Writer Guide Chapter 10, Working with Templates ノート

Introduction

雛形とは他の文書を作成する際に使用するモデル文書のことだ。例えば、最初のページに会社のロゴが入った業務報告書用の雛形を作成することが可能だ。この雛形から作成された新規文書はすべて、最初のページに会社のロゴが入る。

雛形にはテキスト、画像、スタイルの集合、測定単位、言語、既定の印刷機、ツールバーや Menu バー のカスタマイズなどの使用者固有の構成情報など、通常の文書が含むことができるあらゆるものを含めることが可能だ。

LibreOffice の文書はすべて雛形に基づいている。雛形はいくつでも作成したり、ダウンロードしてインストールすることができ、文書の種類(テキスト、スプレッドシート、図面、説明会)ごとに既定の雛形を設定できる。新しい Writer 文書を開始するときに雛形を選択しなかった場合、それでもその文書はテキスト文書用の既定雛形に基づいて作成される。既定の雛形を指定しなかった場合、Writer は LibreOffice にインストールされているテキスト文書用の組み込みの空白雛形を使用する。Setting a default template を見ろ。

Writer は通常の文書だけでなく、宗主文書の雛形もサポートしている。宗主文書については Chapter 16, Master Documents を見ろ。

この章では LibreOffice の雛形管理機能について説明する。雛形は他の方法でも管理および使用できるが、その効果は少し異なる。詳しくは Other ways to manage templates を見ろ。

Creating a document from a template

LibreOffice の新規インストールには雛形があまり含まれていないことがあるが、

できる。

雛形から文書を作成する手順:

  1. 次のいずれかの方法で Templates ダイアログボックス を開く:

    • Menu バー の File‣New‣Templates… または File‣Templates‣Manage Templates… を選択

    • キーバインド Ctrl + Shift + N

    • Standard ツールバー New 図像の横にある矢印をクリックし、 Templates… を選択

    • Start Center [1]File‣ Templates‣Manage Templates… を選択

  2. Templates ダイアログボックス の上部にある Filter 一覧で、使用したい雛形の種類と区分を選択できる。関連する雛形がダイアログボックスに一覧される。区分一覧の右側にある図像をクリックすると、サムネイル表示と一覧表示を切り替えることができる。

  3. 必要な雛形を見つけてダブルクリックするか、雛形を選択して Open を選択する。選択した雛形に基づく新しい文書が Writer で開く。その後、新しい文書を編集して保存できる。

文書の基となる雛形は File‣Properties… で開くダイアログボックスの General タブ に記載されている。

Tip

Start Center で Templates ボタンを押すか、ドロップダウンメニューを開いて雛形の種類を選択すると、Templates ダイアログボックス を開かずに利用可能な雛形が表示される。必要な雛形をクリックして、新しい文書を作成する。

Note

雛形が変更され、雛形に合わせて文書を更新しない限り、雛形と文書の接続は維持される。

その雛形のコピーがインストールされていない別の計算機に文書をコピーまたは移動した場合、文書の性質にその雛形が表示され続けていても、接続は切断される。雛形を文書に再接続する方法については Changing the template assigned to a document を見ろ。

Creating a template

雛形を作成するには、文書を雛形として保存する方法と、ウィザードを使用する方法がある。

Creating a template from a document

書式設定だけでなく、文書に追加したり変更したりできるあらゆる設定を雛形内に保存できる。例えば、印刷機の設定、パスや色など Options ダイアログボックス から設定する一般的な動作、 Chapter 20, Customizing Writer で説明する Menu バー やツールバーのカスタマイズなどだ。

雛形にはテキストを含めることもできるので、文書を新規作成するたびにテキストを入力する手間が省ける。例えば、手紙の雛形には、著者の名前、住所、挨拶を入れることができる。

文書から雛形を作成する手順:

  1. 新規または既存の Writer 文書を開く。

  2. 新規雛形から作成する文書に表示させたい内容、たとえば会社のロゴや著作権声明などを追加する。

  3. 新規雛形で使用したいスタイルを作成または変更する。

  4. Menu バー で File‣Templates‣Save as Template… を選択する。名前を付けて保存 ダイアログボックス が開き、既存の雛形区分と新規雛形に対する名前入力欄が表示される。

  5. My TemplatesBusiness Correspondence など、区分を選択する。この時、この雛形を既定雛形として設定することもできる。

  6. Save を押す。

Creating a template using a wizard

ウィザードを使用して、手紙、ファックス、議事録の雛形を作成できる。ウィザードを使用して雛形を作成する手順:

  1. Menu バー File‣Wizards‣ から必要なテンプレートを選択する。

  2. ウィザードのページの指示に従え。この過程は雛形の型によって若干異なるが、形式は似ている。

  3. ウィザードの最後の部分では、Templates ダイアログボックス に表示される雛形名と、雛形を保存するファイル名と保存場所を指定する。既定の保存場所は使用者雛形フォルダーだが、別の場所を選択することもできる。

  4. ファイル名を設定したり、フォルダを変更するには Path ボタン(場所の右にある三つの点)を押す。名前を付けて保存 ダイアログボックス で選択し、保存 (S) ボタン を押してウィザードに戻る。

  5. 最後に、雛形から新しい文書をすぐに作成するか、雛形を手動で変更するかを選択する。Finish を押して雛形を保存する。

Adding templates obtained from other sources

雛形のソースを保管庫と呼ぶ。保管庫は二つに分類される:

ローカル

雛形をダウンロードした計算機内のディレクトリー

リモート

雛形をダウンロードできる URL

LibreOffice 公式雛形保管庫を開くには、

Extensions Web ページ 左側の列の Add tag filtersTemplatesWriter を選択する。Web ページが更新される。

または、What are you looking for? 欄にキーワードを入力し、 Search をクリックする。検索結果から必要な雛形を見つけ、その名前をクリックすると詳細ページが表示される。下記の Installing templates に進め。

または、Templates ダイアログボックス の右上にあるドロップダウンメニューから Manage‣Extensions を選択すると、Extensions: Templates ダイアログボックスが開く。ここでは拡張機能の一覧をスクロールしたり、ダイアログボックス上部のボックスに検索語を入力して一覧を絞り込むことができる。

他の Web サイトでは .OXT ファイルにパッケージ化された雛形集を見つけることがある。

Installing templates

Templates ダイアログボックス または Extensions ダイアログボックス のいずれかを使用して雛形をインストールできる。

Templates ダイアログボックス を使用して雛形をインストールする手順:

  1. 雛形またはパッケージをダウンロードし、計算機の任意の場所に保存する。

  2. Templates ダイアログボックス で、右上のドロップダウンメニューから Manage‣Import を選択。

  3. Select Category ダイアログボックスで、雛形をインポートする区分を選択し、OK ボタン を押す。

  4. インポートしたい雛形を探して選択し、開く (O) ボタン を押す。ファイルダイアログボックスが閉じ、雛形がインポートされ、選択した区分に表示される。

Extensions ダイアログボックス を使って雛形をインストールする手順:

  1. 雛形またはパッケージをダウンロードし、コンピュータの任意の場所に保存する。

  2. LibreOffice で Menu バー から Tools‣Extensions… を選択する。Extensions ダイアログボックス で Add を押してファイルダイアログボックスを開く。

  3. インストールしたい雛形または雛形パッケージを検索して選択し、開く (O) ボタン を押す。パッケージのインストールが始まる。

  4. パッケージのインストールが完了したら LibreOffice を再起動する。雛形は Templates ダイアログボックス から使用でき、拡張機能は Extensions ダイアログボックス に表示される。

Extensions ダイアログボックス の情報は Chapter 20, Customizing Writer を見ろ。

Tip

新しい雛形を雛形フォルダーに手動でコピーすることができる。場所は OS によって異なる。雛形フォルダーが計算機のどこに保存されているかについては、 Options ダイアログボックス LibreOffice‣Paths ページ Load/Save‣General ページ を当たれ。他の場所に新しい雛形フォルダーを追加することも可能。詳細については Getting Started Guide を読め。

Editing a template

LibreOffice 組み込みの雛形を編集することは不可能だ。可能である雛形は自分で作成またはインポートしたものに限る。

雛形のスタイルと内容を編集し、その雛形から作成された文書に雛形のスタイルを必要に応じて再適用することが可能だ。内容を再適用することは不可能だ。

雛形を編集する手順:

  1. Templates ダイアログボックス を開いて編集したい雛形を探す

  2. 雛形を右クリックして Edit… を選択

  3. 他の文書と同じように雛形を編集(変更を保存するには上書き保存コマンド)

