Writer Guide Chapter 7, Printing and Publishing ノート¶
Introduction¶
LibreOffice Writer 文書の印刷、公開、配布に関する機能について説明する:
文書、封筒、付箋を含む印刷
PDF, EPUB, その他のファイル形式へのエクスポート
文書のメール送信
文書の電子署名
文書配布前の個人情報の削除
改訂
公開前文書の accessibility 検査
Quick printing¶
Standard ツールバー に Print Directly 図像が表示されている場合、それをクリックすると、現在の既定の印刷設定を使用して文書全体を印刷できる。図像が表示されていない場合は、ツールバーを右クリックし、 を指して Print Directly を選択することで表示させる。
Specifying the default printer¶
既定印刷機を指定するには Menu バー から Printer Setup ダイアログボックスが開く。その他の印刷オプションにアクセスするには Options… ボタンを押す。
を選択する。同じ既定オプションは Options ダイアログボックス ページ で使用でき、より一般的な印刷オプションは ページ で使用できる。詳細については Chapter 20, Customizing Writer を見ろ。
Controlling printing using the Print dialog¶
印刷をより詳細に制御するには Print ダイアログボックス を用いる。開き方は:
Menu バー
を選択キーバインド Ctrl + P
Standard ツールバー の Print 図像クリック
Print dialog on Windows and Linux¶
Print ダイアログボックス には二つのタブがあり、以下の節で述べられるさまざまな選択肢を取れる。
Selecting general printing options¶
Print ダイアログボックス の General タブ にある選択肢:
利用可能な印刷機の一覧から印刷機を選択する
印刷するページ、印刷部数、複数部数を照合するかどうか
用紙寸法と印刷の向き
一枚の用紙に何ページ印刷するか、各ページの周囲に枠線を引くかどうか
仮綴本を印刷するかどうか
ページ順を逆にして印刷するかどうか(一部の印刷機ではページ順に出力するのに便利)
Selecting printer and print job options¶
General タブ の Printer 区画で Properties ボタンを押すと、選択した印刷機のプロパティダイアログボックスが表示される。そこでは縦向きまたは横向き、使用する用紙トレイ、印刷する用紙寸法を選択可能だ。
General タブ の Range and Copies 区画の下にある Collation and Paper Sides をクリックして、整列したページすべてを含む一つの印刷ジョブではなく、出力用に別々の印刷ジョブを作成するかどうかを選択する。
読者ノート
英語 to collate に「本などのページを集めて正しい順序で並べる」という意味がある。
Selecting what to print¶
文書全体印刷に加えて、ページ単品、ページ範囲、選択部分を印刷することも可能だ。
ページ単品または範囲:
Print ダイアログボックス の Range and Copies 区画で Pages をオンにする
印刷したいページのページ番号を入力する。左側のプレビュー欄が選択したページを描く。
単品の場合はページ番号だけを記入
範囲の場合はたとえば
1-4
,1,3,7,11
, etc. またはその組み合わせを記入
テキストまたは画像の選択:
文書で印刷する素材を選択してから Print ダイアログボックス を開く
Print ダイアログボックス の Range and Copies 区画の Selection が活動開始。これをオンにする。プレビュー欄に選択素材が描かれる。
Choices on the LibreOffice Writer tab¶
LibreOffice Writer タブでは、中身の部分集合(画像や隠秘テキストなど)を印刷するかどうか、テキストを(色が指定されている場合でも)黒で印刷するかどうか、自動的に挿入される空白ページを印刷するかどうか、文書内のコメントを印刷するかどうか、どこに印刷するかを選択可能だ。
選択項目によっては常時使用できないものもある。たとえば、文書にコメントが含まれていない場合、Comments ドロップダウンリストは無効になる。
Printing multiple pages on a single sheet of paper¶
複数ページの文書を一枚の用紙に印刷できる。これを行うには、
Print ダイアログボックス を開く
General タブ をクリック
