp.html> のオープンソース正規表現パッケージを利用している。

正規表現が登場するのは次の三箇所だ:

関数の多くで検索条件に正規表現を使用できる。これらは Options ダイアログボックス LibreOffice Calc‣Calculate ページ 内 Enable regular expressions in formulas がオンの場合にのみ正しく動作する。また、Search criteria = and <> must apply to whole cells をオンにし、数式内の検索条件がセルの内容全体に一致するようにすることが推奨されている。

本書の例その一は Brigitte に対するミススペリングを置換修正するものだ。誤り方が複数あるが、いずれも最初の三文字だけは共通しているのでそれを利用している。ダイアログボックスの指定は次のとおりだ:

  • Find: ^Bri.*

  • Replace: Brigitte

  • Regular expressions: オン

本書の例その二では北と東の地域から、テニスとゴルフの区分に関連するデータのみを表示する。Standard Filter ダイアログボックス の指定の前半は次のとおりだ。これらを AND で接続する:

Field name

Condition

Value

Category

=

Tennis|Golf

Region

=

North|East

後半では、当然ながら Regular expressions をオンにする。これら二つの例のシート内容:

Date

Sales Value

Category

Region

Employee

2024-02-21

$410

Tennis

North

Kurt

2024-03-21

$1,508

Golf

East

Bridget

2024-04-21

$2,340

Sailing

South

Brigid

2024-05-21

$4,872

Tennis

East

Brigitte

2024-06-21

$3,821

Tennis

South

Fritz

2024-07-21

$2,623

Tennis

East

Fritz

2024-08-21

$3,739

Golf

South

Fritz

2024-09-21

$4,195

Golf

West

Brigid

2024-10-21

$2,023

Golf

East

Bridget

2024-11-21

$1,804

Tennis

West

Bridget

2024-12-21

$1,858

Tennis

North

Kurt

2025-01-21

$579

Sailing

West

Brigid

2025-02-21

$4,842

Golf

North

Brigid

2025-03-21

$2,827

Tennis

East

Bridget

例その三では、関数呼び出しで正規表現を与える。Chapter 8, Using Formulas and Functions に正規表現を利用可能な関数一覧がある。

Product Name

Sales

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