プロットを利用する

ここでは SymPy プロット機能に関する覚え書きを記す。

所感

なぜ便利か。NumPy/SciPy で(数学的な)関数のプロットを作成しようものなら、自分で関数を評価して「折れ線化」して得られる点列データを Matplotlib のプロット関数に渡す。その折れ線の点列をプロット関数に渡す。ところが SymPy では数式そのものをプロット関数に渡せばよい。手間がひとつ省ける。

  • SymPy でも 2D または 3D のプロットを描ける。

  • プロット描画を実現するために Matplotlib が裏で働いている。

    • パッケージをインストールしていない場合は TextBackend という別の手がある。

  • 関数をインポートする形式は from sympy.plotting import plotxxx となる。

  • 関数 plot_implicit だけは不等式をも扱える。不等式に対応する等式を表現する曲線によって定義される平面上の領域を塗りつぶした図が得られる。

  • 3D プロットは描画が重く感じられる。Matplotlib でもこうだったか。

  • Matplotlib をラップしているのはわかるが、 SymPy は設定ファイル $HOME/.matplotlib/matplotlibrc を参照しないのか?

  • isympy でプロットウィンドウを複数出すと、たいていの場合セッションがおかしくなる。そして Tk のウィンドウが閉じられなくなる。

    Todo

    ここにコンソールの出力をコピーする。

早見表

プロット関数早見表

手軽にプロットを描くための関数の早見表を下に示す。

関数

呼び出しの形

plot

plot(expr, range, **kwargs)
plot(expr1, expr2, ..., range, **kwargs)
plot((expr1, range), (expr2, range), ..., **kwargs)

plot_parametric

plot_parametric(expr_x, expr_y, range, **kwargs)
plot_parametric((expr1_x, expr1_y), (expr2_x, expr2_y), range, **kwargs)
plot_parametric((expr_x, expr_y, range), ..., **kwargs)

plot_implicit

plot_implicit(expr)
plot_implicit(expr, (xsymbol, xmin, xmax), (ysymbol, ymin, ymax))

plot3d

plot3d(expr, range_x, range_y, **kwargs)
plot3d(expr1, expr2, range_x, range_y, **kwargs)
plot3d((expr1, range_x, range_y), (expr2, range_x, range_y), ..., **kwargs)

plot3d_parametric_line

plot3d_parametric_line(expr_x, expr_y, expr_z, range, **kwargs)
plot3d_parametric_line((expr_x, expr_y, expr_z, range), ..., **kwargs)

plot3d_parametric_surface

plot3d_parametric_surface(expr_x, expr_y, expr_z, range_u, range_v, **kwargs)
plot3d_parametric_surface((expr_x, expr_y, expr_z, range_u, range_v), ..., **kwargs)

プロット関数引数メモ

プロット関数の引数の与え方には一貫性があるので、まとめて理解することができる。

  • 引数 expr は SymPy の式オブジェクトである。

  • 引数 range はいずれも (x, xmin, xmax) の形式で与える。例えば (x, 0, 10) のようにする。

  • キーワード引数 **kwargs は、次の 3 つに分類できる。

    1. プロット関数自身に関するパラメーター

    2. プロットの見てくれを制御するパラメーター

    3. プロットの種類で決まるパラメーター

プロット関数自身に関するパラメーター

プロット関数自身に関するパラメーターは全プロット関数の **kwargs が扱う。そのようなキーワード引数を次の表に示す。

キーワード引数

説明

show

プロットを表示するかどうかを指定する bool 値。

プロットの見てくれを制御するパラメーター

プロットの見てくれを制御するパラメーターは全プロット関数の **kwargs が扱う。そのようなキーワード引数を次の表に示す。

キーワード引数

説明

aspect_ratio

プロットのアスペクト比を例えば (1.0, 1.0) のようにするか、または文字列 auto で指定する。

autoscale

Matplotlib の Axes.set_autoscale_on に渡す bool 値。

axis

Matplotlib の Axes.set_axis_off を呼ぶかどうかを指定する bool 値。

axis_center

プロットの中央の座標を例えば (0.0, 0.0) のように指定するか、文字列 'center' または 'auto' で指定する。

legend

プロットの凡例を表示するかどうかを指定する bool 値。

margin

Matplotlib の Axes.set_xmarginAxes.set_ymargin に共通に渡す値。

title

プロットの表題を文字列で指定する。

xlabel

x 軸のラベル文字列。

xlim

x 軸の制限範囲を例えば (0.0, 10.0) のようにして指定する。

xscale

x 軸のスケーリングをどうするか。文字列 'linear' または 'log' で指定する。

ylabel

xlabel の y 軸版。

ylim

xlim の y 軸版。

yscale

xscale の y 軸版。

プロットの種類で決まるパラメーター

ここで言うプロットの種類で決まるパラメーターとは、それぞれのプロット関数が処理するサンプルデータの種類によって意味を持つものだ。見たらわかるので、例えば「キーワード引数 surface_color は曲面プロット系の関数でのみ有効なパラメーターである」というようなことはいちいち断らずに、下の表でそれらをすべて混ぜて示す。

キーワード引数

説明

adaptive

もし False を指定するならば、別途 nb_of_points を指定する必要がある。

depth

adaptive algorithm の深さを正の整数で指定する。

label

不明。Matplotlib の折れ線に付与するラベル?

line_color

プロットする線セグメントの色を指定する。要調査。

nb_of_points

サンプル点列の個数を整数で指定する。変域から一様にサンプリングされる。

nb_of_points_x

nb_of_points の曲面プロット系 x 軸版。

nb_of_points_y

nb_of_points の曲面プロット系 y 軸版。

only_integers

プロットのサンプリングを整数座標に限るかどうかを指定する bool 値。

surface_color

プロットする面パッチの色を指定する。要調査。

steps

要調査。

Todo

adaptive algorithm というものを調べる。

  • line_color, surface_color の値の与え方は複数ある。両者の違いは次元だけだろうから、以下 line_color の覚え書きを記す。

    • 差し当たり line_color=(1.0, 0.0, 0.0) のように与えると、線の色が赤くなることを確認した。

    • または float 値を返す関数を渡すと動作することは確認した。しかし、浮動小数点型の数を返す関数からどのように線の色が決まるのかがわからない。 SymPy の実装を見ても理解できないのでダメだ。

      plot(sin(x), (x, -pi, pi), adaptive=False, line_color=lambda a: sin(a))
      

      簡単なサインカーブのプロットで line_color のはたらきを見ると、何らかの規則に基づいて線の色が決まっているらしいことは納得した。

      SymPy によるプロット