Page Layout 区画で Pages per Sheet を展開
一枚の用紙に印刷するページ数を Pages per Sheet ドロップダウンリストから選択
一枚に二ページ以上を印刷する場合、用紙の縦横の印刷順序を選択できる。Print ダイアログボックス の左側にあるプレビュー盤が変化し、印刷された文書の見てくれが描かれる。
Printing a brochure¶
一枚の用紙の両面に二ページずつ、印刷したページを二つ折りにしたときにページが正しい順序で並んで冊子や仮綴本になるように配置した文書を印刷することが可能だ。
Tip
適切な余白、フォントサイズなどを選び、半分の寸法で印刷したときに見栄えがよくなるように文書を計画しろ。試行錯誤が必要かもしれない。
片面(単面)印刷機で仮綴本を印刷する手順:
Print ダイアログボックス General タブ Page Layout 区画で、いちばん下の Brochure をオン
左側のプレビューがページが印刷される順序を示すように更新する。
言語設定でアジアまたは CTL が選択されている場合、Print ダイアログボックス Brochure の近くにドロップダウンリストが表示される。この一覧には、
Left-to-right script
Right-to-left script
のオプションがある。必要な設定を選択しろ。
Print ダイアログボックス General タブ Range and Copies 区画 Collation and Paper Sides の下にある Even pages を選択
Print ボタン を押す
印刷したページを印刷機から取り出し、正しい向きで印刷機に戻して白紙面に印刷する(印刷機によっては試行錯誤が必要な場合がある)。
今度は Odd pages を選択
Print ボタン を押す
Tip
印刷機が自動的に両面印刷できる場合は Odd and Even pages を選択して、印刷実行を一度にすることが可能。
Printing in black and white on a color printer¶
多色印刷機で文書を白黒で印刷したい場合がある。選択肢がいくつかある。
Note
印刷機によっては選択した設定に関係なく多色刷りになる場合がある。
Print ダイアログボックス で Properties… をクリックして印刷機の設定ダイアログボックスを開く。利用可能な選択肢は印刷機によって異なるが、カラー設定のオプションが見つかるはずだ。
カラーの選択肢には、白黒または無彩色尺がある。無彩色尺を選択する。
OK ボタン を押す。Print ダイアログボックス に戻る。
Print ボタン を押して文書を印刷する。
すべての彩色テキストと画像を無彩色で印刷するには、LibreOffice の設定を変更する:
Options ダイアログボックス を開く
ページ を開く
Convert colors to grayscale をオン
OK ボタン を押す
彩色テキストを黒で印刷し、画像を無彩色で印刷するには:
Options ダイアログボックス を開く
ページ を開く
Print text in black をオン
OK ボタン を押す
Previewing pages before printing¶
Writer の通常ページビューでは、各ページが印刷されるときにどのように見えるかが表示される。このビューでページを編集することも可能だ。両面印刷する文書を設計する場合、見開きページがどのように見えるかを確認するといいだろう。これを行う方法が二つある:
View Layout: 編集可。Status バー の Book View ボタンを使ってズームを調整する。
Print Preview: 読み取り専用ビュー。
Print Preview 実行手順は次のいずれか:
Menu バー の
を選択Standard ツールバー の Toggle Print Preview (Ctrl+Shift+O) 図像 をクリック
キーバインド Ctrl + Shift + O
これで Formatting ツールバー の代わりに Print Preview ツールバー が表示する。
必要なプレビュー図像をクリック
Single Page Preview
Two Pages Preview
Book Preview
Multiple Page Preview
このビューから文書を印刷するには Print 図像をクリックして Print ダイアログボックス を開く。印刷オプションを選択し、Print ボタン を押す。
Printing envelopes¶
封筒の印刷には組み立てと印刷の二段階からなる。
封筒単品または文書と一緒に印刷するように組み立てる手順:
Menu バー から
を選択Envelop ダイアログボックスでは、まず Envelop タブから始める。
Addressee 欄と Sender 欄の情報を確認、追加、編集する。