Updating a document from a changed template

雛形とそのスタイルに変更を加えた場合、変更前の雛形から作成された文書を次に開くと確認メッセージが表示される。

文書を更新するには:

  1. Update Styles を選択して、雛形の変更後スタイルを文書に適用する

  2. 雛形で変更したスタイルを文書に適用したくない場合は Keep Old Styles を選択する(ただし下記を見ろ)

Caution

Keep Old Styles を選択すると Properties ダイアログボックス General タブ に雛形が表示されていても、文書は雛形に接続されなくなる。文書を雛形に再接続するには次節で説明する手順を使用する。

Changing the template assigned to a document

文書を別の雛形と関連付けたい場合もあるだろうし、雛形から起稿されない文書や、雛形から切り離された文書を扱っている場合もあるだろう。

文書に割り当てられている雛形を変更したり、文書を雛形に再接続したりするには、手動で行う方法と LibreOffice の雛形変更拡張機能を使用する方法の二つがある。

  • 雛形を手動で変更または割り当て直すには、Manually changing the template で説明するように、まず必要な雛形から空白の文書を新規作成する。次に、古い文書の内容を新しい文書にコピーする。

  • Template Changer 拡張機能を使用するには、まずダウンロードしてインストールし、 LibreOffice を再起動して有効にする必要がある。その後、文書を開き、Menu バー の File‣Templates‣Change template (current document)… を使用できる。

Note

雛形の変更や更新は、スタイルで使用される書式設定にのみ影響する。中身には影響しない。また、ロゴ、著作権表示、著作権ページのレイアウトなど、中身を手動で更新する必要が生じる場合もある。

Manually changing the template

最良の結果を得るためには、スタイルの名前は既存q文書と新しい雛形で同じであるべきだ。そうでない場合は、古いスタイルを新しいものに置き換える必要があるかもしれない。スタイルの置き換えについては Chapter 2, Working with Text: Basics を見ろ。

文書を別の雛形に手動で関連付けるには:

  1. Templates ダイアログボックス を開いて編集したい雛形を探す。

  2. この新しい文書から不要なテキストや画像を削除する。上書き保存コマンドを使用して新しい文書を保存するが、開いたままにしておく。

  3. 変更したい文書を開く(新しいウィンドウで開く)

  4. Edit‣Select All を使うか Ctrl + A を押して、古い文書のすべてを選択する。

  5. Edit‣Copy を使うか Ctrl + A を押して古い文書の内容をクリップボードにコピーする。

  6. 先ほどの新規文書をクリックする。Edit‣Paste を使うか Ctrl + V を押して、古い文書の内容を新規文書に貼り付ける。

  7. 目次があれば更新する。

  8. File‣Save を使用して文書を保存する。

  9. 古いファイルを保存せずに閉じる。

Caution

古い文書に記録(追跡)された変更はこの処理中に失われる。結果の文書には変更されたテキストのみが含まれる。

Setting a default template

Menu バー の File‣New‣Text Document を選択するか、Start Center の Writer Document ボタンを押して文書を作成すると、Writer はテキスト文書用の既定雛形から文書を作成する。ただし、カスタム雛形を既定に設定することもできる。既定は後でリセットすることもできる。

Setting a template as the default

ページサイズや余白、フォントの選択、行間など、多くの既定設定はスタイルを使用して変更できるが、これらの変更は作業中の文書にのみ適用される。変更をその文書型の既定設定にするには、LibreOffice に組み込みの既定雛形を自作の雛形に置き換える必要がある。

Templates ダイアログボックス のどの雛形もその文書型の既定に設定できる:

  1. Templates ダイアログボックス を開く

  2. 既定に設定したい雛形を含む区分を開き、雛形を選択する

  3. 選択した雛形を右クリックし Set as Default を選択

既定印の図像がその雛形に移る。

次回 File‣New‣ でその型の文書を作成すると、この雛形から文書が作成される。

Resetting Writer’s default template as the default

Writer の既定雛形原本を既定として有効にするには:

  1. Templates ダイアログボックス を開く

  2. 右上のドロップダウンメニューから Manage‣Reset Default Text Document を選択

また、以下のように既定の雛形をリセットすることもできる:

  1. Templates ダイアログボックス を開き、既定に設定した雛形を含む区分を開く

  2. この雛形を右クリックし、Reset Default を選択

次回 File‣New‣ または同等の操作で文書を作成する場合、文書はその型の既定雛形原本から作成される。

Organizing templates

LibreOffice が管理できる雛形は、その雛形区分に分類されているものだけだ。ただし、これらのフォルダーのいずれにも分類されていない雛形から文書を作成することはできる (Creating a document from a template)。新しい雛形区分を作成し、それを使って雛形を整理することができる。たとえば、報告書雛形の区分と、手紙雛形の区分を作成できる。雛形をインポートおよびエクスポートすることもできる。

始めるには Templates ダイアログボックス を開く。

Creating a template category

雛形区分を作成するには:

  1. ダイアログボックスの右上にある Manage‣New Category を選択

  2. ポップアップダイアログボックスで、新しい区分の名前を入力し、OK ボタン を押す

新しい区分が区分一覧に表示される。

Deleting a template category

LibreOffice 組み込みの雛形区分は削除不能だ。また、Extensions ダイアログボックス を使用して追加した区分は、それをインストールした拡張を削除しない限り削除不能。

ただし、自作区分は削除可能だ:

  1. ダイアログボックス上部の Filter ドロップダウンリストで区分を選択

  2. Manage‣Delete Category を選択

  3. 確認メッセージボックスが表示されたら Yes ボタン を押す

Renaming a template category

LibreOffice 組み込みの雛形区分の名前は変更できない。名前を変更できるのは自作区分に限る。

  1. ダイアログボックス上部の Filter ドロップダウンリストで区分を選択

  2. Manage‣Rename Category を選択

  3. ポップアップダイアログボックスで名前を入力し OK ボタン を押す

Moving a template

雛形区分を変更するということだが、それには:

  1. ダイアログボックスで対象の雛形を選択

  2. 右クリックして Move を選択

  3. Select Category ダイアログボックスで移動先区分を選択(移動先の区分を新しく作成することも可能)

  4. OK ボタン を押す

選択した雛形が選択した区分に移動する。

Renaming a template

LibreOffice 組み込みの雛形の名前は変更できない。名前を変更できるのは自作したかインポートした雛形に限る。

  1. ダイアログボックスから対象の雛形を選択

  2. 右クリックして Rename を選択

  3. ポップアップダイアログボックスで名前を入力し OK ボタン を押す

  4. OK ボタン をクリックする。

この動作は雛形の文書性質の Description タブ にある Title を変更する。雛形のファイル名は変化しない。

Deleting a template

LibreOffice に組み込みの雛形は削除不能だ。また、Extensions ダイアログボックス を使用してインストールされた雛形も、それをインストールした拡張を削除する以外には削除不能だ。ただし、自作またはインポートした雛形は削除可能だ。

  1. (オプション)ダイアログボックスの上部にある Filter ドロップダウンリストで、削除対象雛形を含む区分を選択

  2. 削除対象雛形を選択

  3. 右クリックして Delete を選択

  4. 確認メッセージボックスが表示されたら Yes ボタン を押す

Tip

Delete を押すことでも選択した雛形を削除可能。

Exporting a template

雛形を計算機内またはネットワーク上の別の場所にエクスポートする手順:

  1. エクスポートしたい雛形を選択

  2. 雛形を右クリックし Export を選択

  3. 雛形をエクスポートしたい場所を探し、フォルダーの選択 を押す

  4. 表示された情報ダイアログボックスで OK ボタン を押す

Note

この操作によって雛形のコピーが指定した場所に置かれる。

Other ways to manage templates

Templates ダイアログボックス を使わなくても、計算機のどこにある雛形でも作成、使用することが可能だ。ただし、本章で説明するものとは異なる結果となるものもある。

Creating a document from a template

Windows Explorer で雛形をダブルクリックすると、それから文書を作成できる。作成された文書は、作成元の雛形とは関連付けられない:その雛形は文書の性質に列挙されず、雛形への変更は文書に直接適用できない。手紙を書くなど、多くの目的には、この挙動が都合が良いことがある。

Creating a template from a document

文書から雛形を作成するには、

  1. File‣Save As… を選択

  2. ファイルの種類 (T) として ODF Text Document (.odt) を選択

作成された雛形はインポートするか Options ダイアログボックス LibreOffice‣Paths ページ で雛形用に表示されている場所にプロジェクトフォルダーを追加しない限り Templates ダイアログボックス には表示されない。


章末注