『初歩から学べる線形代数』学習ノート Part 4
佐藤恒雄、野澤宗平著『初歩から学べる線形代数』より。
- 以下、相似と対等を同じ記号で表すが、読み返す時に思い出すこと。
- 対等な $x$- 行列の行列式因子は等しい
- 行列式因子と単因子の関係
- 対等な $x$- 行列の単因子は等しい
- 固有 $x$-行列の定義:正方行列 $A$ に対する $x$-行列 $A - xI$ のこと。
- 固有 $x$-行列の $n$ 次行列式因子は $d_n(x) = (-1)^n \varphi_A(x)$
- 最高次の係数が 1 であると約束しているので $(-1)^n$ が出てくる。
- $A \sim B \iff A - xI \sim B - xI$
- 最小多項式の定義:記号 $m_A(x)$
- $f(A) = O$ を満たす多項式 $f(x)$ のうち次数が最小のものかつ monic であるもの。
- $f(A) = O$ ならば $m_A(x) \mid f(X)$ である。特に $m_A(x) \mid \varphi_A(x)$ である。
-
固有値 $\lambda_i$ の多重度を $n_i$ とすると次が成り立つ:
\[m_A(x) = (x - \lambda_1)^{k_1}(x - \lambda_2)^{k_2}\dotsm(x - \lambda_r)^{k_r}, \ 1 \le k_i \le n_i,\ 1 \le i \le r.\] - 最小多項式の具体的な求め方
- 固有多項式を求める
- その因数 $f(x)$ を総当たりで求める
- 次数の低いものから $f(A)$ を計算して $O$ となるものを探す。
- 最小多項式は固有 $x$-行列の最後の単因子に等しい。
- 直和の定義
- 行列の対角線上に各 $x$-行列が並ぶことがだいじ。
- 明らかに部分空間の直和と関連性がある。 以下 $\Complex$ 上で考える。
- Jordan 細胞の定義:記号 $J_k(\lambda)$
- $J_1(\lambda) = \lambda$
- $J_k(\lambda) - xI$ の単因子 $\overbrace{1, 1, \dotsc, 1}^\text{k - 1}, (x - \lambda)^k$、最小多項式 $m_?(x) = (x - \lambda)^k.$
- Jordan 行列の定義:細胞の直和で表される行列のこと。
- Jordan ブロックの定義:固有値 $\lambda_j$ に対する細胞の直和
- 添字がゴチャゴチャしているのでしっかりイメージできるようにする。
- Jordan 標準形の定義
- 正方行列 $A$ はある Jordan 行列と相似である。これを $J$ とするとある変換行列 $P$ があって $J = P^{-1}AP.$
- $J$ は 細胞・ブロックの並び方を除けば一意的に定まる。
- $A - xI$ の単因子それぞれを因数分解し、各 $(x - \lambda)^k$ に $A$ の標準形に含まれる細胞 $J_k(\lambda)$ が一個対応する。
- 固有空間 $W(\lambda)$ の次元は標準形に含まれる $\lambda$ の細胞の個数に等しい。
- 広義固有空間の定義:記号 $\widetilde{W}(\lambda)$
- 多重度 $m$ の固有値 $\lambda$ に対する部分空間 $\lbrace\bm{x}\,\mid\,(A - \lambda I)^m = \bm{o}\rbrace$ である。
- $\dim{\widetilde{W}} = m.$
- Jordan 標準形の求め方:
- 単因子によるもの(変換行列がわからない)
- 一次方程式を解くことによるもの(変換行列が得られる)
- ここがゴチャゴチャしていて理解を整理中。