差出人情報は Options ダイアログボックス ページ から取られる。
宛先と差出人の欄には情報を直接入力するか、右側のドロップダウンリストを使用して、封筒情報を引き出すデータベースを選択する。データベースから封筒を印刷する方法の詳細については Chapter 14, Mail Merge を参照。
Format タブ で、宛先と差出人情報の位置を確認または編集する。右下の領域はプレビュー。
これらのブロックのテキストを書式設定するには、右側の Edit ドロップダウンメニューを押す。二つの選択肢がある
Character… を選択すると、標準の Character ダイアログボックス と同じようなものが開き、テキストの書式を設定することが可能だ。
Paragraph… を選択すると、標準の Paragraph ダイアログボックス に似たものが開き、段落の属性を設定可能だ。
このタブの左下には Size 区画がある。ドロップダウンリストから封筒の形式を選択する。選択した封筒の幅と高さは、選択した形式の下の欄に表示される。既存形式を選択した場合はこれらの寸法を確認するだけだ。ユーザー定義を選択した場合は寸法を編集することが可能になる。
封筒形式指定後、Printer タブ で、使用する印刷機、組み立て(封筒を入れる皿の指定など)、封筒の向きやシフトなどのその他の印刷機オプションを選択する。どのオプションが印刷機にとって最適か、また封筒が印刷機内でどのように配置される必要があるか、試行を要するかもしれない。
書式設定が終わり、印刷の準備が済んだら New Document または Insert ボタン のいずれかを押して終了する。
New Document は、封筒だけを作成するか、封筒を使って新しい文書を開始する。
Insert ボタン は封筒を既存の文書に一ページ目として挿入する。
他のことをする前にこのファイルを保存しろ。
封筒を印刷するには:
Menu バー から
を選択Print ダイアログボックス の Range and Copies で Pages をオンにし、入力欄に 1 を入力する
必要な印刷機(通常の印刷機とは異なる場合がある)を選択
Print ボタン を押す
Printing labels¶
付箋は一般的に住所録(各付箋が異なる住所を示す)を印刷するために使用されるが、返送先住所シールや CD/DVD 用付箋など、一つの付箋を複数部作成するためにも使用できる。
付箋の印刷には、封筒の印刷と同様に、組み立てと印刷という二段階からなる。
Exporting to PDF¶
LibreOffice では、文書を PDF 形式で書き出すことができる。この標準的なファイル形式は Adobe Reader などの PDF 閲覧ソフトを使って、ファイルを人に送信して閲覧させるのに最適だ。
Warning
PDF 文書は既定では内容の捏造や編集から保護されていない。PDF 文書の内容は LibreOffice Draw などの専用ソフトウェアツールで編集され得る。
Tip
Save As… とは異なり、Export… コマンドは選択した書式で現在の文書のコピーを新しいファイルに書き込むが、現在の文書と書式はそのセッションで開いたままになる。
Quick export to PDF¶
Standard ツールバー の Export Directly as PDF 図像
を選択
PDF Options ダイアログボックス で直近に選択した PDF 設定を使用して文書全体が書き出される。ファイル名と保存場所を入力するよう求められるが、ページ範囲や画像圧縮、その他のオプションを選択する機会はない。
Controlling PDF content and quality¶
作成される PDF の内容と品質をより精緻に制御するには PDF Options ダイアログボックス が開く。このダイアログボックスには六つのタブ
を使用する。General
Initial View
User Interface
Links
Security
Digital Signatures
がある。適切な設定を選択し、Export を押す。次に、作成する PDF の場所とファイル名を入力するよう求められ、保存 (S) ボタン を押してファイルをエクスポートする。
Note
Export ダイアログボックスで PDF 形式、ファイル名、保存場所を選択し、保存 (S) ボタン を押す。その後、PDF Options ダイアログボックス が開く。適切な設定を選択し:guilabel:E&xport をクリックする。二つのエクスポート方法の唯一の違いは、手順を実行する順序だ。
でも PDF にエクスポート可能だ。General tab of PDF Options dialog¶
General タブ では PDF に含めるページ、画像に使用する圧縮の種類、その他のオプションを選択できる。
- Range 区画
