Calc Guide Chapter 4, Formatting Data ノート

Introduction

セルに対する設定に関する次の三点を習得しろ:

  • 手動書式設定

  • スタイル書式設定

  • 条件付き書式設定

Formatting data

セル単体またその範囲を選択し、Format Cells ダイアログボックス を使用すれば、そこから書式設定のすべてを制御可能だ。

このダイアログボックスは Ctrl + 1 で開くのが早い。

Multiple lines of text

複数行テキストの実現には自動折り返しまたは手動改行を使用しろ。

Automatic wrapping

セルで複数行テキストを表示する方法は次のどれでも可:

  • Format Cells ダイアログボックス Alignment タブ 内 Wrap text automatically をオン

  • Sidebar Wrap Text をオン

  • ツールバー Wrap Text をオン

Manual line breaks

セルに改行文字挿入を入力する方法:

  • 直接編集ならば Ctrl + Enter 押し

  • 数式バー編集ならば Shift + Enter 押し

必要に応じて手動でセル幅を変更するか、改行の位置を調整しろ。

Shrinking text to fit a cell

利用者ノート

この書式設定は嫌いで使わない。割愛。

Formatting numbers

ツールバー View‣Toolbars‣Formatting のボタンで間に合う書式設定であれば、そのボタンを押して変更しろ。一部はキーバインドも設定されている:

書式

キーバインド

金額

Ctrl + Shift + 4

百分率

Ctrl + Shift + 5

数値

Ctrl + Shift + 1

日付

Ctrl + Shift + 3

より詳細な制御や他の数値書式を選択するには、いつものダイアログの Numbers タブ を使え。

Formatting fonts

Formatting ツールバー のうち、次の UI を使え:

  • Font Name ドロップダウンリスト

  • Font Size ドロップダウンリスト

  • Bold ボタン (Ctrl + B)

  • Italic ボタン (Ctrl + I)

  • Underline ボタン (Ctrl + U)

段落の配置を変更するには:

  • Align Left ボタン (Ctrl + L)

  • Align Center ボタン (Ctrl + E)

  • Align Right ボタン (Ctrl + R)

利用者ノート

日本語フォントに斜体は効かない?

詳細は割愛するが、セル内の言語を変更することで、同じ文書内に異なる言語を共存させることが可能。

フォント名ドロップダウンリストの各項目の描画に対して、おそらく表示処理を軽くする目的で、対応するフォントを使わせないオプションがある(後でやる)。

Font effects

Format Cells ダイアログボックス Font Effects タブ 内から各種効果を与えられる(利用可能な項目は Chapter 5, Using Styles and Templates で述べられる)。

適用対象は次のいずれか:

  • 現在選択中のもの

  • キャレットを含む単語全体

  • これからタイプする新規テキスト

Text orientation

Format Cells ダイアログボックス Alignment タブ 内から指定可能な書式を述べている。

縦書き関連で調べるかもしれない。

Using the Formatting toolbar tools

Formatting ツールバー のうち、次のボタンが関係する:

  • Text direction from top to bottom

  • Right-To-Left

  • Left-To-Right

ただし、これらの図像は Options ダイアログボックス 設定次第で有効になる。

Language Settings‣Languages ページ Default Language for Documents で、

  • Asian および

  • Complex text layout

がオンの場合のみだ。

Asian typography

上記 Asian がオンのときに Asian Typography タブが Format Cells ダイアログボックス に現れる。

  • 最初の長い名前のチェックボックスは禁則文字に関する。オンにすると玄人風になる。

  • Apply spacing between Asian and non-Asian text は絶対にオンにしたい。

Formatting cell borders

セル枠の容姿を設定するには次を使え:

  • Format Cells ダイアログボックス Borders タブ

  • Formatting ツールバー のドロップダウンリスト

    • Borders

    • Border Style

    • Border Color

Formatting cell backgrounds

セル背景を設定するには次を使え:

  • Format Cells ダイアログボックス Background タブ

  • Formatting ツールバー Background Color ドロップダウンリスト

AutoFormat of cells and sheets

Using AutoFormat

少なくとも三列・行(ヘッダーを含む)上で書式を設定したいセルを選択する。 Menu バー から Format‣AutoFormat Styles… を選択してダイアログを開く。そこからプリセットのスタイルを選択するか、逆に、シート上でスタイリングしてから Add ボタンで追加するという機能だ。

