付録 多様体の三角形分割の構成(展開) 1/2¶
定理 5.1.3 の証明の概略。Whitney の Geometric Integration Theory の内容を基にしているとのこと。
最初は 幾何学 I 定理 5.2.3 にある、コンパクト多様体がユークリッド空間に埋め込み可能であることから出発する。
1. 証明の土台を準備する。
\(C^\infty\) 級多様体を \(M\) とし、コンパクトかつ \(n\) 次元であるとする。
\(M\) はユークリッド空間 \(\RR^N\) に埋め込まれるとする。
そのノルムを \(\norm{\cdot}\) とする。
点 \(p\) の \(\delta\) 近傍を \(B_\delta(p)\) とする(開球と思ってよさそうだ)。
本書では \(M\) と \({M^n \in \RR^N}\) を区別しているらしいが、ここでは面倒なので単に \(M\) で済ませる。
1.1 \({\forall \eps \gt 0, \exists \delta \gt 0}\text{ s.t. }\quad{\forall x \in M:}\)
\({T_xM \cap B_\delta(x) \subset B_{\eps\delta}(M \cap B_\delta(x))}\) and
\({M \cap B_\delta(x) \subset B_{\eps\delta}(T_xM \cap B_\delta(x)).}\)
本書図 A.1 はこれの \({N = 2}\) バージョンのイラストだ。円の直径が「接空間と開球の共通部分」に、内側の実線の円弧が「多様体と開球の共通部分」にそれぞれ対応する。
\(\fn{\pi_{T_xM}}{\RR^N}T_xM\) を直交射影とする。
ノートでは以下字が潰れるので単に \(\pi\) と書く。
この写像は像への微分同相写像である。
\({\pi(T_xM \cap B_\delta(x)) \supset T_xM \cap B_{\delta - \eps\delta}(x).}\) すなわち「図 A.1 の大円より小さい円を含む」か。
\({\delta \gt 0}\) をもっと小さくとって次のようにできる:
\({y \in M \cap B_\delta(x)}\) における \({\bm v \in T_yM}\) に対して \({\norm{\bm v - \pi(\bm v)} \le \eps\norm\pi(\bm v) \le \eps\norm{\bm v}.}\)
\({y, z \in M \cap B_\delta(x)}\) に対して \({\norm{(y - \pi(y)) - (z - \pi(z))} \le \eps{\pi(y) - \pi(z)}.}\)
1.2 \(M\) のある近傍 \(U\) をとれば、法束のゼロ切断の近傍と、法束からの指数写像で微分同相である。それゆえ \(U\) で法束の射影 \(\fn{p_M}{U}M\) が定義される。
幾何学 I 問題 5.2.5 による。
\({x \in M}\) について \({B_\delta(x) \cap U}\) において、 \({p_M|(B_\delta(x) \cap U)}\) のファイバーの方向と \(\pi\) のそれはほとんど等しい(それは納得できる)。
特に \(\bm v\) を \(U\) の点における接ベクトルとし、 \({\norm{\bm v - \pi(\bm v)} \le \dfrac{1}{2}}\) が成り立つならば、 \({(p_M)_*\bm v \ne 0.}\)
1.3 立方体の正則分割を定義する(本書図 A.2 の左側)。
超立方体を単に立方体と書くことにしている。
各次元版立方体の包含関係による列 \({I^0 \subset I^1 \subset \dotsb \subset I^N}\) に対応して、各重心 \(b_{I^0}, \dotsc, b_{I^k}\) で構成される単体 \({\langle b_{I^0} \dots b_{I^k}\rangle}\) が考えられる。
空間 \(\RR^n\) を辺長 \(\dfrac{2 \delta_0}{\sqrt{N}}\) の立方体で細分し、すべての立方体の正則分割として得られる空間の単体分割を \(L\) とする。
\(L\) の \(N\) 単体の直径は \(\delta_0\) である。
1.4 標準単体 \(\Delta^n\) について、次を満たす \({0 \lt \rho_0 \lt \dfrac{1}{2\sqrt{2}}}\) が何か存在する:
\(\Delta^n\) の各頂点をそれぞれから距離 \(\rho_0\) 以内の点に移して得られる単体が、\(\Delta^n\) と同相である。
このような単体の直径は \({1 + 2\rho_0}\) 以下である。
Todo
ここでいったん保留。\(\rho_0\) をある定数 \(H\) 以上の値であるとする。