- All
文書全体を PDF エクスポートする。
- Pages
ページの範囲をエクスポートするには、例えば
3-6
のように指定する。単一ページをエクスポートするには7;9;11
というような記法を用いる。また、3-6;8;10;12
のような記法でページ範囲と単一ページを組み合わせてエクスポートすることもできる。- Selection
選択されている素材すべてをエクスポートする。
- View PDF after export
既定の PDF 閲覧ソフトが開き、新しくエクスポートされた PDF が表示される。
- Images 区画
- Lossless compression
画質を損なうことなく画像を保存できる。写真に使用するとファイルが大きくなる傾向がある。その他の画像や画像にお勧め。
- JPEG compression
画質の程度を変えることができる。90% に設定すると写真に対してよく働く。ファイルサイズが小さく、画質の低下はほとんど感じられない。
- Reduce image resolution
DPI の低い画像は品質が低いということだ。低い解像度(100 dpi 以下)でもコンピューターの画面で見るには十分かもしれないが、最近のデバイスの多くはもっと高い解像度を持っている。印刷する場合は、印刷機の能力にもよるが、少なくとも 300 dpi か 600 dpi を使うのが一般的に望ましい。DPI 設定を高くするとファイルサイズが大きくなる。
Note
プレビューが埋め込まれた EPS 画像はプレビューとしてのみ書き出される。プレビューが埋め込まれていない EPS 画像は、空のプレースホルダーとして書き出される。
- Watermark 区画
- Sign with watermark
これをオンにすると隣のテキスト欄に入力したテキストの透明なオーバーレイが PDF の各ページに表示される。
- General 区画
- Hybrid PDF (embed ODF file)
二つのファイル形式を含む PDF として文書をエクスポートするにはこの設定を使用する。PDF 閲覧ソフトでは通常の PDF ファイルのように動作し、 LibreOffice では完全に編集可能のままだ。
- Archival (PDF/A, ISO 19005)
PDF/A は文書の長期保存のための ISO 規格で、忠実な複製に必要なすべての情報(フォントなど)を埋め込む一方、その他の要素(フォーム、セキュリティー、暗号化など)を禁止している。PDF タグが記述されている。
PDF/A-1b は PDF/A-1 への最低準拠レベルを指す。
PDF/A-2b は図形や画像のレイヤーや透過が可能なので、ほとんどの使用者に推奨される。また、圧縮率が高く、通常より小さなファイルを作成する。
PDF/A-3b は PDF/A-2b と同じだが、他のファイル形式の埋め込みも可能だ。
- Universal Accessibility (PDF/UA)
PDF/UA (ISO 14289) 仕様の要件に従った、普遍的な accessibility 準拠 PDF ファイルを作成する。これがオンの場合、Export を押すと、文書に accessibility の問題が含まれている場合に警告ダイアログボックスがポップアップ表示される。
- Tagged PDF (add document structure)
タグ付き PDF には文書の内容の構造に関する情報が含まれている。これは、異なる画面を持つデバイスや、画面読み上げソフトウェアを使用する際に、文書を表示するのに役立つ。書き出されるタグには、目次、ハイパーリンク、コントロールなどがある。このオプションを使用すると、ファイルサイズが大幅に増加する可能性がある。
- Create PDF form - Submit format
PDF ファイル内からフォームを提出する形式を選択する。この設定は文書内で設定したコントロールの URL プロパティーを上書きする。PDF 文書全体で有効な共通の設定は一つしかない:
PDF: 文書全体を送信
FDF: コントロールの内容を送信
HTML
XML
ほとんどの場合、PDF 形式を選択するだろう。
- Allow duplicate field names
オンにすると、生成される PDF ファイル内の複数のフィールドに同じ名前を使用することができる。PDF 文書内で最初に出現する名前付きフィールドにデータを入力することができ、同じ名前を持つすべてのフィールドに入力内容が反映される。オフにすると、一意に生成された名前を使ってエクスポートされる。
Tip
商業印刷サービスで PDF に透明部分が含まれていないことが要求するものがある。対策は PDF/A-1b を選択し、Create PDF form をオフにしろ。
- Structure 区画
- Export outlines
