幾何学と不変量 読書ノート 1/10¶
第 1 章 群とは何か──群の速成コース¶
1.1 群の定義¶
用語:代数系、四則演算、n 項 or 多項演算、直積。
- 代数系
集合
X
の上に何種類かの多項演算があって、それらの間に何らかの関係が成り立つときに、組(X, operations)
をそう呼ぶ。
定義 1.2: 群の公理。ここに書いてあることはさすがに心得ている。
用語:可換律、可換群 or アーベル群、非可換群。
1.2 群の例¶
例 1.4: 加法群、乗法群。
\(\QQ,\ \RR,\ \CC\) のどれかを \(K\) とおく。このとき \(K\) からゼロを取り除いた集合は乗法群であり \(K^{\times}\) という記号で書く。
用語:単元
定義 1.5: 部分群。これも心得ている。
演習 1.6: \(\forall a, b \in H, ab\inv \in H\)
例 1.7: 用語:有限群、位数、四元数体、共役、体、非可換体。
四元数体 \(\mathbb{H}\) は非可換体であり、\(\mathbb{H}^{\times}\) は非可換群となる。
\(\set{\pm 1, \pm i, \pm j, \pm k} \subset \mathbb{H}^{\times}\) は有限部分群。
演習 1.8: パウリ行列
1.3 対称群¶
用語:置換、合成(写像)、恒等写像、逆写像、対称群 or 置換群、\(n\) 次対称群、「~を不変にする」or「~を固定する」、固定部分群。
本書では対称群 or 置換群を \(\mathfrak{S}_n\) という記号で表す。 LaTeX では
\mathfrak
を用いる。
演習 1.9: \(\mathfrak{S}_3\) の記述。
演習 1.10: \(H_{\set{1, 2}}\) と \(K_{\set{1, 2}}\) をそれぞれ書き出せばよいか?
1.4 図形の対称性と群¶
用語:変換、etc.
合同変換と合同変換群の関係、対称群は合同変換群の部分群である、二面体群と正多面体群は対称群である、等々。二面体群の要素と、正多面体群の位数は何も見ないで求められるようにしておきたいところ。
1.4.1 二面体群¶
対称群という用語が再定義されている?
\(n\) 次の 二面体群 \(D_n\) とは正 \(n\) 角形の対称群のこと。
原点は \(D_n\) 「によって不変である」or「の固定群である」。
補題 1.11: \(D_n\) に属する回転移動は \(\set{a^k \sth 0 \le k < n}\) ここで \(a\) は角度 \({2 \pi / n}\) の回転を表す。
演習 1.12: 合同変換がある直線に関して不変であるとき、その変換は恒等変換または鏡映変換である。以下、鏡映変換を \(b\) で表す。
定理 1.13: \({D_n = \set{a^k, a^k b \sth 0 \le k < n}}\)
\(\set{a, b}\) を 生成元 or 生成系 という。
演習 1.14: \({abab = e.}\)
演習 1.15: \(D_3\) は \(\mathfrak{S}_3\) と同型であるが、\(D_4\) と \(\mathfrak{S}_4\) はそうではない。位数が異なる。
1.4.2 正多面体群¶
演習 1.16: これは「?」だな。
演習 1.17: オイラーの関係式 \({f - e + v = 2}\)
定理 1.18
各面が正 \(p\) 角形の 正多面体群 の位数は \({2fp = 4e}\) となる。
その回転のみからなる部分群の位数はその半分の \({fp = 2e}\) である。
演習 1.19: ある辺を固定する部分群の位数およびある頂点を固定する部分群の位数。
1.5 群拾遺¶
1.5.1 自由群¶
(用語)語、空語。
\({F_2 = \set{a, b}}\), 一般に \({F_k = \set{a_1, \dotsc, a_k}}\) を 自由群 という。
正規表現の本で似たようなものを見た記憶がある。
1.5.2 行列群¶
- 一般線形群
\({GL_n(K) \coloneqq \set{g \in M_n(K) \sth \det g \ne 0}}\)
部分群 \(SL_n(K),\ O_n(\RR),\ U_n(\CC),\ Sp_{2n}(K)\)
ド・シッター群 \(SO(?)\)
1.5.3 変換群¶
用語:変換(自身から自身への全単射)、線形変換、変換群 or 自己同型群
自己同型群の記号は \(Aut(X)\) のようになる。
1.5.4 一次分数変換¶
複素平面の上半分 \({\mathfrak{H} \coloneqq \set{z \in \CC \sth \Im z > 0}}\) は多様体である。
- 一次分数変換
関数 \({ \displaystyle f_g(z) = \frac{az + b}{cz + d}\ (\ z \in \mathfrak{H},\ g \in SL_2(\RR))}\) のこと。
命題 1.24: \(f_g\) についての諸性質。
\(SL_2(\RR)\) が群の演算を保つ。
\(g \in SL_2(\RR)\) に対して \(-g\) もまた同じ変換を指定するので、これらを同一視してしまう。
\[PSL_2(\RR) \coloneqq SL_2(\RR) / \sim.\]