佐藤恒雄、野澤宗平著『初歩から学べる線形代数』より。


  • 単因子論のさわりに突入する。ここから未知のトピックが最後まで続く。
  • $x$-行列の定義:「$x$ の多項式を成分にもつ正方行列」
  • 可逆の定義:逆行列がある $x$-行列の意。
  • $x$-行列が可逆である条件:行列式がゼロでない定数であること。
  • $x$-行列に対する基本変形:「多項式倍」が考えられる。
  • 対等の定義: $A(x) \sim B(x)$ とは $\exists{P(x)}\exists{Q(x)} (B(x) = P(x)A(x)Q(x),$ $P(x), Q(x)$ は基本行列 $)$ であること。
  • $x$-行列の標準形

    \[\begin{pmatrix} e_1(x) & & & & \\ & e_2(x) & & & \\ & & \ddots & & \\ & & & e_r(x) & \\ & & & & O \end{pmatrix}\]

    ここで $e_i(x)$ は monic な多項式であり、$e_i(x) \mid e_{i + 1}(x)$ である。

    • 単因子の定義:上記 $e_i$ のこと。
    • 階数の概念を流用する
  • 標準形の存在性定理:補題をよく理解すること。そう難しくない。
    • 多項式環が Euclid 整域であること(除法の原理)が用いられる。
  • $x$-行列の階数の一意性:行列分割をうまく使う。
  • 行列式因子の定義:$x$-行列の $k$ 次のすべての小行列式を割り切るような $x$ の多項式であり、$d_k(x)$ で表す。
    • $d_k(x) \mid d_{k+1}(x)$ が成り立つ。