佐藤恒雄、野澤宗平著『初歩から学べる線形代数』より。


第 8 章末尾の例題二題の理解に 4 時間費やす。しかもよくわからず。

  • 次の行列の Jordan 標準形と変換行列を求めるという例題。前者はどうにでもなるが、後者がたいへんだ。

    \[\begin{pmatrix} 2 & -2 & 2 & 1 \\ 0 & -2 & 4 & 2 \\ 2 & -5 & 6 & 2 \\ -2 & 1 & 0 & 2 \end{pmatrix}\]
    • 固有多項式が $(x - 2)^4$ で、広義固有空間の次元と固有空間の次元の差が 2 であるから、標準形は $J = J_1(2) \oplus J_3(2)$ または $J = J_2(2) \oplus J_2(2)$ のどちらかである。
    • 固有空間の基底を求めて $\bm{a}_1, \bm{a}_2$ とする。 ここで方程式 $(A - 2I)\bm{x} = \bm{a}_i$ の解の存在性を調べる。 一方は解が存在し、他方は存在しない。このことから $J = J_1(2) \oplus J_3(2)$ しか考えられないと結論する。 以下、$\bm{a_1}$ のほうが解ありのベクトルであるとして記す。
    • 変換行列 $P$ をこれから求める。前ページの II のケースであり、$k_1 = 1, k_2 = 3, t = 2, n = 4$ である。 変換行列を $P = (\bm{p}_1^1, \bm{p}_1^2, \bm{p}_2^2, \bm{p}_3^2)$ とおき、次の方程式を順次考える(教科書と記号を変える):

      \[\begin{cases} (A - 2I)\bm{p}_1^1 = \bm{o}\\ (A - 2I)\bm{p}_1^2 = \bm{p}_1^1\\ (A - 2I)\bm{p}_2^2 = \bm{p}_1^2\\ (A - 2I)\bm{p}_3^2 = \bm{p}_1^3 \end{cases}\]
    • $J_1(2)$ 側方程式では $\bm{p}_1^1 = \bm{a}_2$ を採用すること。
    • $J_3(2)$ 側方程式では、特に $(A - 2I)\bm{x} = \bm{p}_2^2$ が解 $\bm{p}_3^2$ を持つこと。
    • 最後の $\bm{p}_3^3$ はわりと自由に決めて良い?