Defining a new AutoFormat

AutoFormat を新規定義すると、スプレッドシートすべてで使用可能なものとなる。

  1. 適当なセルグループに対して、あらかじめフォント、枠、背景の容姿を与えておく

  2. 最低でも 4x4 のセル範囲を選択する

  3. 上記コマンドで AutoFormat Style ダイアログボックスを開く

  4. Add ボタンを押す

  5. 意味のある名前を与える

これで Format 一覧に新規 AutoFormat 項目が現れる。

  • AutoFormat ではセルスタイルは使用しない。選択範囲に直接書式を適用する。

  • 新しい AutoFormat は ユーザープロファイルに保存され、スプレッドシート文書の一部にはならない(別のユーザーが当該文書を開く状況を想定すると注意点に気づける)。

利用者ノート

微妙に失敗する。適用時に日付や金額のセル書式が失われる。

Value highlighting

値強調の表示切替は Ctrl + F8 押しが良い。

この表示は初期状態で有効にしたい。Options ダイアログボックス LibreOffice Calc‣View ページ の Value highlighting をオンに設定しろ。

Using conditional formatting

指定した条件によってセルの書式が変わるように設定する機能だ。想定した仕様から外れたデータを強調表示するために利用する。

Setting up conditional formatting

事前条件は Data‣Calculate‣AutoCalculate がオンになっていることだ。

セルを選択してから Format‣Conditional‣ 以下のサブメニュー各項目を選択するとダイアログがそれぞれ開く。

Condition

条件を満たすセルデータを強調表示するための書式を規定する。

Color Scale

セル値に応じて背景色を設定する。何段階かに色分けして表示する。

Data Bar

棒グラフの棒一本一本を各セル内に描画してデータを表現する。All Cells 限定。

Icon Set

各セルのデータの横に図像を表示し、設定範囲内のどこにデータが位置するのかを視覚的に表現する。All Cells 限定。

Date

現在を基準として特定の日付範囲を指定書式で表記する。

Types of conditional formatting

Conditional Formatting ダイアログボックス を見ていく。

Cell value

ドロップダウンリストで設定された条件に従う升目か升目範囲に対して選択スタイルを適用する。書式設定は升目それぞれに適用され、条件は選択範囲の他の升目の値に依存する場合がある。

セルの値が数値やテキストの場合に有効な条件一覧:

Conditions for number and text in cells

項目

適用条件

is equal to

指定値と等しい場合

is not equal to

指定値と等しくない場合

is duplicate

範囲内の最低一つのセルの内容が等しい場合

is not duplicate

セルの内容が範囲内で一意である場合

begins with

セル内容が指定値から始まる場合

ends with

セル内容が指定値で始まる場合

contains

セル内容が指定値を含む場合

does not contain

セル内容が指定値を含まない場合

この条件は升目内容の内部テキスト変換に適用される。数値は同等のテキスト表現と比較される。数値の升目書式(通貨、科学、使用者定義、等々)は比較の対象とはならない。

数値の場合にのみ有効な条件一覧もある。

Conditions for number-only cell values

条件

選択スタイルが適用される場合のセルの値

is less than

定義値より厳密に小さい

is greater than

定義値より厳密に大きい

is less than or equal to

定義値より小さいか等しい

is greater than or equal to

定義値より大きいか等しい

is between

定義値(下限値と上限値)の間(境界値そのものも含む)

is not between

下限値と上限値の間にない(境界値そのものに等しい値は適用)

is in top N elements

範囲の最大値と、同じ範囲の N 番目の大きい要素の間にある

is in bottom N elements

範囲の最小値と、同じ範囲の N 番目の小さい要素の間にある

is in top N percent

範囲内のセル数の上位 N パーセント。例えば、20 セルの範囲で N が 20 の場合、その範囲の最後の 4 セルに対してスタイルが適用される。

is in bottom N percent

下位 N パーセント版

is above average

セル範囲の値の平均よりも厳密に大きい

is below average

セル範囲の値の平均よりも厳密に小さい

is above or equal average

セル範囲の平均値より大きいか等しい

is below or equal average

セル範囲の平均値より小さいか等しい

条件中の平均に関する注意

関数 AVERAGE はデータ範囲内のテキストや空セルを無視する。この関数による結果が誤っている疑いがある場合は、データ範囲内のテキストを探せ。データ範囲内のテキスト内容を強調表示するには、Value highlighting を見てそうしろ。

