川口周著『代数学入門』第 3, 4 章より。

  • 中国剰余定理の簡単なバージョン ($\Z/mn\Z \cong \Z/m\Z \times \Z/n\Z$) のメモ
    1. 写像 $f\colon \Z \longrightarrow \Z/m\Z \times \Z/n\Z$ を $f(x) = ([x]_m, [x]_n)$ で定義すると、群(ここでは加法的にとる)の準同型定理が適用できそうだ。
    2. $\ker f = mn\Z$ を示す。$\gcd(m, n) = 1$ に気をつける。これはすぐにわかる。
    3. 準同型定理より $\Z/\operatorname{im} f \cong \Z/m\Z \times \Z/n\Z.$
    4. $f$ が全射であることを像が右辺の部分群であることを利用し、両者の元の個数を確認することで示す。
  • 有限アーベル群の基本定理の証明の材料
    • 直積群の同型性
    • 巡回群はある剰余群と同型である
    • アーベル群の部分群は正規部分群である
    • 謎の線形代数の補題
  • 有理整数環のイデアルはすべて単項イデアルであるという事実から $\Z/p\Z$ が体であることや、Euclid の互除法が成立する。