ノート準備中書籍群 2017 年編

たぶん図書館に通って読んだ書籍中心になる。

大学数学ベーシックトレーニング

著者:和久井 道久
出版社:日本評論社
発行年:2013 年
ISBN:978-4-535-78682-0
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最初の章でノートの取り方や資料整理術を私は知らないということを再認識させられた。学生の時分に本書を手に取っていれば、私はこんなことにはならなかっただろうに……。

入門 データ構造とアルゴリズム

著者:Narasimha Karumanchi
訳者:黒川 利明、木下 哲也
出版社:オライリー・ジャパン
発行年:2013 年
ISBN:978-4-87311-634-1
関連 URL:あり

骨太なアルゴリズム教科書。

基礎理論を展開する 1 章はしっかりと理解したいところだ。

意外なことにビット単位プログラミングという節があり、これが私の趣味の某ビデオゲームアセンブリコード解読作業の役に立った。

本文中の大量の訳注から翻訳者は相当の労力を費やしたことが窺える。訳者あとがきでも率直に大変だった旨を述べているし。

ノイマン・ゲーデル・チューリング

著者:高橋 昌一郎
出版社:筑摩書房
発行年:2014 年
ISBN:978-4-480-01603-4
関連 URL:あり

三色団子のようだ。

書名にある三巨人の名講演・論文、その背景・解説、および生い立ちからなる。どの人物のエピソードも文句なしに面白い。

  • ノイマンは京都に原子爆弾を投下させたかったらしい。
  • とくに笑ったのはゲーデルの合衆国市民権取得エピソード。なんでも合法的に独裁国家に移行できるらしいのだが、現在の大統領がそれを知っているのか興味がある。
  • イギリスのチューリングに対する扱いが悪過ぎるなと思っていたが、その理由に説明がつく記述があったので良かった。

テレンス・タオ ルベーグ積分入門

著者:Terence Tao
訳者:舟木 直久(監訳)、乙部 厳己
出版社:朝倉書店
発行年:2016 年
ISBN:978-4-254-11147-7
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巻末付録の証明方法論を主に、なんだか実践的な内容になっている。入門と書名にはあるが、内容水準は全然低くない。

数学の教科書にしては、随所に著者の意見がミニコラムのような形式で割り込んでくる。

個人的に感動したのは、ルベーグ積分の核にある概念を「ドット絵」と喩えている箇所だ。

絵と言えば、本書は図表の類がほとんどないのが特徴。ルベーグ積分の性質上そうなるというよりは、読者にはなるべく自分で手と頭とを動かして考えて欲しいという著者の方針でそのようになったそうだ。

数からはじめる代数学

著者:春日 龍郎
出版社:日本評論社
発行年:2016 年
ISBN:978-4-535-78819-0
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簡単な整数論、実数の完備性、環論、体論、群論、ベクトル空間、線形変換、行列式という構成。とにかく浅く広くという姿勢なのか。

ナンシー関 激コラム

著者:ナンシー関
出版社:世界文化社
発行年:2004 年
ISBN:978-4-418-04518-1
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これは『超コラム』『大コラム』とは毛色が異なり、非テレビネタが中心。特に著者自身による著者についての文章には価値がある。海外旅行先の某髪型設計(中国では美容室をこう呼ぶらしい)でパーマ中に断水して、他店に転がり込んでなんとか終わったときの著者自画像ハンコ版画とか。

印象に残ったのは、著者が常識と非常識のパターンを知りたいと言っていたこと。「焼きそばと牛乳」のエピソードが二度現れるが、この辺にナンシー関の文章構成の魅力を説明するための手がかりがありそうだ。

ナンシー関大全

著者:ナンシー関
出版社:文藝春秋
発行年:2003 年
ISBN:978-4-16-365160-6
関連 URL:あり

ナンシー関の主要著作は読んでいたつもりだったが本書の存在は知らなかった。

著者の四コママンガ誌の利用法について述べた文章があると聞いていて、それを比較的最近になって別の著作で発見したばかりだったが、それよりもシンプルな文章を本書で認めることができたのが収穫。

学生時代のエピソードで、数学の時間は居眠りばかりだったのに、いざ試験となったら独自の解法で問題を解いて教師を驚かせたというのがあった。しかし、私はそれを聞いて逆に納得してしまったのだが……。

解析概論 改訂第三版

著者:高木 貞治
出版社:岩波書店
発行年:1983 年
ISBN:978-4-00-005171-2
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オリジナル版は 1938 年に刊行されたまさしくビンテージ物だが、これは改訂第三版軽装版。

色々な数学の教科書から参考文献としてこの書名が挙がるので、何とか読んでみたかった。図書館に行ったときにチョコチョコ読み進めて、一周するのにのべ何日かかっただろうか。

私の場合は今からはキツイが、数学の基礎体力を鍛える目的に最適と思われる。

アルゴリズムクイックリファレンス 第 2 版

著者:George T. Heineman, Gary Pollice, Stanley Selkow
訳者:黒川 利明、黒川 洋
出版社:オライリー・ジャパン
発行年:2016 年
ISBN:978-4-87311-785-0
関連 URL:あり

初版と第 2 版とで変更箇所がかなりある。

個人的には 1 章は初版の(メモリリーク検出プログラムの逸話の)ほうが好み。

グラフアルゴリズムの概要で紹介される家系図がよりデータ構造が個性的なカルロス 2 世のそれに刷新されていたのには笑った。

「擬似コードは極力排除し、実コードを示す」というポリシーは続行。うれしいことに本班から追加されたコードは Python だ。本当にありがたい。

ベンチマークも掲載。結果データだけでなく、読者がベンチマークを計測するための情報も記載されている。生の統計データに対して最大値と最小値を棄却して、平均値(と標準偏差)を算出するパターンを死守。