ZoomIt 利用ノート¶
本稿は PowerToys の ZoomIt 機能に関する記述だ。
Attention
Microsoft PowerToys 利用ノート 冒頭の前提条件に留意すること。
概要¶
ZoomIt は画面を画像的に拡大する機能だ。それに加え、注釈や収録に関する機能も設けている。得られた画像のクリップボードへの転送やファイルへの保存も可能だ。
拡大機能以外にも、目覚まし時計や単なる画面キャプチャーツールとしても機能する。
コマンド¶
ZoomIt に実装されているコマンドを記す。
Zoom コマンド¶
ズームモードを開始するには次のどちらかを行う:
設定したキーバインド (Ctrl + 1) を押す
タスクトレイアイコンメニューから を選択する
ズームモードを終了するには次のいずれかを行う:
設定したキーバインド (Ctrl + 1) を押す
Esc を押す
右クリック
ズーム倍率操作¶
ズーム倍率を増減させるには次の操作をする:
↑ や ↓ を押す
マウスホイールを回す
画面画像保存¶
ズームモードでは画面を画像として得ることができる。
キー |
操作 |
|---|---|
Ctrl + C |
結果画面をクリップボードへコピー |
Ctrl + S |
結果画面をファイルへ保存 |
また、Ctrl の代わりに Ctrl + Shift を用いると、画面全体ではなく矩形部分を指定して画像を保存するようになる。
Draw コマンド¶
Zoom コマンド中でのマウスクリックは描画モードの on/off を切り替える。描画モードのときには mspaint 感覚でマウスを使って線を引くことが可能だ。
または、設定したキーバインドを押すことで、ズームモードを経由せずに Draw コマンドを起動することが可能だ。既定では Ctrl + 2 だ。
描画を確定するには右クリックする。
基本操作¶
キー |
操作 |
|---|---|
Ctrl + Z |
元に戻す |
E |
描画のすべてを取り消す |
Space |
マウスカーソルをズーム領域の中央に移す |
ペン操作¶
以下の操作はペンが使える状態で有効だ。
キー |
操作 |
|---|---|
Ctrl + ↑ |
ペンを大きくする |
Ctrl + ↓ |
ペンを小さくする |
R |
赤ペンにする |
G |
緑ペンにする |
B |
青ペンにする |
O |
橘ペンにする |
Y |
黄ペンにする |
P |
桃ペンにする |
Shift |
ペンの色に透明度をつける |
X |
ペンをぼかす |
Shift + X |
ペンを強くぼかす |
ペンが使える状態で特定のキーを押しながらマウスをドラッグすると、下の表の対応する形状を描く:
キー |
操作 |
|---|---|
Ctrl |
矩形(対角線指定方式) |
Shift |
直線 |
Ctrl + Shift |
矢印(クリック地点が矢印の先端) |
Tab |
楕円(外接矩形の対角線指定方式) |
画面消去操作¶
画面全体を一色で塗りつぶすキー操作を記す。
キー |
操作 |
|---|---|
W |
白く塗りつぶす |
K |
黒く塗りつぶす |
テキスト入力モード¶
テキストの色は現在のペンの色が用いられる。
T |
テキスト入力モードへ入る |
|---|---|
Shift + T |
テキスト右揃え入力モードへ入る |
Esc |
テキスト入力モードから出る |
↑ |
テキストを大きくする |
↓ |
テキストを小さくする |
Break Timer コマンド¶
Break Timer コマンドは画面内にカウントダウンを描画する機能だ。ズームとは全然関係ない。
タイマーを開始するには:
設定したキーバインドを押す。既定では Ctrl + 3 だ。
タスクトレイアイコンからメニュー を選択する。
キーバインド実行の場合は、設定画面の指定により時間が決まる。タスクトレイアイコン実行の場合は、開始時刻が描画された直後に矢印キーを用いてカウントを決める。
Alt + Tab を押すなどで Break Timer コマンド画面から離れてしまった場合、タスクトレイアイコンをクリックすれば Break Timer に復帰する。
Break Timer コマンドの途中で Esc を押すと、コマンドは終了する。
LiveZoom と LiveDraw モード¶
LiveZoom モードとは、ズーム中において、ズーム対象のウィンドウ描画更新を停止しないズームモードだ。この挙動は先述の Ctrl + 1 ズームとは明らかに異なる。
LiveZoom モードを開始するには、設定したキーバインド (Ctrl + 4) を押す。終了するのにもこのキーバインドが使える。
LiveZoom 中のズーム倍率の変更は Ctrl + ↑ や Ctrl + ↓ を使え。ここから(ライブを放棄して)描画モードに入るには左クリックではなく、描画モード切り替えキーバインドを使え。LiveZoom モードに戻るには Esc を押せ。
Draw コマンドのキーバインドに Shift を加えたキーバインドを押すと LiveDraw モードになる(既定では Ctrl + Shift + 2 ということになる)。これは「画面描画更新が停止しない」描画モードだ。
Record コマンド¶
Record コマンドは画面全体または一部に対するビデオ収録を行う。
Record コマンドのキーバインド (Ctrl + 5) をそのまま押せばデスクトップ全体を収録する。
Record コマンドのキーバインドに Shift を加えると、収録対象矩形を先に指定できるようになる(矩形決定後に収録開始)。
Record コマンドのキーバインドに Alt を加えると、収録対象がアクティブウィンドウとなる。
利用者ノート
画面を収録するためだけなら OBS Studio が不要になる。
Snip コマンド¶
Snip コマンドは Zoom コマンドのくり抜き機能を切り出したものだ。
くり抜き始めるには設定したキーバインド (Ctrl + 6) を押す。
くり抜きを終えるには Esc を押す。
設定したキーバインドで Ctrl の代わりに Ctrl + Shift を用いると、くり抜き画像をクリップボードの代わりにファイルに保存するように動作する。
DemoType コマンド¶
DemoType コマンドは指定されたテキストを画面上に自動タイプさせることができる機能だ。
DemoType コマンドのキーバインド (Ctrl + 7) をテキストボックスまたはテキストフィールドで押すと、自動タイプが開始または停止する。
