Windows Terminal 利用ノート¶
Windows Terminal はさまざまな端末ウィンドウをそれらの親ウィンドウとしてまとめることができる便利なソフトウェアだ。
タブインターフェイス、
ウィンドウ分割ペイン、
Unicode/UTF-8 対応、
GPU による高速レンダリング、
テーマ(配色、フォント)、
ショートカットキー設定
など、機能を豊富に備えている。
Note
- Version:
1.14.2281.0, 1.23.12811.0.
- OS:
Windows 10 Home, Windows 11 Pro.
インストールする¶
Windows 10 でインストールする場合¶
Windows Terminal をインストールには複数の方法が用意されているようだが、次のどちらかが望ましい:
Microsoft Store 経由でインストール
Windows 標準のコマンドライン上などから winget でインストール
PS> winget install -e --id Microsoft.WindowsTerminal
``%LOCALAPPDATA%\Microsoft\WindowsApps\wt.exe
新マシンでのインストール手段は、旧マシンで winget export したプログラムリストを winget import してインストールすることを想定している。
Windows 11 でインストールする場合¶
Windows 11 では Home/Pro を問わず、Windows Terminal があらかじめインストールされている。
アップグレードする¶
Windows Terminal 自身は自動更新機能を実装していないようなので、採用したインストール手段に対応したアップグレード手段を採る。
Microsoft Store でインストールした場合には自動更新が有効ならそうなる。心配なら Microsoft Store の更新ボタンを押せばいい。
winget を利用してインストールした場合には
winget upgradeを実行する。Windows 11 のインストール済みパッケージは Microsoft Store の機能により自動更新されるだろう。
設定をバックアップする¶
Windows Terminal の設定内容は次のパスで示される JSON ファイルに保存されている。これをバックアップなりバージョン管理するだけだ。
%LOCALAPPDATA%\Packages\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\LocalState\settings.json
Windows Terminal をアンインストールするとこの設定ファイルも失われる。間違いに備えてファイル
settings.json を必ずバックアップをしろ。
アンインストールする¶
アンインストールしてはならない。話がややこしくなる。
使用方法¶
Windows Terminal を初めて起動したときには設定が出荷時のものに過ぎないから、おそらく使い物にならない。後述の構成設定を適宜済ませてから、再度メインウィンドウに戻る。
Windows Terminal を適切に構成すると、メインウィンドウにタブが一つ以上表示される。各タブが何らかのコンソール画面に対応しているので、作業したいものをアクティブにして、コマンドライン操作をすればいい。
Windows Terminal を終了する必要がある場合には、すべてのタブに対するコンソール上でシェル固有の exit コマンドを実行するか、メインウィンドウ自体をバツボタンを押すなどする。
構成設定¶
Windows Terminal の設定は上述の JSON ファイルを直接的に編集するか、設定画面経由で間接的に編集することで実現する。設定画面を表示するには、メインウィンドウのメニューバー的なところの v をクリックすると出現するメニュー内にある項目 を選択する。
以下、要となるオプションのみを記す。
- Startup
Windows Terminal 起動時に影響するオプションを決定する。
Default profile: Ubuntu
Language: English (United States)
When Terminal starts: Open a tab with the default profile
New instance behavior: Attach to the most recently used window
Launch size で列数(横)と行数を適宜指定する。
- Interaction
Windows Terminal と私との間に起こる動作に影響するオプションを選択する。ここは既定値のままでよかろう。
- Appearance
Windows Terminal の見てくれを調整するオプション画面だ。
どのソフトウェアを使うときにも言えることだが、Google 検索で調べ物をするときの便宜を図るべく、UI を英語にしておく。そして、見てくれの調整に注力して時間を浪費するようなことは避ける。
Application Theme: Use Windows theme
Use acrylic material in the tab row: OFF