1.5 空間内の半径 1 の球 \({B^N \subset \RR^N}\) に対して次が成り立つ:
\[\forall \eps \gt 0 \exists \delta \gt 0 \quad\text{s.t. } \operatorname{vol}_N(B_\delta(A) \cap B^N) \le \eps\operatorname{vol}_N(B^N).\]ここで \(A\) は次元が \({N - 1}\) 以下の affine 空間であり、 \(\operatorname{vol}_N\) は \(\RR^N\) での「体積」とする。
立方体分割の正則分割 1.3 の頂点に集まる単体の個数は、\(b_{I^N}\) に交わる単体の個数を超えない。その個数を \(k_N\) としておく。
\({\eps \lt \dfrac{1}{k_N}}\) に対して先ほどの体積不等式を満たす \(\delta_N\) をとると、次の条件を満たす \(B^N\) の点が何か存在する:
点が affine 部分空間の和集合 \({\displaystyle \bigcup_{i = 1}^{k_N}\delta_N(A_i)}\) に含まれない。
1.6 \({A_0 \subset A_1 \subset \RR^N}\) を affine 部分空間とし、 \({\sigma \in A_1}\) を affine 単体とする。
補集合の点 \({p \in \RR^N\setminus{A_1}}\) に対して次の集合を考える:
\[p * \sigma = \set{(1 - t)p + ty \sth y \in \sigma,\ 0 \le t \le 1}\]
これを join と呼ぶ。
\({p * \sigma}\) は \({\dim\sigma + 1}\) 単体である。
平面幾何的な理由によって(本書の図 A.3 に関する説明に相当)次の不等式が成り立つ:
\[\dist(p * \sigma) \ge \frac{\dist(\sigma, A_0)\dist(p, A_1)}{\diam(p * \sigma)}.\]
1.7 立方体分割の大きさ \(c\) を次のように定める:
\[c = \frac{\delta_N^{N - n}\rho_0^{N ^ n}}{2^{2(N - n)}(1 + 2\rho_0)^{N - n}}.\]ここで十分小さい \({a \lt 1}\) をとり(具体的な値は後で決める)
\[\eps = \frac{ac^2}{4}\]とする。
1.1 で得られる \(\delta\) をこの \(\eps\) による値とする。
1.3 の直径 \(\delta_0\) に対して \({\delta_0 = \dfrac{\delta}{2^3}}\) とする。
\(M\) に交わる立方体分割の立体の 4 倍のスケールの立体は交点の \(\delta\) 近傍に含まれる。
\({T_xM \cap B_{8\delta_0}(x)}\) と \({M \cap B_{8\delta_0}(x)}\) は互いの \({8\eps\delta_0 = \dfrac{1}{2}ac^2\delta_0}\) 近傍にある。両者は実は数値的にはほとんど一致している。
2. 立方体分割の正則分割 \(L\) を変形して、多様体に対して一般の位置にある三角形分割 \(\widehat{L}\) を構成する。
\(L\) は直径 \(2\delta_0\) の立方体による立方体分割である。単体では直径は \(\delta_0\) である。
2.1 立方体分割のすべての頂点 \({I^0 = b_{I^0}}\) に対して次を行なう:
この点から距離 \({\rho_0 \delta_0}\) 以下、
\(M\) から距離 \(\frac{\delta_N \rho_0}{2}\delta_0\) 以上
離れた点をとり、それを \(\widehat{b_{I^0}}\) とする。
2.2 各 \({k\quad(1 \le k \lt N - n)}\) 次元立方体 \(I^k\) の重心 \(b_{I^k}\) に対して次を行なう:
この点から距離 \(\rho_0 \delta_0\) 以下、
\(M\) から距離 \(\frac{\delta_N \rho_0}{2}\delta_0\) 以上
離れた点をとり、それを \(\widehat{b_{I^k}}\) とする。さらに
\(\langle\widehat{b_{I^0}} \dots \widehat{b_{I^k}}\rangle \cap M = \varnothing.\)
上記左辺の \(l\) 単体 \({\tau^l\quad(0 \le l \le k)}\) を \(M\) から距離
\[\frac{\delta_N^{l + 1}\rho_0^{l + 1}\delta_0}{2^{2l + 1}(1 + 2\rho_0)^l}\]以上離しておいて、\({l = 0}\) のとき頂点と \(M\) の距離、および \(k\) 単体と \(M\) が交わらないことを保証する。
