Effective Python 読書ノート

いつの間にか Effective 本の Python モノが出版されていた。

未取得な必修事項がかなり残っていることを教えてくれた。私の場合は 4 章以降の知識がかなり危ない。

著者:

Brett Slatkin

訳者:

黒川 利明

出版社:

オライリー・ジャパン

発行年:

2016 年

ISBN:

978-4-87311-756-0

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版元 原書

1 章 Python 流思考

  • スライスのときに [0:i] とか [i:-1] とは書かずに [:i] とか [i:] と書くのを推奨。

  • スライスの stride 機能は扱いが難しいので基本的には避ける。

  • range よりも enumerate を好むとあるが、言わんとすることに注意。リストを反復するときに添字が必要であれば、下のようにするなという意味だろう。どのようなときにも enumerate を使えと言っているのではない。

    for i in range(len(a)):
        handle(a[i])
    

2 章 関数

  • 項目 14 で <None を返すよりは例外を選ぶ> とある。これはもう当然だろう。

  • 高級な概念だが、closure とか nonlocal とかを人に説明できるように理解しておきたい。

  • __iter__ の実装演習をしておきたい。

  • キーワード専用引数のための構文が Python にはある(関数引数リスト内に単体の * でそれを示す)。

3 章 クラスと継承

  • 組み込みデコレーターの @classmethod は「クラス全体」に効く。これはけっこう便利なので愛用している。

  • 普通の用途においては super() は引数なしで OK だ。いつも派生クラスの __init__ を書くときに「何だっけ」となるので、忘れないようにする。

  • C++ とは事情が逆で、Python では private より public を好むようだ。これについて人に理由を説明できるようにしておきたい。

4 章 メタクラスと属性

  • これも C++ とは反対に getter や setter を提供する代わりに、剥き出しの属性を参照させるほうが良いとされる。おそらく理由も先程のものと似ているのだろう。

  • @property という組み込みデコレーターがあるので、一度定義した属性に対して後からどうとでもできる。

  • __get____set__ も使ったことがない。これも練習しよう。

  • 項目 32 で紹介されている __getattr__, __getattribute__, __setattr__ はまったく馴染みがない。実装の練習をしておきたい。

  • metaclass=Meta__new__ に馴染みがないので、要演習。<メタクラスの __new__ メソッドは class 文の本体全体が処理された後に実行される> (p. 108) そうだ。

  • 項目 34 で議論されている register_class の技法は是非押さえたい。昔書いたコードではまさに手動でやっていた気がする。

5 章 並行性と並列性

この章の内容はどれもがほぼ未経験。致命的かもしれない。

  • モジュール subprocess の提供する機能はかつての popen, popen2, os.exec* の系譜の最新進化形と捉えてよろしいか。

  • GIL とは <マルチコア CPU でバイトコードを並列に実行することができない> ようにするPython のロックという位置づけ。

  • Lock は要演習。

  • Queue は要演習。

  • 関数を並行実行する機能の枠組の一つに coroutines というものがある。これも演習したい。特に pdb でトレース実行してみたい。

  • さらに concurrent.futures なる新機能がある。

6 章 組み込みモジュール

  • @functools.wraps は入れ子になった関数の内側の方を修飾するものなのか。既存の自作コードですぐにでも試せそうだ。

  • @contextlib.contextmanager を利用することで、自分でクラスを作って __enter____exit__ を定義する手間が省けるかもしれない。これは既存の自作コードを改造するほうが高く付くので、残念だが見送ろう。これから作るものについては、当然デコレーターのほうを先に検討したい。

  • モジュール itertools については、Python コードを書く機会に参照する。個人的には C++ で言うところの <algorithm> や、 C# で言うところの LINQ に相当する概念を提供するモジュールだと思っているので。

7 章 協働作業(コラボレーション)

  • <例外は定義している関数やクラスのインターフェースの一部です> まさにその通りだ。

  • 仮想環境の話。今なら Anaconda/Miniconda ということだな。

8 章 本番運用準備

  • <repr で返される文字列は正当な Python 式です> とある。それゆえ __repr__ を実装するときには <オブジェクトを複製する Python 式を含んだ文字列を返す> ようにするべきだ。

    • ただし「含んだ」というのがミソ。

  • 関数 pdb.set_trace については必修。いつでもスクリプトの先頭からデバッグ実行するには及ばない。

  • tracemalloc の練習をしたいが、何か良い練習台はないものか。もっと言えば、 Python でメモリーリークを引き起こすコードを書く方法とは何か。