エラーの場合にのみ有効な条件というのもある。右欄にエラーコードを指定する。ノート割愛。

Color Scale

条件で All Cells 指定時に適用可能で、セルデータ値に応じて背景色を設定する。グラデーション、二色、三色から指定。

Color Scale (2 Entries) では範囲内の最小値と最大値の色を定義する必要がある。この二つはいくつかの方法で計算することが可能だ:

Min (Max)

範囲の最小値(最大値)。

Percentile

百分位数、並び替えたデータを百等分する 99 個の値それぞれのことで、百分位数一つは百分の一部分データ一つにおける最小値から最大値までの値を返す。P = 25 の場合、これは第一四分位数を意味する。P = 50 はデータセットの MEDIAN でもある。有効な入力値は 0 から 100 までだ。

Value

最小(最大)色に固定値を設定する。

Percent

範囲の最小値と最大値で定義された長さの最小値(最大値)の百分率を表す固定値。最小値 10% では、区間 [Min, Max] の 10% 以下の値が用いられる。最大値が 80% の場合は、区間 [Min, Max] の 80% 以上の値が用いられる。有効な値は 0 から 100 まで。

Formula

等号 = で始まる、最小(最大)色の数値を計算する数式。値には数値、日付、時間を指定可能。入力欄には数式を入力する。

三色では最小最大に加えて、中間値に対する色を指定することもできる。

Data Bar

Conditional Formatting ダイアログボックス の More Options… ボタンを押すと固有オプション一覧が表示される。条件に All Cells が選択されている場合にのみ使用可。

すべてのセルを Data Bar で書式整形するにはデータ範囲の最小値と最大値を設定しなければならない。条件オプションは上記の Color Scale と同じだが、 Automatic 選択肢が追加されている:

Automatic

データセットの値に基づいて自動的に最大値を設定する。

利用者ノート

オプションのほとんどは既定値か Automatic で十分ではあるが、 FillColor にしたい。

Data Bar の属性を選択するには、More Options… ボタンを押す。 Data Bar ダイアログボックスが開く:

Entry values

データ棒書式整形の最小値と最大値を定義する。Color Scale の最少最大項目での記述を見ろ。

Bar Colors

正と負の値の色を設定する。棒の塗りつぶし様式を Fill から設定する:

Gradient

正値(負値)と白の間の色尺度を設定する。

Color

データ棒全体に正(負)に対する色を使用し、グラデーションは使用しない。

Axis

データ棒の縦軸の位置を設定する。値は次のとおり:

Automatic

縦軸を最大値と最小値の中間に置く。

Middle

縦軸を列の中央に設定する。

None

縦軸を表示しない。

Bar Lengths

データ棒の最小(最大)長さを、列幅に対する百分率で設定する。

Display bars only

セル内の値を表示せず、データ棒しか表示しない。

Icon Set

Icon Set は選択された各セルのデータの横に図像を表示し、セルデータが設定した定義範囲内のどこに位付けられるかを視覚的に示す。利用可能な図像集合には、色つきの矢印、無彩色矢印、色つきの旗、色つきの標識、記号、棒グラフ、四角形がある。

Icon SetConditional Formatting ダイアログボックス が開かれ、条件に All Cells が選択されている場合にしか触れない。

Date

Date はドロップダウンメニューで選択された日付範囲に応じて定義されたスタイルを適用する。選択肢は形容詞 This, Last, Next を Day, Week, Month, Year の利用可能な期間に適用することで形成される。例として次のものなどがある:

  • Tomorrow

  • Last 7 days

  • This week

  • Next month

  • Last year

Note

一週間の端点が何曜日であるかは locale 依存だ。Options ダイアログボックス Language Settings‣Languages ページ を確認しろ。