\({k = 1, 2, \dotsc}\) について帰納的に \(b_{I^1}, b_{I^2}, \dotsc\) を順に処理し、\({k - 1}\) 次元まで(距離の)不等式が成り立っているとする:
\[\tau^l \subset \langle\widehat{b_{I^0}} \dots \widehat{b_{I^{k - 1}}}\rangle \implies \dist(\tau^l, M) \ge \frac{\delta_N^{l + 1}\rho_0^{l + 1}\delta_0}{2^{2l + 1}(1 + 2\rho_0)^l}.\]\(M\) の点の位置関係により場合分けをする:
点が \(B_{3\delta_0}(b_{I^k})\) に含まれない場合。このときは \({\widehat{b_{I^k}} = b_{I^k}}\) とする。これを頂点とする新しい \(l\) 単体はすぐ上に記した距離に関する不等式を満たす。
点が \(B_{3\delta_0}(b_{I^k})\) に含まれる場合。
その点を \({p \in B_{3\delta_0}(b_{I^k})}\) とする。
\(\tau^{l - 1}\quad{(l - 1 \lt N - n - 1)}\) を接空間 \(T_xM\) と立方体分割 \(L\) の \({k - 1}\) 骨格(これが何なのかわからない)上の立方体の重心からなる単体であるとする。
\(\widehat{\tau^{l - 1}}\) を単体 \(\tau^{l - 1}\) を移動した単体であるとする。
これらについて \(T_xM\) と \(\widehat{\tau^{l - 1}}\) の両方を含む \({n + l}\) 次元 affine 部分空間を考える。このような部分空間は高々 \(k_N\) 個しかない。なぜならば:
空間の次元が \({n + l \le n + k \lt N}\) を満たし、
\({b_{I^k} * \widehat{\tau^{l - 1}}}\) が立方体分割の単体であるような \(\widehat{\tau^{l - 1}}\) のとり方が高々 \(k_N\) 個しかない
ことによる。
これらの affine 空間の \({\delta_N\rho_0\delta_0}\) 近傍の和集合を \({B_{\rho_0\delta_0}(b_{I^k})}\) で考えると、 1.5 よりある点 \(\widehat{b_{I^k}}\) がこの和集合と近傍の共通部分外に存在して、
\[\dist(T_pM, \widehat{b_{I^k}}) \ge \delta_N\rho_0\delta_0\]を満たす。
一方 1.7 により \({\dist(\widehat{b_{I^k}}, M) \ge \dfrac{\delta_N\rho_0}{2}\delta_0}\) である。したがって \({M \cap B_{4\delta_0}(p)}\) は \(T_xM\) の \(\dfrac{\delta_N\rho_0}{2}\delta_0\) 近傍に含まれる。
新 \(l\) 単体は \({\widehat{b_{I^k}} * \sigma^{l - 1}}\) のように書ける。そして 2.2 の序盤での評価と 1.7 により次の評価が成り立つ:
\[\dist(T_xM, \sigma^{l - 1}) \ge \frac{\delta_N^l\rho_0^l\delta_0}{2^2l(1 + 2\rho_0)^{l - 1}}.\]これに \({\dist(T_xM, \widehat{b_{I^k}}) \ge \delta_N\rho_0\delta_0}\) と 1.6 を用いて次を得る:
\[\begin{split}\begin{align*} \dist(\widehat{b_{I^k}} * \sigma, TxM) &\ge \frac{\delta_N^l\rho_0^l\delta_0}{2^2l(1 + 2\rho_0)^{l - 1}} \cdot \delta_N\rho_0\delta_0 \cdot \frac{1}{(1 + 2\rho_0)\delta_0}\\ &= \frac{\delta_N^{l+1}\rho_0^{l+1}\delta_0}{2^2l(1 + 2\rho_0)^l}. \end{align*}\end{split}\]したがって 1.7 より:
\[\dist(\widehat{b_{I^k}} * \sigma, M) \ge \frac{\delta_N^{l+1}\rho_0^{l+1}\delta_0}{2^{2l + 1}(1 + 2\rho_0)^l}.\]
2.3 \({k \ge N - n}\) に対して \(b_{I^k}\) を基に新しい点 \(\widehat{b_{I^k}}\) を決める:
