Chapter 1, LibreOffice Basics ノート

Installation and starting LibreOffice

Installation

Windows では LibreOffice インストール時にショートカットアイコンがデスクトップに生じるとある。個人的に邪魔なのでこれを削除する。

Starting

LibreOffice Start Center の使用法について。いちおう確認。

  • Start Center に表示されているファイルアイコンを選択すれば、それに対応するアプリケーションが起動することで当該ファイルが開く。

  • Start Center で Templates を選択し、新規ファイルのテンプレートを選択すると、そのテンプレートに関連するアプリケーションが開く。

  • Open File を選択するとファイルダイアログボックスが開く。そこでファイルを選択し、「開く」ボタンを押すと対応アプリケーションが起動して選択ファイルが開く。

  • Remote Files は選択ファイルがリモートにある場合の方法。

Filter ドロップダウンリストに注意。

Tip

Start Center 内にファイルをピン留めすることが可能。

Note

Windows Explorer で LibreOffice アプリケーションに関連するファイルアイコンをダブルクリックすると、対応アプリケーションが必要に応じて起動し、指定ファイルが開く。

Closing LibreOffice

LibreOffice を終了するには、通常の Windows デスクトップアプリケーションに対する終了手段がそのまま使用可能だ。

  • Menu バー から File‣Exit を選択

  • キーバインド Ctrl + Q を押す

  • 開いている文書が一つしかない場合にはアプリケーションウィンドウ右上のバツジルシをクリック

Main LibreOffice window

LibreOffice アプリケーションすべてに共通して、メインウィンドウの上部に Title バー、Menu バー、Standard ツールバー があり、ウィンドウの下部に Status バー がある。

特殊な UI も搭載されている。それについては Chapter 13, Customizing LibreOffice ノート 参照。

Title bar

Title バーに基本的には現在の文書のファイル名が示される。文書が新規作成されると、文書名は Untitled X のようなものになる。ここで X は数字。新規文書には作成順に番号が付けられる。

Toolbars

LibreOffice のツールバーはそれが見えている場合、docked か floating のどちらかの状態をとる。

既定では、Standard ツールバー はどのアプリケーションでもウィンドウ上部に docked であり、二番目のツールバーが何であるかはアプリケーションによって異なる。

特に重要なのは、二番目のツールバーは状況依存型であることだ。通常は何が選択されているかによってツールセットが変化する。そのため、例えば Writer で描画物が選択されている場合、描画物の書式設定ツールセットである Drawing Object Properties ツールバー が Formatting ツールバー に取って代わる。描画物の選択を解除すると Drawing Object Properties ツールバー が閉じ、Formatting ツールバー が再び開く。

Note

ツールバーが多いのが嫌な場合、別の UI を検討するといい。Chapter 13, Customizing LibreOffice ノート 参照。

Displaying or closing toolbars

ツールバーを表示するには View‣Toolbars‣ 以下を調べろ。チェック印の有無で表示状態がわかる。

Locking and unlocking toolbars

ツールバー全部を完全固定する手段が用意されている。Menu バー から View‣Toolbars‣Lock Toolbars を選択するのだ。ただし LibreOffice を再起動する必要がある。このコマンドメニュー項目にチェック印が付いていれば、ツールバーロックが機能していることを示す。

この状態を解除するには、同じ手順でチェック印を外す。再起動がやはり必要。

ツールバー全部ではなく、単一のツールバーに対して位置を固定したい場合には、ツールバーの空き地を右クリックして Lock Toolbar Position を選択する。項目にチェック印が付く。解除する場合も同じ項目を選択してチェックを外す。

Moving, docking and floating toolbars

ツールバーが docked かつ固定されていない場合、ツールバーの左端に︙のようなツールバーハンドルがある。このハンドルはツールバーの位置を制御するためのものだ。

このハンドルをマウスで適当にドラッグすればツールバーの位置がそれらしく移動する。

ツールバーが floating である場合、その移動方法は簡単だ:

  • ツールバーのタイトルバーをドラッグする

  • ▼をクリックしてドロップダウンメニューから適当なコマンドを実行する

Context sensitive toolbars

LibreOffice のツールバーの中には、物が選択されたとき、またはキャレットがテキスト内に置かれたときにしか開かない、状況依存型のものがある。例:

  • 表組にキャレットが置かれると Table ツールバーが開く

  • 順序付き一覧または順序なし一覧にキャレットが置かれると Bullets and Numbering ツールバーが開く

  • 画像が選択されると Image ツールバー が開く

Customizing toolbars

ツールバーを floating にするとタイトルバーに ▼ がある。このドロップダウンメニューにある Visible Buttons‣ 以下の項目チェックをオンオフすることでコマンドセットをカスタマイズすることが可能だ。