駆動入力モードが有効のとき、入力操作をキーボード入力で制御することも可能だ。キーを叩くと、それにつれて指定テキストが順次対象ウィンドウに挿し込まれていく。
このモード中は、指定テキスト終了時に Space を押すとキーボード入力が解除される。
入力は簡単な制御パターンを含むテキストファイルであり、クリップボードやファイルで指定する。パターンの仕様はだいたい次のようなものだ:
パターン |
制御 |
|---|---|
|
クリップボードからテキストを定義するときにのみ使用 |
|
ここでテキスト送信を終わる |
|
キーストロークを再現する |
|
キーストロークを再現する |
|
キーストロークを再現する |
|
キーストロークを再現する |
|
キーストロークを再現する |
|
この位置で n 秒の一時停止を再現する |
|
クリップボードのテキスト塊をこの位置から貼り付ける |
|
この位置まで貼り付ける |
利用者ノート
入力テキストは日本語テキストでも動作する。
DemoType を実行する直前に IME を直接入力モードに設定しておくのが無難だ。
Visual Studio Code のエディターを対象にするならば、補完などの編集機能は無効にしておくのが良かろう。
詳しくは次の資料を見るといい。その記事にある Twitter に投稿されたビデオがわかりやすい: Make demo typing easy with DemoType in ZoomIt v8.0
設定¶
Enable Zoomlt を On にすると ZoomIt 機能が有効になる。
Behavior¶
- Show tray icon
On にするとデスクトップのタスクトレイに ZoomIt 専用アイコンが常駐する。このタスクトレイアイコンは、クリックにより ZoomIt コマンドからなるポップアップメニューを開く。
Zoom¶
- Zoom hotkey
Zoom コマンドを実行するキーバインドを指定する。既定値 Ctrl + 1 いい。
- Animate zoom in and zoom out
On にするとズームインとズームアウトにアニメーションが付く。Off でいい。
- Smooth zoomed image
On にするとズームイン画像が滑らかになるのだろうが、試してもそうはならないようだ?
- Specify the initial level of magnification when zooming in
ズームインの初期拡大倍率。既定値 2.0 は二倍に拡大することを指示する。
Live Zoom¶
- Live Zoom hotkey
Live Zoom モードに入るキーバインドを指定する。既定値 Ctrl + 4 でいい。
Draw¶
- Draw without zoom hotkey
Draw コマンドを実行するキーバインドを指定する。既定値 Ctrl + 1 でいい。
Type¶
- Text font
Draw モードにおける入力テキストのフォントを指定する。
- Choose font
汎用フォント選択ダイアログボックスを開く。
日本語フォントを用いる場合は横書きフォントを選ぶのが無難だ。
DemoType¶
- Input file
自動タイプ命令を記述したファイルパスを指定する。
ちなみに、クリップボードの内容を使う場合でもこの項目にファイルパスが指定されていてもかまわない。クリップボードの内容が
[start]から始まっていれば、 DemoType はファイルではなくクリップボードを採用する。- DemoType toggle hotkey
DemoType セッションを開始するか停止するキーバインドを指定する。既定値 Ctrl + 7 でいい。
- Drive input with typing
On にすると、テキスト送信のペースをキーボードのキーを叩くことである程度制御できるようになる。
Off にすると、テキスト送信は最初から最後まで指定どおりに行われる。
- DemoType typing speed
タイプ速度を 10 から 100 までの値で指定する。
Break¶
- Start break timer hotkey
Break コマンドを開始するキーバインドを指定する。既定値 Ctrl + 3 でいい。
- Timer (minutes)
Break コマンドの持続時間を分単位で指定する。
- Show time elapsed after expiration
時計がゼロになった場合、時間表示を示したままにするか否かを指定するスイッチ。 On にするとゼロタイマーの下にマイナスカウントが付記される。
- Play sound on expiration
On にすると、時計がゼロになった場合に指定の音を鳴らす。
- Alarm sound file
音声ファイル。
%SystemRoot%Media以下にある音声ファイルを選択させたがっている。
- Timer opacity
Break コマンドが描くタイマーウィンドウの斜光度。
- Timer position
Break コマンドが画面のどこに時間を描くかを指定する。
- Show background bitmap
Break コマンドが描くタイマー背景をどのようにするかを指定する。
Use faded desktop as background: 現在の画面を薄めて背景とする
Use image file as background: 画像ファイルの内容を背景とする
- Background image file
Break コマンド稼働中の背景に用いる画像を含むファイルのパス。
- Scale to screen
On にすると、Break コマンドは背景画像を画面に合わせて拡縮する。
Off にすると指定画像が実寸で描画される。
利用者ノート
残り時間テキスト描画における色とフォントは Draw コマンドコンテキストが適用されるようだ。
Record¶
- Record hotkey
Record コマンドへ開始と終了の合図を送るキーバインド。既定値 Ctrl + 5 のままにしておく。
- Scaling
ズーム倍率を指定する。縮小しかできない?
- Capture audio input
On にすると対象ウィンドウの出力音声も収録する。
- Microphone
音声入力に使用するマイクを指定する。この選択肢はおそらく Web 会議アプリケーションで見られるものと同じだろう。
Snip¶
- Snip hotkey
矩形選択を開始するキーバインド。既定値 Ctrl + 6 のままでいい。