Adobe Reader を含む PDF 閲覧ソフトのほとんどで表示されるアウトライン(目次一覧)として見出しをエクスポートする。
- Export placeholders
PDF には定義されたプレースホルダーフィールドがすべて含まれ、使用者が入力することが可能。
- Comments as PDF annotations
コメントは注釈として PDF に含まれる。
- Comments in margin
ページの内容が縮小され、余白にコメントを印刷する余地が残る。
- Export automatically inserted blank pages
自動的に挿入された白紙ページが PDF に書き出される。これは両面印刷する場合に最適だ。たとえば、書籍では通常、章が常に奇数ページから始まるように設定されている。前の章が奇数ページで終わると、Writer は二つの奇数ページの間に空白ページを挿入する。このオプションは、その白紙ページを書き出すかどうかを制御する。
- Use reference XObjects
参照 XObject は、ある PDF ファイルが別の PDF ファイルから中身を取り込むことを可能にする。詳細は PDF specification, ISO 32000-2:2017 の節 8.10.4 に記載されている。referenceXObjects に慣れていない場合はこの欄をオフのままにしろ。
Initial View tab of PDF Options dialog¶
Initial View タブでは PDF を閲覧ソフトが既定で開く方法を選択できる。選択内容は自明のはずだ。
CTL を有効にしている [1] 場合、Continuous facing オプションの下に追加の選択肢がある:
- First page is left
Continuous facing は、通常、最初のページは右だ。
User Interface tab of PDF Options dialog¶
User Interface タブでは PDF 閲覧ソフトが内容をどのように表示するかを制御するためのさらなる設定を行う。説明会で、あるいはキオスク型ディスプレイで使用する PDF を作成している場合に特に便利な選択肢がいくつかある。
- Window Options 区画
- Resize window to initial page
ウィンドウを PDF の最初のページに合うようにリサイズする。
- Center window on screen
ウィンドウを画面の中央に表示する。
- Open in full screen mode
全画面モードで開く。
- Display document title
ウィンドウの表題バーに文書の表題を表示する。
- User Interface Options 区画
- Hide menubar
Menu バー を隠す。
- Hide toolbar
ツールバーを隠す。
- Hide window controls
その他のウィンドウコントロールを隠す。
- Transitions
Writer では使用不能。
- Collapse Outlines
General タブ で Export outlines がオンになっている場合、アウトラインに表示される見出しレベルの数を指定する。
Links tab of PDF Options dialog¶
Links タブでは文書内のリンクを PDF に書き出す方法を選択できる。
- General 区画
- Export bookmarks as named destinations
Web ページ や PDF 文書がリンクできる「名前付き宛先」としてしおりがエクスポートされる。
- Convert document references to PDF targets
OpenDocument の拡張子 (.odt, .ods, .odp, etc.) を持つ他の文書へのリンクを定義している場合、書き出された PDF 文書では、そのファイル拡張子は .pdf に変換される。
- Export URLs relative to file system
文書内で相対リンクを定義している場合、このオプションはそれらのリンクを PDF にエクスポートする。
- Cross-document Links
PDF ファイル内でクリックされたリンクの動作を定義する。三択。
- Default mode
リンクは OS 指定の処理をされる。
- Open with PDF reader application
リンクされた PDF 文書を開くには、それを表示するのに使用したのと同じアプリケーションを使用する。
- Open with Internet browser
リンクされた PDF 文書を表示するのに既定の Web ブラウザーを使用する。
Security tab of PDF Options dialog¶