  • 項目 Customize Toolbar… を選択すると Customize ダイアログボックス が開く。ここでさらにツールを追加する。詳しくは Chapter 13, Customizing LibreOffice ノート 参照。

  • 選択した floating ツールバーを既定位置に dock するには項目 Dock Toolbar を選択する。タイトルバーダブルクリックのほうが早い。

  • すべての floating ツールバーを既定位置に dock するには項目 Dock All Toolbars を選択する。

  • 等々

Context menus

段落や画像などの対象物を右クリックすることでポップアップメニューが開く。利用できる機能や選択肢は対象物が何であるかにより異なる。これが便利であるのは、特にメニューやツールバー内の所望のコマンド位置が不明な場合だ。

Status bar

Status バー は文書に関する情報を提示するほか、いくつかの機能をすばやく変更する便利な方法も含まれている。アプリケーション固有項目がある。

万が一 Status バー が見えないという場合は Menu バー View‣Status Bar のチェック状態を確認しろ。

本書では Impress における Status バー の構成を例に挙げて、文書の関連情報がどう示されているのかを述べている。割愛。

Working with documents

New documents

LibreOffice アプリケーションは新規文書を作成する方法が複数ある。

  • Start Center を開いてアプリケーション名をクリックする

  • Start Center にある Templates をクリックする

  • Menu バー File‣New‣ から文書形式を選択する

  • Standard ツールバー にある New ボタン脇の ▼ をクリックして以下同様

  • キーバインド Ctrl + N を押す

  • Menu バー File‣Wizards‣ サブメニューから以下同様

Opening existing documents

既存の LibreOffice 文書を適切なアプリケーションで開く方法も複数ある:

  • Start Center で Open File をクリック

  • Menu バー から File‣Open… を選択

  • Standard ツールバー から Open を押す

  • キーバインド Ctrl + O を押す

以上の方法ではファイルダイアログボックスが開く。そこで開くファイルを指定する。

  • Start Center で Recent Documents をクリック

  • Menu バー から File‣Recent Documents‣ サブメニューを出す

以上の方法ではファイル一覧が示される。そこで開くファイルを指定する。

Note

直近ファイル一覧は LibreOffice が独自に覚えているファイルなので、ファイルシステムにはすでに存在しない場合がある。その場合にはサムネイル上の操作により一覧から排除するといい。なお、右上のハンバーガーメニューに一括排除コマンドがある。

Saving documents

LibreOffice は文書を保存する方式が複数ある。

Save

現在のファイルパスを保持したまま、すべての変更を保存する。

  • Menu バー File‣Save… を実行

  • キーバインド Ctrl + S を押す

  • Standard ツールバー Save 図像を押す

Save As

文書を新規作成したり、ファイルパスやファイル形式を変更したり、計算機システム上の別の場所にファイルを保存したりする。

  • Menu バー File‣Save As… を実行

  • キーバインド Ctrl + Shift + S を押す

  • Standard ツールバー Save 図像脇 ▼ をクリックしてドロップダウンメニューから Save As… を実行

Save a Copy

現在の文書のコピーを、計算機システムの別の場所に保存する。現在の文書は編集するために開いたままだ。

  • Menu バー File‣Save a copy を実行

  • Standard ツールバー Save 図像脇 ▼ をクリックしてドロップダウンメニューから Save a copy を実行

Save All

LibreOffice で開いているすべてのファイルを保存する。Menu バー File‣Save All を実行する。

Saving documents automatically

LibreOffice でファイルを自動的に保存する必要がある場合は、AutoRecovery 機能を使用する。ファイルが自動的に保存されると、LibreOffice は最後に保存された状態のファイルを上書きする。ファイルの自動保存には次の設定が要る:

  1. Options ダイアログボックス を開く

  2. Load/Save‣General ページ を開く

  3. Save 区画にある関連項目を指定する

  4. OK ボタン を押してダイアログボックスを閉じる

利用者ノート

この機能はオフにしておく。

Using the Navigator

Navigator は文書にある要素を木構造で表現するビューだと考えられる。これは専用ダイアログボックスまたは Sidebar の一甲板として利用可能だ。

  • ダイアログボックス版は F5 キーを押して表示切替

  • Sidebar 版はいったん全体を Ctrl + F5 キーを押すなどして表示状態にしてから対応図像をクリックするか、キーバインド Alt + 4 を押す

Navigator の利便性を損なわぬように、物を簡単に見つけることができるように、物には識別しやすい名前を付けろ。対象物を右クリックし、コンテキストメニューから Rename… を実行すればいい。

