Chapter 4. Editing Basics

Undo and Redo

Undo
メニュー:

Edit ‣ Undo

キーバインド:

Ctrl + Z または Ctrl + Shift + Y

ツールバー:

Commands Bar

Redo
メニュー:

Edit ‣ Redo

キーバインド:

Ctrl + Y or Ctrl + Shift + Z

ツールバー:

Commands Bar

キーバインドの対称性に注目したい。ズーム操作のマウスクリックでも同様の設計が見られる。

Multiple changes can also be undone or redone in one step by using the Undo History dialog.

History
メニュー:

Edit ‣ History…

キーバインド:

Ctrl + Shift + H

基本的には文書に対する操作履歴がリスト形式で表示されるのだが、気が利いていることにツリー状になる部分もある:

Consecutive changes of the same type may be collapsed to one line to improve readability; the number of such changes is given on the top line of the group. Clicking on the triangle collapses (left) or uncollapses (right) the list.

文書全体に対する変更を取り消すという意味で Revert コマンドの存在を思い出せるようにすること。

Selecting Objects

オブジェクトを選択するにはかなりの数の手段がある。最も普通な方法は Select Tool だ。次のいずれかの方法で発動する:

  • F1 を押す

  • Toolbox 内矢印ボタン(先頭にあるボタン)をクリックする

オブジェクトによっては、他の Tool で直接選択可能だ。Rectangle Tool などが該当する。選択とは少し違うかもしれないが、オブジェクトをダブルクリックするとそれの編集モードに変わる。

オブジェクトを同時に複数選択することができる。選択状況が画面下部に随時通知される。

読者ノート

Locked Objects および Hidden Objects については保留して先を急ぐ。

Selecting with the Mouse

CAD アプリケーションと同様に、オブジェクトの絵にマウスカーソルを移動させてクリックしたりドラッグしたりすることで、その位置や領域にあるオブジェクトを選択したり解除したりする。まずはクリックから見ていく。

  • 単純なクリックでオブジェクト一つを選択する。

  • Shift を押しながらのクリックは、選択状態を反転する。選択と解除を繰り返す。

  • Alt を押しながらのクリックは、「下」オブジェクトを選択する。このような選択を繰り返して最下層まで到達すると、選択対象が最上層オブジェクトに戻る。

次にドラッグによる選択を下にまとめる。

  • 左ボタンドラッグで矩形領域選択。この矩形内に完全に含まれているオブジェクトが選択される。

  • Shift を押しながらの左ボタンドラッグは上記の「追加的」版。

  • Alt を押しながらの左ボタンドラッグは矩形選択ではない。マウスの軌跡に交差するオブジェクトを順次選択していく。

    This is very useful when needing to select multiple paths as found in engravings or hair.

  • Shift + Alt を押しながらの左ボタンドラッグは上記の「追加的」版。

Selecting with the Keyboard

キーボードのほうが操作しやすい選択コマンドもある。表にまとめる:

キーバインド

コマンド

Tab

Z オーダーで上のオブジェクトを選択

Shift + Tab

Z オーダーで下のオブジェクトを選択

Ctrl + A

Select All

Ctrl + Alt + A

Select All in All Layers

!

Invert Selection

Alt + !

Invert

Esc

Deselect

断りのないコマンドについては現在レイヤー内オブジェクトが対象となる。また、非表示であるか、ロックされているレイヤー上のオブジェクトは選択されない。

Selecting with the Find Dialog

Inkscape は文書が SVG つまり XML であることを利用した検索機能も用意している。Edit ‣ Find…Ctrl + F で検索ダイアログを表示できる。UI を見れば機能は理解できると思うので、ノートは省略。

Copying, Pasting, and Deleting Objects

Inkscape uses the system-wide clipboard (a place where a description of one or more objects is stored temporarily in memory). You can copy and paste between different instances of Inkscape and other applications that support SVG.

クリップボード系コマンドは異なる SVG を編集していたり、例えばテキストエディターで編集していたりするときにその活用が考えられる。

次のコマンドだけは通常編集時にも有用なので、記しておく:

コマンド

キーバインド

挙動

Edit ‣ Duplicate

Ctrl + D

オブジェクトを即時コピー

Edit ‣ Paste Style

Shift + Ctrl + V

オブジェクトにスタイルを上書き

Edit ‣ Delete

Delete

オブジェクトを即時削除

Edit ‣ Paste Size という変種もあるようだ。

Clones

Cloning is a special way to copy an object. The cloned copy retains a link to the original object so if that object is changed, the clone will change in the same way.

UNIX でいうと cp に対する ln -s の考え方に相当する。

Inkscape has the ability to “relink” clones to a another object. To do this, copy the new “original” to the clipboard.

これは知らなかった。応用例を知りたい。

タイリングを除く複製コマンドを表にまとめる:

コマンド

キーバインド

挙動

Edit ‣ Clone ‣ Create Clone

Alt + D

複製し、元の真上に配置する。

Edit ‣ Clone ‣ Unlink Clone

Shift + Alt + D

複製関係を廃止する。

Edit ‣ Clone ‣ Relink to Copied

n/a

後述

Edit ‣ Clone ‣ Select Original

Shift + D

複製元を選択する。

利用者ノート

Alt + D が効かない?