PDF 書き出しには、中身を(パスワードなしでは開かないように)暗号化し、いくつかのデジタル著作権管理機能を適用するオプションがある。
Set open password を設定すると、PDF はそのパスワードでしか開かない。いったん開くと、使用者がその文書で行えること(例:印刷、コピー、変更)に制限はない。
Set permission password を設定すると、誰でも開くことができるが、その権限を制限することができる。アクセス許可のパスワードを設定すると、 Security ページの他の選択肢が利用可能になる。
これらの両方を設定すると、正しいパスワードが設定された場合しか開くことができず、かつ、その権限は制限される。
Note
権限設定は使用者の PDF 閲覧ソフトがその設定を慮る場合に限り有効だ。
Digital Signatures tab of PDF Options dialog¶
Digital Signatures タブ には電子署名付き PDF を書き出すための選択肢がある。
電子署名は次のことを確保するのに用いられる:
PDF が本当に元の作成者によって作成された
文書が署名後に変更されていない
署名付き PDF エクスポートでは既定の keystore の場所または IC カードに保存されている鍵と X.509 証明書が使用される。使用する keystore は証明書の保存と取得に Windows の既定の場所を使用する。
IC カードを使用する場合、keystore で使用できるように設定されている必要がある。これは通常、IC カードソフトウェアのインストール時に行われる。
Use this certificate to digitally sign PDF documents: Select… ボタンを押すと Select Certificate ダイアログボックス が開き、選択した keystore で見つかったすべての証明書が表示される。Keystore がパスワードで保護されている場合はその入力を求められる。PIN で保護されている IC カードを使用する場合も PIN の入力を求められる。
書き出した PDF の電子署名に使用する証明書を選択し、Sign を押す。
Digital Signatures タブ の他のフィールドすべては証明書が選択された後に限りアクセス可能だ。
Certificate password: 選択した証明書に関連する秘密鍵を保護するために使用するパスワードを入力する。通常、これは keystore パスワードだ。 Keystore のパスワードが Select Certificate ダイアログボックス で既に入力されている場合、keystore は既にロック解除されている可能性があり、再度パスワードを入力する必要はない。
IC カードを使用する場合はここに PIN を入力する。一部の IC カードソフトウェアでは、署名の前に PIN の入力を再度求められる。
Location, Contact information, Reason: オプションで、PDF に適用される電子署名に関する追加情報を入力する。この情報は PDF 内の適切なフィールドに埋め込まれ、閲覧者に表示される。三つのフィールドのいずれか、またはすべてを空白のままにすることができる。
Time Stamp Authority: オプションでタイムスタンプ機関の URL を選択する。PDF 署名プロセス中、TSA は電子署名されたタイムスタンプを取得し、それを署名に埋め込む。閲覧者はこのタイムスタンプを使用して、文書がいつ署名されたかを確認できる。
選択できる TSA URL の一覧は Options ダイアログボックス ページ TSAs で管理される。TSA URL が選択されていない場合(これが既定)、署名にはタイムスタンプが付与されず、ローカルコンピューターの現在時刻が使用される。
Exporting to EPUB format¶
EPUB 形式はスマートフォン、タブレット、電子書籍リーダーなどの携帯端末が市場に登場してから普及した。中身を含む HTML ファイルと、画像やその他の支援ファイルから構成される書庫ファイルとして実装されている。
Writer はファイルを EPUB にエクスポートすることが可能だ。テキストしかない文書は通常うまく書き出されるが、一部の中身(図版、図表、相互参照など)は正しく書き出されないことがある。
Quick export to EPUB¶
を選択すると、 guilabel:EPUB Export ダイアログボックス で最近選択した EPUB 設定を使用して文書全体が書き出される。EPUB ファイルのファイル名と場所を入力しろ。
読者ノート
Export Directly コマンドはいきなり保存ダイアログボックスが出る。オプション指定は省略すると覚えておく。
Controlling export to EPUB¶
作成される EPUB ファイルの内容や品質をより詳細に制御するには