この点から距離 \(\rho_0 \delta_0\) 以下、
\(M\) から距離 \(\frac{\delta_N \rho_0}{2}\delta_0\) 以上
だけ離れた位置にあるとする。
2.2 における \(\widehat{b_{I^k}}\) のとり方をすでに移された \({l - 1}\) 単体 \({(l < k)}\) だけを考えて行なうことで、\({\langle\widehat{b_{I^0}} \dots \widehat{b_{I^k}}\rangle}\) の \(l\) 単体は \({l < N - n}\) ならば:
\[\dist(\sigma^l, M) \ge \frac{\delta_N^{l+1}\rho_0^{l+1}\delta_0}{2^{2l + 1}(1 + 2\rho_0)^l}\]とできることがわかる。
3. 多様体と \(\widehat{L}\) の位置関係を記述するための準備する。
\(\widehat{L}\) は \(\RR^n\) の三角形分割であり、 \(M\) に対して一般の位置にある。
\(\widehat{L}\) の単体と \(M\) の交点はほとんど凸包である。
3.1
\({\sigma^k \subset \RR^N}\) とし、\(A\) を \(n\) 次元 affine 空間 \(A\) とする。
\({\dist(\partial \sigma^k, A) \gt d}\) かつ \({\dist(\sigma, A) \lt d}\) であれば、\({k + n = N}\) かつ \(\sigma\) と \(A\) はただ一点で交わる。
\({p_1, p_2 \in \sigma}\) に対して \(\pi_A\) を \(A\) への直交射影とすると、次が成り立つ:
\[\norm{(p_1 - \pi_A(p_1)) - (p_2 - \pi_A(p_2))} \ge \frac{d}{\diam(\sigma)}\norm{p_1 - p_2}.\]以上を背理法とユークリッド幾何を用いて示す。
3.2
\({\sigma^{N - n} \in \widehat{L}}\)
\({\sigma^{N - n} \subset B_{8\delta_0}(x)\quad\text{for }x \in M}\)
\({\sigma^{N - n} \cap T_xM = \set{r}}\) (?)
\(\bm v\) を \(\sigma^{N - n}\) の接ベクトルであるとし、
\({r + t\bm v \in \partial \sigma}\)
とすると、
\[\begin{split}\begin{align*} \norm{t\bm v - \pi(t\bm v)} &= \norm{r + t\bm v - \pi(r + t\bm v)}\\ &\ge 2(1 + 2\rho_0)\delta_0 c.\\ \therefore \norm{\bm v - \pi(\bm v)} &\ge \frac{2(1 + 2\rho_0)\delta_0 c}{t\norm{\bm v}}\norm{\bm v}\\ &\ge \frac{2(1 + 2\rho_0)\delta_0 c}{\diam{\sigma^{N - n}}}\norm{\bm v}\\ &\ge 2c\norm{\bm v}. \end{align*}\end{split}\]
3.3
\({P(\sigma^{N - n})}\) を affine 空間であり \(\sigma^{N - n}\) を含むものであるとする。
\({\RR^N/{P(\sigma^{N - n})}}\) を商空間であり、\({P(\sigma^{N - n})}\) に平行な affine 空間を同一視して扱うものとする。
\(\fn{\pi'}{\RR^N}T_xM\) を射影であり \({P(\sigma^{N - n})}\) に沿うものとする。
このとき、次のことが成り立つ:
\({\forall y \in M \cap B_{8\delta_0}(x),} {\forall \bm w \in T_yM,} {\norm{\pi'(\bm w)} \ge \dfrac{15}{16}\norm{\bm w}.}\)
\(\pi'\) は \({M \cap B_{8\delta_0}(x)}\) から像への微分同相であり、\({\pi'(M \cap B_{8\delta_0}(x)) \supset T_xM \cap B_{7\delta_0}(x).}\)
この不等式から \({\pi'|(M \cap B_{8\delta_0}(x))}\) の接写像が単射であることが言える。
4. 多様体と \(\widehat{L}\) の交わり方と記述する。