コマンド Relink to Copied は複製の参照元を自身の別の複製に設定し直すものらしい。UNIX の例えを繰り返すと、ln -s からの ln -fs に相当する。別のオブジェクトを指定するのに Edit ‣ Copy を要し、操作に癖がある。用途がわからないので、私が使うことはなさそうだ。

複製オブジェクトと元オブジェクトを同時に操作するとややこしいことになるから控える。

Ordering Objects (Z-Order)

The z-order determines the order in which objects are drawn on the canvas. Those object with high z-order are drawn last and therefore drawn on top of objects with lower z-order. The order is determined by the order that the objects are listed in the SVG file.

後半の記述が特に重要だ。SVG の直接編集で z-order を調整できることを意味する。

オブジェクトの z-order を画面で操作するにはキーボードを使うのが最良と思われる:

コマンド

キーボード

挙動

Object ‣ Raise

PgUp

z-order を一段階上げる

Object ‣ Lower

PgDn

z-order を一段階下げる

Object ‣ Raise to Top

Home

z-order を最上層に上げる

Object ‣ Lower to Bottom

End

z-order を最下層に上げる

Groups

A set of objects can be collected into a Group. Once placed in a Group, the objects can be manipulated together, the Group acting as a single object. Groups can be nested; that is, a Group can be combined with other Groups or objects to make a higher level Group.

ところで、任意のオブジェクトが包含関係のないグループ二つに同時に所属することはあり得るだろうか。

Objects within Groups can be edited and manipulated without breaking up the Group.

グループ内のオブジェクトを、キー操作と左クリックを絡めて選択することが可能だ。

  • Ctrl を押しながら左クリックで、グループ内のオブジェクトを選択する。このコマンドは、オブジェクトが何階層のグループに埋もれていても機能する。

  • Ctrl + Alt を押しながら左クリックで、グループ内に下のオブジェクトを選択する。例によって、最下層のオブジェクトでは最上層のオブジェクトを選択する。

  • Shift + Ctrl + Alt を押しながら左クリックで、グループ内でオブジェクトの選択状態を切り替える。

    A Group can be entered or turned into a temporary Layer for editing.

グループに対して入ったり出たりするという操作概念が存在する。このときに生じる一時的な操作に関して閉じた構造をレイヤーと言っているのだろう。

  • 左ダブルクリックで、またはそのグループに入る。空クリックでそこから出る。

  • Ctrl + Enter でグループに入る。Ctrl + BackSpace でグループから出る。これらは入れ子グループ用操作だろう。

  • 右クリックでグループに対するコンテキストメニューを表示する。

他にも高度な操作があるが割愛。

Layers

Inkscape におけるレイヤー概念は、Photoshop などのアプリケーションにおけるそれと似ている。同じと言ってもいいかもしれない。

Internally, Layers are just SVG Groups with a few extra Inkscape specific parameters that Inkscape uses to control the Layer interface. Like Groups, Layers can contain sub-Layers.

Layers Dialog

Layers ダイアログは Ctrl + Shift + L で表示を切り替えるのが楽だろう。たいへんよく用いる。

本書の画像とバージョン 1.2 の UI はだいぶ異なるが、だいたい通用する。文書内のレイヤーの配列がツリービューとして表現される。

  • 目アイコンでレイヤー表示状態を切替可能

  • 錠前アイコンでレイヤー施錠状態を切替可能

  • レイヤーノードまたはオブジェクトノードを

    • 右クリックでコンテキストメニュー出現

    • 左ダブルクリックで名称変更可能

  • ダイアログ上部のツールバー部分で次の操作ができる:

    • ツリービューとリストビュー(レイヤーのみ一覧する)を切り替える

    • レイヤーを追加する

    • 指定レイヤーまたは指定オブジェクトの z-order を上下する

    • 指定レイヤーまたは指定オブジェクトを削除する

利用者ノート

レイヤーのブレンドモード操作 UI が見当たらない?

Layers Menu

メインメニューの Layer 以下にレイヤー操作コマンド項目がある:

コマンド

キーバインド

補足

Layer ‣ Layers and Objects…

Shift + Ctrl + L

前述

Layer ‣ Add Layer…

Shift + Ctrl + N

レイヤー作成ダイアログボックスが出現する

Layer ‣ Rename Layer…

n/a

ミニダイアログボックス出現

Layer ‣ Show/Hide Current Layer

n/a

Layer ‣ Lock/Unlock Current Layer

n/a

Layer ‣ Switch to Layer Above

Ctrl + PgUp

現在レイヤーを変更

Layer ‣ Switch to Layer Below

Ctrl + PgDn

Layer ‣ Move Selection to Layer Above

Shift + PgUp

オブジェクトの所属レイヤーを変更

Layer ‣ Move Selection to Layer Below

Shift + PgDn

Layer ‣ Move Selection to…

n/a

Move to Layer ダイアログ出現

Layer ‣ Layer to Top

Shift + Ctrl + Home

レイヤー z-order 操作

Layer ‣ Raise Layer

Shift + Ctrl + PgUp

Layer ‣ Lower Layer

Shift + Ctrl + PgDn

Layer ‣ Layer to Bottom

Shift + Ctrl + End

Layer ‣ Duplicate Current Layer

n/a

Layer ‣ Delete Current Layer

n/a

Status Bar

ステータスバーに現在のレイヤーとその表示状態、施錠状態を確認できる小さい領域がある。旧バージョンのほうが機能性があったようだ?