Displaying multiple view of a document

LibreOffice は同じ文書に対してビューを複数開くことが可能だ。使わないので省略。

Undoing and redoing changes

Undoing

いちばん普通の発動手順はキーバインド Ctrl + Z だ。

Web ブラウザーの閲覧履歴のように、特定の状態に戻す方法もある。Standard ツールバー の Undo 図像脇 ▼ ドロップダウンメニューから特定の時点を選択する。

Redoing

いちばん普通の発動手順はキーバインド Ctrl + Y だ。これも Undo コマンド同様に特定の時点まで文書の状態を復元できる。

Repeating undo and redo commands

文書に対して最後に行った Undo または Redo 可能なコマンドを反復して実行する方法がある:

  • キーバインド Ctrl + Shift + Y

  • Menu バー Edit‣Repeat

利用者ノート

これは意外に便利な可能性がある。

Reloading documents

Menu バー File‣Reload は GIMP でいうところの File‣Revert に相当する。まず使わない。

Closing documents

Menu バー File‣Close コマンドを実行すると、開いている文書が閉じられる。その際、文書が一つしかなかった場合には LibreOffice Start Center が開く。

利用者ノート

アプリケーション本体を終了するコマンドと文書を閉じるコマンドは、関係はあるが別物であると考えたい。

Printing

Default printer

Standard ツールバー Print Directly 図像にマウスをホバーさせると、ツールチップテキストで既定印刷機を確認可能。

Quick printing

上述のコマンドで開いている文書全体を既定印刷機を使って印刷する「クイック印刷」が可能だ。これは Standard ツールバー にあるこの図像からでしか実行できないようなので、これだけはツールバーから隠さないようにしておくのがいい。

Printer setup

Note

Printer Setup ダイアログボックス に Options のある LibreOffice アプリケーションは Writer か Calc しかない。

LibreOffice に対して印刷機を設定する手順は次のようなものだ。印刷機を実際に備えないといけない。Microsoft Print to PDF でもいいが。

  1. 印刷機と計算機を接続する。

  2. Menu バー File‣Printer Settings…Printer Setup ダイアログボックス を開く。

  3. Options ボタンを押して Printer Options ダイアログボックス を開く。

  4. 必要な選択肢を選択し、OK ボタン を押して Printer Options ダイアログボックス を閉じる。

  5. 必要に応じて Printer Setup ダイアログボックス Properties… を押して OS 搭載の既定印刷機プロパティーシートを開く。

  6. 必要な性質を選択し、OK ボタン を押してプロパティーシートを閉じる。

  7. OK ボタン を押して Printer Setup ダイアログボックス を閉じる。

LibreOffice printing options

General printing options

計算機に印刷機をインストールした後ならば、LibreOffice の一般的な印刷オプションをカスタマイズ可能だ。Options ダイアログボックス LibreOffice‣Print ページ を開く。LibreOffice の一般的な印刷オプションのうち、私が触りそうなものを挙げておく。

  • Convert colors to grayscale チェックボックス

  • Warnings 区画のチェックボックス全部

    • Paper size

    • Paper orientation

    • Transparency

Note

LibreOffice から印刷機への送信データ量を削減すると印刷ファイルが小さくなり、印刷速度が向上する。ただし、印刷品質とのトレードオフとなる。

LibreOffice modules printing options

LibreOffice アプリケーション別印刷設定の出し方は:

  1. Options ダイアログボックス を開く

  2. アプリケーションの名前 (e.g. LibreOffice Calc) ノードから Print を選択する

次の選択肢がアプリケーションによってあったりなかったりする:

  • 印刷するページ、シート、スライドを(個別に)選択する

  • 複数のページ、シート、スライドを一ページに印刷する

  • パンフレットとして印刷する

  • 封筒として印刷する

  • ラベルや名刺として印刷する

  • 印刷前にプレビューする

Controlling printing

印刷直前に Print ダイアログボックス で印刷をさらに制御することが可能だ。

General printing options — Windows or Linux

Impress の Print ダイアログボックス General タブ の例が述べられている。Writer や Calc でも似た構成になると考えられる。

General printing options — macOS

割愛。

LibreOffice module printing options

割愛。アプリケーション個別の説明書にある印刷の章を参照。

Brochure printing

Writer, Impress, Draw では、文書を正しい順序で印刷し、冊子に仕上げることが可能だ。ページ数のかさむ職務経歴書をまとめるのに使えるか?