を使用する。 guilabel:EPUB Export ダイアログボックス が開く。- Version
エクスポートする EPUB バージョンを選択する。選択肢は次の二つ:
EPUB 2.0
EPUB 3.0
- Split method
新しい節を開始する方法を選択する。
Heading: 文書の見出し番号(アウトラインレベル)に従って見出しから節を開始する。
Page break: 改頁で節を開始する。
- Layout method
画面の大きさや使用者の好みに合わせて電子書籍の表示を変更するには Reflowable を選択する(ページサイズやヘッダー、フッターの中身はエクスポートされない)。どのような状況でも電子書籍のレイアウトが変わらないようにするには Fixed を選択する。
- Cover image
表紙ページの画像ファイルパス。画像が指定されていない場合、自動的に
cover.gif
,cover.jpg
,cover.png
,cover.svg
のような名前の画像を使用する。カスタム表紙画像は EPUB ファイルに埋め込まれる。- Media directory
表紙画像、メタデータ、マルチメディアファイルに対するオプションディレクトリーパス。ディレクトリーを指定しない場合、文書ファイル名と同じ名前のディレクトリー内の現在の文書ディレクトリーからカスタムメディアとメタデータを探す。
- Metadata 区画
検索に役立つタグを用意しておくファイルの基本情報。これらのフィールドは Writer の
から既定で取得されるメタデータを編集するもう一つの機会を与える。
Exporting to other formats¶
LibreOffice では、ファイル形式の変更を伴うファイル操作の一部に export という術語を使用している。
で必要なものが見つからない場合は も参照しろ。Writer はファイルを XHTML, EPUB, およびその他の形式にエクスポートできる。Export ダイアログボックスで ファイル名 (N) と ファイルの種類 (T) で選択して Export を押す。
を選択する。Emailing Writer documents¶
LibreOffice には Writer 文書をメールの添付ファイルとしてすばやく簡単に送信する方法がいくつか用意されている。対応ファイル形式は次の三つ:
.odt: OpenDocumentText; Writer の既定形式
.docx: Microsoft Word 形式
.pdf
現在の文書を .odt 形式で送信する手順:
または を選択。インストールされていれば、既定のメールプログラムが開く。文書が新しいメールに添付される。
メールソフトで受信者、件名、追加したいテキストを入力し、メールを送信する。
PDF Options ダイアログボックス を開き、必要な設定を選択することができる。
を選択した場合、Writer はまず Word 形式のファイルを作成し、新しいメールに Word ファイルが添付された状態でメールプログラムを開く。同様に、 を選択した場合、Emailing a document to several recipients¶
複数の受信者に文書をメールで送信するには、メールプログラムの機能を使用するか、 Writer のメールマージ機能を使ってアドレス帳からメールアドレスを抽出する。
Writer のメールマージを使ってメールを送信するには二つの方法がある:
Mail Merge Wizard を使用して文書を作成し、送信する。
ウィザードを使用せずに Writer で文書を作成し、それからウィザードを使用して文書を送信する。
Chapter 14, Mail Merge で詳しく見ていく。
Digital signing of documents¶
文書に電子署名するには、証明書としても知られる個人鍵が必要だ。個人鍵は、
秘密にしておかなければならない秘密鍵と、
文書に署名する際に追加する公開鍵
の組み合わせとして計算機に保存される。証明書は認証局(民間企業または政府機関)から取得できる。
文書に電子署名を適用すると、文書の内容と著者の個人鍵から checksum が計算され、その値と公開鍵が文書と一緒に保存される。
後で誰かが LibreOffice の最新版が入っている計算機で文書を開くと、プログラムは checksum を再度計算し、保存されている値と比較する。両方が同じであれば、プログラ変更されていない元の文書が表示されていることをプログラムが告げる。
証明書の公開鍵情報を表示することもできる。その公開鍵を認証局の Web サイトで公開されている公開鍵と比較することができる。誰かが文書のどこかを変更すると、その変更によって電子署名が破られる。
証明書の取得方法、管理方法、および署名の検証方法の詳細については Help を参照しろ。
読者ノート
どこに?
