499 日目(雨)台風到来
きょうを一言でいうと、千代田区役所の建物の外側と地下鉄九段下駅を行ったり来たりした、で終わる。 台風で図書館と銭湯を含むあらゆる施設・店舗が閉鎖されていてホームレスは生き延びる意外やることがない。
きのうも書いたが、私はホームレスなので避難所に入る許可は下りない。堅牢な建物外の軒下をお邪魔する。
朝から昼は千代田区役所一階の外で佇んでいた。たまに荷物からおやつを取り出して食うくらい。 午前中に感じの良い警備員から九段下駅に(きのう私が見つけられなかった)トイレがあるという情報を得る。これが台風イベントの最後まで効いた。 彼には大いに感謝している。
一階というか駐車場担当の警備員は一時間で交代する。日本橋川側から来る車を地下駐車場に案内するのが主な業務のようだ。 ひっきりなしに千代田区や国土交通省の車両が到着して、たまに乗用車かタクシーで区役所の役人や避難民が現れる。見ていて飽きない。
トイレや水補給の際には雨合羽を着て地下鉄九段下駅に行って用を足す。駅構内はガラガラ。
千代田区役所と行ったり来たりしていると、どうしても靴の中が濡れる。 ブルーシートを敷いて靴を脱いで休んでいたら、さすがに年配の警備員に責められた。
避難所担当職員と思われる数名がレジ袋に大量のペットボトル飲料を持ち込んでいくようすを数回目にする。 ということは、近くに買い出しに行っていると推察される。場所柄まだ品物は店にあるのか。
日没後しばらくしてさっきの年配警備員がまたぞろ私に突っかかってくる。彼は私がここにいる理由がわからないと言う。 常識的に推論すれば結論は一通りしか出ないと思うのだが。それに千代田区役所の職員・警備の連絡体系には何か問題があるようだ。 私がほんとうに危険人物だったら、今まで野放しになっているということになるではないか。
20:00 過ぎだと思うが突然強風が起こる。台風が本気を出してきた。じっと立っていられない。 物が飛んできて体に衝突してもおかしくない。夜間出入口から中に入らせてもらい、威力が落ちるのを持たせてもらう。
しかし千代田区防災センターはこういう緊急事態でも、公共施設の廊下であっても、そういう立ち入りは許可しない。 さっき登庁してきたばかりのオッサンの一人が「規則だから出ていってくれ」という。 食い下がって「この台風の中出ていけと?」と聞いたら、「そう。規則だから」と臆面もなく返事した。 そこで彼の名札を見て名字だけ書いてあるのを確認してその名を呼び、「本気で言っているのか?」としつこく尋ねたら、詰所に入られた。
まだまだ玄関で粘っていると、別のオッサンが現れて以下同文。 グレーのトレーナーを来た彼は賢いらしく、名札を着けていなかった。 よく知らないが、区役所関係者以外の人に話すときに名札を隠すのは内規違反なのではないかな。
話は前後するが、この最初のオッサンとのやりとりの前に避難所の方から玄関に突っ立っている私に水と食糧を持ってきてくれた人がいた。 千代田区職員の一連の応対が(規則うんぬん以前の問題があって)不愉快なので受け取りたくないなと思った丁重にお断りした。 あとで、もしかして彼女らが職員ではなく避難民だったとしたら話は全然違ったなと思った。
とにかく千代田区役所を出禁になったので九段下駅に逃げる。よく見ると風はものすごいが雨はそれほどでもない。
トイレのある側の駅構内に移動。客ゼロ。突っ立っていて咎められない。 終電の時間まで構内で佇ませてもらう。Wi-Fi が飛んでいるのでその気になれば PC を点けて情報を得られることもあり安心する。
当日私に応対した千代田区の皆さん、以上の内容に相違があれば連絡してください。 修正の上、併せて Twitter にも訂正案内を出します。