Single sided printing

片面印刷しかできない印刷機で小冊子を作成する方法の例。

  1. Print ダイアログボックス を開く。

  2. General タブ では必要に応じて印刷機を選択する。

  3. Properties… ボタンを押して印刷機のプロパティーシートを開き、紙面に対するページ設定で指定したのと同じ向きに印刷機が設定されていることを確認する。冊子印刷の場合はここが急所だ。

  4. OK ボタン を押して Print ダイアログボックス に戻る。

  5. Range and CopiesAll Slides を選択する。冊子を作成するには最低四頁が必要。

  6. Range and Copies で必要な部数に合わせて Number of copies required を指定。

  7. LabelBrochure を選択。

  8. Range and Copies Include ドロップダウンリストで Even slides を選択。

  9. OK ボタン を押して文書の偶数頁を印刷する。

  10. 印刷したページを印刷機から取り出し、正しい向きで印刷機給紙場所に戻して、用紙の反対側に印刷する用意をする(正しい配置を見つけるのに試行錯誤が必要な場合がある)。

  11. Range and Copies Include ドロップダウンリストで Odd slides を選択。

  12. Range and CopiesNumber of copies required を偶数頁のときと同じ値に指定。

  13. OK ボタン を押して文書の奇数頁を印刷する。ダイアログボックスを閉じてよい。

  14. 冊子を綴じる。

Double sided or duplex printing

両面印刷が可能な印刷機で冊子を印刷すれば製本がさらに容易になる。片面手順のときとの違いは:

  • Range and CopiesPrint on both sides (duplex long edge) または Print on both sides (duplex short edge) を選択。通常、縦印刷には長辺綴じ、横印刷には短辺綴じを使用する。

  • Range and CopiesCollate をオンにする。この選択肢は同じ文書を複数部印刷する場合に限り有効だ。

Using Safe Mode

Safe Mode とは LibreOffice が動作しなくなったり、起動すらできなくなったり、ファイルが破損したりした場合に、LibreOffice を復元するために使用する起動モードだ。

  • 初期ユーザープロファイルで

  • ハードウェア加速を無効にして

起動するという特徴がある。

セーフモードダイアログを開くには Menu バー Help‣Restart in Safe Mode… を選択する。

Note

Safe Mode の選択肢は上から下に向かってより極端になっていく。上から下に向かって使用することが勧められる。

利用者ノート

LibreOffice をこのモードで再起動すると UI が日本語固定になる。

バックアップから復元 (B)

LibreOffice は以前の設定と有効拡張機能のバックアップを保持しているため、バックアップから復元を実行すると、使用者設定、インストールした拡張機能を以前の既知の動作状態に戻すことができる。

設定 (F)

使用者拡張機能のすべて、ハードウェア加速機能を無効にする。後者機能に関連しがちな、起動時のクラッシュや視覚的な不具合がある場合に役立つ。

拡張機能 (J)

これをオンにすると、使用者拡張機能をすべてアンインストールし、共有または抱き合わせ拡張機能の状態をリセットする。後者の場合、この選択肢は使用者が適切なシステムアクセス権限を持っている場合に限り機能する。

初期設定にリセットする (N)

上記のすべてが失敗した場合、この機能は設定と UI の変更(またはユーザープロファイル全体)を工場出荷時のものに戻す。

設定とユーザーインターフェイスの変更をリセットする (O)

UI や設定の変更をすべてリセットするが、個人辞書やテンプレートなどは維持する。

すべてのユーザープロファイルをリセットする (P)

カスタマイズをすべて消去し、ユーザープロファイルを工場出荷時のものに戻す。

セーフモードを続ける (C)

Safe Mode で作業を続ける必要がある場合は、起動時に作成された一時的なプロファイルを使用して LibreOffice で作業可能だ。以前に設定した拡張機能や設定オプションは使用前に再設定する必要がある。一時的なユーザープロファイルに加えた変更は再起動後に失われる。

通常モードで再起動 (R)

Safe Mode を試しに起動した場合、これを押すと変更内容を破棄し、Safe Mode を終了し、LibreOffice を正常に再起動させる。

変更を反映して再起動 (A)

LibreOffice を上記の変更を適用して再起動させる。

Note

Safe Mode でも問題が解決しない場合には 詳細 (Q) 区画の指示に従って情報を提出するしかない。しかし、これは普通やりたくない。

利用者ノート

Safe Mode は「変更を反映して再起動」しない場合は安全だと考えられる。