署名された文書には Status バー に図像が表示される。図像をダブルクリックすると、証明書を表示できる。文書には署名を複数追加できる。
既存の記述を変更するとその署名は無効になる。ただし、同じ作成者による複数の署名は許可されている。
Applying a digital signature¶
以下の手順は、文書に電子署名をする方法の一例だ。実際の手順は計算機の構成方法やOS によって異なる。
を選択する。
文書にコメントや記録された変更が含まれる場合に警告を表示するように LibreOffice を設定している場合、文書への署名を続行するかどうかを尋ねるメッセージボックス欄が表示されることがある。
最後の変更以降、文書を保存していない場合は、メッセージボックスが表示される。Yes ボタン を都合二度押す。
Digital Signatures ダイアログボックス が開く。既存の署名がその説明とともに一覧表示される。文書に新しい署名を追加するには Sign Document… ボタンをクリックする。
Select Certificate ダイアログボックス で証明書を選択し、オプションの説明を追加し、Sign を押して戻る。使用された証明書は、その名前の横に図像が付いた状態でダイアログボックスに表示される。この図像は、電子署名の状態を示す。
Digital Signatures ダイアログボックス で Close ボタン を押して電子署名を適用する。
Including a signature line¶
Insert–>Signature Line… を選択して署名行を表す画像欄を生成できる。電子証明書を使用して署名行に署名することもできる。
Removing personal data¶
個人データ、版、コメント、秘密情報、記録変更が、他の人に送信したり、ファイルから PDF を作成する前に、ファイルから削除されていることを保証したい場合がある。
Options ダイアログボックス ページ で Options… ボタンを押すと Security Options and Warnings ダイアログボックス が表示され、ファイルに特定の情報が含まれている場合に警告を表示したり、保存時に個人情報を自動的に削除したりするように LibreOffice を設定することが可能だ。
ファイルから個人データなどを削除するには、
General タブ で Apply user data をオフ
Reset Properties を押す
これにより、作成および変更フィールドの名前が削除され、変更日と印刷日が削除され、編集時間がゼロに、作成日が現在の日時に、バージョン番号がリセットされる。
バージョン情報を削除するには、
Existing Versions 一覧からバージョンを選択して Delete を押すか、
を選択。ファイルを別の名前で保存する。
Redaction¶
文書の機密情報を削除したり隠蔽したりするために文書を冗長化し、文書の他の部分を秘密にしたまま、文書内の情報を選択的に開示できるようにすることができる。例えば、裁判で文書が召喚された場合、その訴訟に特に関係のない情報は冗長化されることがよくある。
黒塗り手順:
文書を開く
Menu バー から
を選択文書が再編集用に準備されて Draw に転送されるのを待つ
ここから Draw での作業になる。Redaction ツールバーが開く。
ツールバーの Rectangle Redaction と Freeform Redaction ツールを使用して黒塗りする。図形は透明で灰色になるので、何を黒塗りしているかがわかる。
オプションで Export Directly as PDF ツールを使用すると、黒塗りコピーを PDF で作成し、査読用の逐語的な写しとして使用できる。黒塗り項目は透明な灰色で表示される。
黒塗りを確定するには Redacted Export ツールで希望のオプション(黒または白)を選択する。透明な灰色の図形が不透明な黒または白の図形に変換され、文書がピクセル化された PDF としてエクスポートされる。その中に選択可能テキストはなく、黒塗りした箇所の中身は存在しない。
Auto-redaction¶
黒塗りプロセスを部分的に自動化するには、特定の単語(名前など)が文書内のどこにあっても黒塗りするように定義する。これを行うには、Menu バー で Automatic Redaction ダイアログボックスを開く。ここでは、用語(対象)の一覧の読み込み、対象の追加、対象の削除、対象の編集、対象の一覧の保存ができる。
を選択し、Accessibility checking¶
LibreOffice には画面読み上げを含む外部機器やアプリケーションの支援を含む、いくつかの accessibility 機能が含まれている。
文書を公開する前に、Writerの Accessibility Tool を使用して、一般的な問題を確認できる。手動で検査を実行するには、Menu バー の を選択する。PDF にエクスポートする場合、PDF Export ダイアログボックスの General タブ で Universal Accessibility (PDF/UA) をオンにし、Export を押すと、警告ダイアログボックスがポップアップ表示される。
Accessibility Check ダイアログボックスは既定で Sidebar に表示される。文書で見つかった問題の一覧が表示される。検査項目には以下が含まれる:
文書の表題が設定されていること
文書の言語が設定されていること、または使用中のすべてのスタイルに言語が設定されていること
すべての画像、画像、OLE 物に代替テキスト(場合によっては表題)が設定されていること
表に分割または結合されたセルが含まれていないこと
手動の番号付け(統合番号付けを使用していないこと)
テキストと背景のコントラスト
脚注や注は避ける
見出しはレベルを飛ばしてはならない
Fix ボタンをクリックしてページに飛び、accessibility のために注意が必要な物または問題を選択する。
読者ノート
Accessibility Check が全然働かない。ボタンはどこにある?
章末注