Formula is

右欄の数式の評価がゼロでない場合に選択した見てくれを適用する。数式は真偽値を評価するテスト条件と同様に表現される。

本書の例ではセル内の日付と現在のそれを比較して整形したい書式を場合分けしている。

Conditional formatting management

いったん定義した条件付き書式は Format‣Conditional‣ Manage… で編集可能。

Copying cell styles

条件付き書式設定に使用した見てくれを他のセルに後で適用する手順:

  1. 条件付き書式を設定したセルをクリックし、クリップボードにコピーする。

  2. コピーしたセルと同じ書式を適用するセルを選択する。

  3. Paste Special ダイアログボックス を開く。Chapter 2, Entering and Editing Data を見ろ。

  4. Formats のみが選択されていることを確認し、OK ボタン を押して条件付き書式をセルに貼り付ける。

Hiding and showing data

Calc では、要素を隠して計算機の画面から見えなくしたり、スプレッドシートを印刷するときに印刷されないようにしたりすることが可能だ。たとえば、B 列を隠した場合、A 列から C 列へのコピーを選択すると B 列がコピーされる。隠し要素が再び必要になったときは、逆の手順でそれを見せることが可能だ。

Hiding data

Sheets

シートを隠す場合は、シートタブの右クリックメニューから Hide Sheet を実行する。

Rows and columns

列または行を隠す場合は、列ヘッダーまたは行ヘッダーをクリックして選択状態にし、右クリックメニューから Hide Row または Hide Column を実行する。

Tip

隠れた列・行に対する表示器を有効または無効にするには View‣Hidden Row/Column Indicator を選択する。

Cells

個々のセルを隠すのは複雑だ。まず、セルを保護かつ隠しに定義し、次にシートを保護する必要がある:

  1. 隠したいセルを選択する

  2. Format Cells ダイアログボックス を開く

  3. Cell Protection タブ をクリックし、セルを隠して印刷するオプションを選択する

  4. OK ボタン を押して変更を保存してダイアログボックスを閉じる

  5. Menu バー の Tools‣Protect Sheet… またはシートタブ右クリックメニューから Protect Sheet… を選択して Protect Sheet ダイアログボックス を開く

  6. Protect this sheet and the contents of protected cells をオンにする

  7. パスワードを作成し、そのパスワードを確認する

  8. 保護セル(またはその裏)を選択できるように、Allow all users of this sheet to 内のオプションをオンかオフにする。

  9. OK ボタン を押して変更を保存してダイアログボックスを閉じる

Note

セル内容を隠すと、そうなるのはセルに含まれる内容だけであり、保護されたセルは変更できない。空白セルはスプレッドシートに表示されたままだ。

Showing data

読者ノート

隠したシート、列、行を復元する方法は対応する Show コマンドを実行しろ。

Sheets

Menu バー から Sheet‣Show Sheet… を実行し、ダイアログボックスから表示するシートを選べ。

Rows and columns

先頭列を隠しから見せに戻す場合には選択にコツがいる。行 1 を選択し、列ヘッダー B の右クリックメニューから Show Columns を実行するのだ。列の場合、縦横を入れ替えて同様の操作をすることで表示を戻すことになる。

  1. 隠れた行・列の両隣接行・列を選択する

  2. Menu バー の Format‣Rows‣Show を選択すると行が、 Format‣Columns‣Show を選択すると列がそれぞれ現れ、印刷できるようになる。

  3. または、行または列のヘッダーを右クリックし、コンテキストメニューから Show Rows または Show Columns を選択

Cells

  1. Protect Sheet ダイアログボックス を開く (see Cells)

  2. シートの保護を解除するパスワードを入力し、OK ボタン を押す

  3. Format Cells ダイアログボックス を開く

  4. Cell Protection タブ をクリックし、セル隠しオプションの選択をオフにする

  5. OK ボタン を押す

Note

Protect Sheet ダイアログボックス を使用してシートを保護する場合、パスワード欄を空白のままにすることが可能だ。この場合、上記の手順の一部は生じないか、必要がない。