Tab width mode: Compact
Pane animations: OFF
- Color schemes
Windows Terminal の配色を調整する、あるいは配色全体を定義するための画面だ。したがって、ここに手を出す必要はない。
- Rendering
Windows Terminal の描画効率最適化を図る項目からなる画面だが、素人お断りという空気だ。全部既定値のままでよかろう。
- Compatibility
触らないでおく。
- Actions
Windows Terminal で定義されているショートカットキーの集合だ。常用するシェルのキーバインドと衝突するものがないかどうかを確認しておくべきだ。反対に、ここにあるコマンドで有用なものは是非習得するべきだ。それは後述する。
- New Tab Menu
初期状態で問題ないが、要らないプロファイルを削るために編集してもかまわない。
Profiles¶
Defaults とプロファイル個別の設定を二段構えで指定する構えを取っている。前者でコンソールすべてに共通する設定をし、後者でシェルごとの設定項目を上書きすると考えればいい。
- Defaults
コンソールすべてに共通する設定をする。
Run this profile as Administrator: OFF
- Appearance
コンソール画面すべてに共通する設定項目の集合。
Font face: こだわりのフォントがあるならば設定してもよい。
Font size: 上記に合わせて指定する。
Cursor shape: キャレットの形状を指定する。
Cursor color:
#rrggbb形式でいったん指定しておき、JSON ファイルで最終調整するのがよい。Scrollbar visibility: Always
- Advanced
どの範疇にも該当しないような設定項目の居場所となる画面だ。
History size: 小さい数にしない。
Profile termination behavior: Automatic で問題ないが、場合によっては Close only when … でいいかもしれない。
Display marks on the scrollbar: ON にすると便利。
- プロファイル個別画面
私の現在の環境では Ubuntu, PowerShell, Command Prompt と並んでいる。どの設定画面も項目の構造に差異はないので、まとめて説明する。
Command Line は念入りに確認しておく。Ubuntu の場合には
wsl.exe ~ -d Ubuntu
のように指定しておく。初期値のままではわかりにくい。
UI 言語を英語にした手前、コマンド プロンプト のプロファイル名を
Command Promptに変更しておく。
覚えておきたい Windows Terminal 内コマンド¶
最初のうちは次のものだけでいい。そのうち画面分割とかに手を出し始めたら関連コマンドを習得するようにしても間に合う。
コマンド |
ショートカットキー |
|---|---|
テキスト全選択 |
Ctrl + Shift + A |
検索 |
Ctrl + Shift + F |
少量だけ上へスクロール |
Ctrl + Shift + ↑ |
少量だけ下へスクロール |
Ctrl + Shift + ↓ |
ページ高だけ上へスクロール |
Ctrl + Shift + PgUp |
ページ高だけ下へスクロール |
Ctrl + Shift + PgDn |
コンソール画面の最上部に移動 |
Ctrl + Shift + Home |
コンソール画面の最下部に移動 |
Ctrl + Shift + End |
設定画面タブを開く |
Ctrl + , |
設定 JSON ファイルを開く |
Ctrl + Shift + , |
Note
コンソール内でのキャレット移動は、各対話的シェルに関する設定に従う。
Windows Terminal 自身へのコマンドライン引数¶
Windows Terminal を ファイル名を指定して実行ダイアログ やコマンドラインから起動する場合には、次のようなコマンドライン引数およびオプションを与えることもできる:
wt.exe [options] [command ; ]
これを使う状況というのは、普段とは異なる構成で Windows Terminal を起動するときに限られるだろう。この機能にはまだ手を出さなくていいだろう。
細かい機能¶
タブを右クリックすると、専用コンテキストメニューが表示される。これを使って、タブのラベル文字列を編集したり、色を変更したりできる。
マウスはテキスト選択以外にも、キーボード操作と組み合わせてズームや背景の透明度調整に利用できる。しかし、これらの機能はむしろ無効化したい。
マウスカーソルを URL 上にホバーさせると下線が出てくる。通常設定ならばこの状態で Ctrl を押しつつクリックすると、そのページが Web ブラウザー内に開く。
その他¶
Windows Terminal にはアクション、画面分割など、拡張性のある機能が他にもまだ存在するし、マウス操作でのテキスト選択、Quake モードなどのまだ見ぬ機能も残っている。しかし、本ノートではそこまで踏み込まないことにする。これまでに記した内容で十分な作業効率が確保できる。