4.1 \({x \in M}\) について \(\sigma\) を \(B_{8\delta_0}(x)\) に含まれる \(\widehat{L}\) の \(k\) 単体であるとする。このとき:
\[\sigma \cap M \ne \varnothing \implies k \ge N - n,\ T_xM \cap \sigma \ne \varnothing.\]\({y \in \sigma \cap M}\) を考える。\(\sigma\) の面 \(\tau\) で \({\dist(\tau, T_xM) \lt 2(1 + 2\rho_0)\delta_0 c}\) となり、その中で次元が最小のものを考える。
4.3 \(\sigma^{N - n}\) を \(\widehat{L}\) の \({N - n}\) 単体であるとすると、これは \(M\) と高々一点で交わる。
1.1 と 3.2 による。\({y, z \in \sigma^{N - n} \cap M}\) に対して:
\[\begin{split}\begin{align*} \norm{(y - \pi(y)) - (z - \pi(z))} &\ge \eps\norm{\pi(y) - \pi(z)}\\ &\ge \frac{ac^2}{2^4}\norm{\pi(y) - \pi(z)}. \end{align*}\end{split}\]ここで 3.2 によると:
\[\norm{(y - \pi(y)) - (z - \pi(z))} \ge 2c \norm{\pi(y) - \pi(z)}.\]\(\dfrac{ac^2}{2^4} \lt 2c\) だから \({y = z}\) が必要である。
4.4 \(\sigma\) を \(\widehat{L}\) の \({N - n + k}\) 単体であるとすると、 \({\sigma \cap M \ne \varnothing}\) であるならば、次のような \({N - n}\) 単体が存在する:
各頂点が \(\sigma\) の頂点を頂点とする。
\({x \in \sigma \cap M}\) における \(T_xM\) と交わる \(\sigma\) の \({N - n}\) 次元の面 \(\tau\) を \({\RR^N/{T_xM}}\) への射影によって \({0 = [T_xM]}\) を含む単体に写る(?)
さらに \({\partial(\tau * \sigma)\setminus\tau}\) の単体で \({0 = [T_xM]}\) を含む単体に写るものがある。それに対して \({? \cap T_xM \ne \varnothing}\) かつ \({? \subset B_{8\delta_0}(x)}\) により 4.2 を用いて \({? \cap M \ne \varnothing.}\)
4.5 \(\sigma^{N - n} = {\langle v_0 \dots v_{N - n}\rangle}\) と \(M\) が交わるならば、交点の重心座標は \(2c\) 以上である。すなわち、交点を \({\psi(\sigma^{N - n})}\) を書くと、
\(\displaystyle \sum_{i = 0}^{N - n}t_i v_i\) と表すときに \({t_i \ge 2c\quad(i = 0, \dotsc, N - n)}\) である。
\(v_i\) の対面 \(\tau_i = {\langle v_0 \dots v_{i - 1} v_{i + 1} \dots v_{N - n}\rangle}`を含む affine 空間 :math:`{P(\tau_i)}\) からの距離を考える:
\[\dist(v_i, P(\tau_i)) \le \diam(\sigma^{N - n}) \le (1 + 2\rho_0)\delta_0 c.`\]2.4 より
\[\dist(\psi(\sigma^{N - n}), P(\tau_i)) \ge 2(1 + 2\rho_0)\delta_0 c.`\]
4.6 \(\displaystyle {\psi(\sigma^{N - n + k}) = \sum_{i = 0}^{N - n + k}t_i v_i\quad(k \ge 1)}`と書くとき、:math:`{t_i \ge \dfrac{2c}{k_N}.}\)
\(\sigma^{N - n + k} = {\langle v_0 \dots v_{N - n + k}\rangle} \cap M = \varnothing\) ならば、\(\tau_1, \dotsc, \tau_m \subset \sigma^{N - n + k}\) を \({N - n}\) 単体であり、いずれも \(M\) と交わるとすると、 4.4 と 4.5 により:
\[\psi(\sigma^{N - n + k}) = \frac{1}{m}\sum_{i = 1}^m \psi(\tau_i).\]